幸運のお守り
このくらいならR15付けなくても良いですよね?
ヘルプはひと通り読んだつもりですが、R15に対する
ガイドラインらしきものは見当たらなかったので……
抜け殻が金運上昇するって伝承はどこから出てきたんですかね
脱皮というものがある。
蛇は成長にしたがい、体が大きくなると脱皮を行って小さくなった表皮を脱ぎ捨てる。
また成長したときはさらに脱皮を行い……と次第に体が大きくなっていくのだ。
同じ爬虫類であるトカゲなども脱皮をする。
トカゲの脱皮は、体の表面の脱皮殻がぽろぽろとバラバラにはがれていく形で行われる。
対して、蛇の脱皮は特徴的だ。
頭から尻尾まで裏返すように全身の皮が一繋がりで脱皮が行われるのだ。
蛇の特徴をもつラミア種もまた、成長にしたがい脱皮を行う。
人間肌の部分も含め、尻尾の鱗部分まで動物の蛇と同じように一続きで脱皮する。
「うーん……どうしよう……」
ラミアである雪乃は困っていた。
脱皮が始まったのはいいものの、皮が一続きでうまくはがれてくれなかったのだ。
背中に一人ではどうしても手が届かない部分の皮が残ってしまっている。
蛇でもこういうことが起こる場合がある。
脱皮不全と呼ばれる症状だ。
原因はいろいろある。乾燥によるものか、体調不良によるものか。
そもそも健康であっても、大型の蛇ほど正常な脱皮が難しい。
人間大のサイズともなるラミアともなれば、なおさらである。
脱皮は体が大きくなるたびに行わなければならないので、成長期には頻繁に起こる。
雪乃も、子供のときに脱皮不全になったことは何度もあったが、そのときは姉である葵や
親もいたのでまったく問題はなかった。
成人を迎えるちょっと前から、体が成長しきってしまっていたのかずっと兆候が無かったので
もう脱皮することは無いかと思っていたが、最近になって急に始まったのだ。
運悪く同居中の葵は大きい仕事の追い込みでここ数日会社に泊り込みらしい。
いまは修羅場真っ最中だろう。こんなことで呼び出すわけにもいかない。
ここは可愛い弟にお願いするしかない。そうして仁の家のチャイムを鳴らす雪乃であった。
「脱皮不全?」
「うん、良くあることなんだけど、残ったところが一人じゃどうしようもなくて……」
雪乃から相談を受けた仁はなるほどそういうこともあるのか、と一人思っていた。
ラミアも脱皮するとは知らなかった。
「すぐやらないとマズイの?」
「ずっと残ってるとかゆみもでてくるし、つらいの。お肌が荒れちゃうこともあるし」
もともと自分の体から出ているものとはいえ、不要物である。
剥けかけのカサブタがいつまでも残っているようなものだ。不快そうなのは仁にも理解できた。
「でもやり方とかしらないけど、俺でいいの雪姉?」
「難しくないし、やり方は教えるから大丈夫。むしろひーくんにこそお願いしたいな。」
この言葉を聞いて、仁は少しうれしく思った。
強引さはあるものの、普段からお世話になっている雪乃だ。
少しでも恩返しになるならやってあげよう、そう難しくも無いという話しだし。
決心した仁は雪乃に快諾する。
「わかった、やってみるよ」
「ありがとう!やっぱりひーくんはやさしいな!お姉ちゃん嬉しい」
ぱっと嬉しそうに笑顔を咲かせる雪乃。
こういう顔をしてくれるなら、安いものだと仁は思った。
「じゃあまず、どうすればいい?」
「えっと、お風呂くらいの温度のお湯とタオル用意してもらえる?その間私も準備してるね」
了解、と雪乃に告げて、仁は台所へ向かう。
確かちょっと大き目のタライがあったはずだな、と棚を探すことにした。
無事タライを見つけた後、風呂場で40度ほどのお湯を張り、雪乃の待つリビングへ戻る。
そこで思わずお湯の張られたタライを取り落としそうになったが、仁はなんとか踏みとどまった。
リビングを水浸しにしなかった自分を褒めてあげたい。仁は心からそう思った。
仁がそこまで驚いたのはわけがある。
リビングには変わらず雪乃が居たが、仁がお湯を汲みに行くときと違う点がひとつだけあった。
雪乃は上着をすべて脱ぎ去り、上半身裸の状態であった。
胸こそ腕で隠していたが、その豊か過ぎるモノは到底隠しきれるものではなく
嫌が応にも仁の視界に飛び込んでくるのであった。
