★★★ 物語の解説 ★★★
蛇足です。
ネタバレになりますので、まだ本編を読んでいない方はご注意ください。
「船守のお仕事」に関して、所々意味がわかりづらいというお声をいくつかいただきましたので、解説メモを作りました。
ご興味のある方は以下お読みください。
ただ、情報として蛇足になっている部分もあるため、ご自分で考査したい方などは読まないことをオススメします。
【Chapter:0020に関する解説】
Q1.
説明が少なすぎてわかりづらい。
A1.
以下にまとめた前提①を活かすため、あえて説明を少なくしました。
ただ文章をまとめる力がないため、ただの説明不足