「なんで全部脱いでんの雪姉!」
「? 背中だし、脱がないと見えないじゃない?」
何かおかしいことあるの?とでも言いたげに不思議そうな表情をした後、くるりと背を向ける雪乃。
背中でも上着を捲ればいいんじゃないのか、と言いたかったが、もういまさらだ。
さっさとすませて迅速に服を着てもらったほうが良いと、作業をすませてしまうことにした。
「お湯にくぐらせたタオルを軽く絞って、残った皮の部分にあてて湿らせてね」
雪乃の背中にまわった仁は、言われたとおりタオルを絞る。
タオルを当てようと雪乃の背中を改めてみると、どきりとした。
アルビノであるが故の白い背中が目前に広がっていた。
雪乃は日差しが少し苦手なこともあり、普段からあまり露出の多い服を着ない。
夏でも長袖が普通である。
顔などから肌が白いのはわかっていたが、こうして改めて肌を見ると、その白さは際立っていた。
ほっそりとした首筋から流れるような曲線を描いた白く、染みひとつ無い滑らかな背中。
病的とも思えるほどの肌の白さは幻想的な美しさをたたえている。
その中にも白い肌に差したほのかな赤みが、生きているヒトのぬくもりをより一層感じさせていた。
「んっ」
「ご、ごめん、熱かった?」
「大丈夫、ちょっとびっくりしただけ。ちょうどいいくらい」
タオルを背中に当てると雪乃は少しみじろぎした。
温いくらいに暖められたタオルとの温度差に思わず反応してしまったようだ。
皮の残った部分を含む、周辺を満遍なく湿らせるようにポンポンとタオルを当てていく。
「だいたい湿ったら、爪でゆっくりこそぎ落とすようにめくってね。急にやるとちょっと痛いから」
タオルを置き、雪乃の背中に指先で触れる。
最近脱皮したばかりなのか、まだ剥けていない皮の周辺の肌は上質の反物のように
癖になるような手触りだった。
思わず手の平全体でなでたくなる衝動に駆られるが、ぐっと我慢。
痛みを与えないように、周辺の白い肌より少しくすんだ色の残った皮をめくっていく。
ぺり、と乾いた音を立てて皮が少しだけめくれる。
そこから現れるのも、まっさらな白い肌。いや、そこは脱皮したてなためか周囲よりもさらに瑞々しく
やわらかい。思わず指先でつついてみると、想像以上に弾力があり、すべすべとしていた。
「ん、こら、いたずらしないの」
くすぐったいのか、軽く抗議する雪乃。
怒らせたかと思ったが、言葉に怒りが含まれる様子はないので仁は安堵した。
無遠慮に女性の肌を触るなんてセクハラになりかねない、無心でやるべきだ。
タオルを背中にあてて、皮をむく。その作業を無心に、しかし気を使いつつ進めていく。
しばらく、ぺり、ぺりと皮をはがす音だけがリビングに響く。
少しはがれるたびに、雪乃が声を漏らしたり、ぴくんぴくんと身じろぎをしたりするが、意識をしないように続ける。
実のところ、数分ほどの作業であったが、仁はもう30分くらいやり続けているような感覚だった。
最後、すべての皮が無事剥けたあと、仁が思わず息をもらしてしまったのは仕方の無いことだろう。
「終わったよ、雪姉」
「うん、ありがとうひーくん!さっぱりした!」
急に振り向いた雪乃の胸元に抱き寄せられる仁。
今の雪乃は上半身裸である。その状態で顔を胸に抱き寄せられた。
過去に何度か同じようなことをやられたことはあるが、そのときは当然服を着ていた。
「雪姉、服着て、服!」
「優しくしてくれたひーくんにご褒美です」
服という障壁が無い状態で顔に感じられる体温と柔らかさがダイレクトに仁を襲う。
雪乃の胸は大きい。あやめほどではないが標準サイズよりはだいぶ隔絶している。
あやめが西瓜だとすると雪乃はメロンだ。ハリは雪乃のほうが上であろうか。
仁が目をつぶったままなんとか離れようとはするが、ご丁寧に
下半身の尻尾で自分もろとも全身巻きつかれているため、まったく引き離せない。
結局、雪乃が満足して解放するまで十数分、抱きつぶされる仁であった。
解放後。
「でもなんで今になって脱皮したんだろうね?」
「最近、ブラがちょっときつくなってきたから、そのせいかな」
瞬間、先ほどまで顔に押し付けられていた感触を思い出す仁。
聞くんじゃなかったと後悔しても後の祭りであった。




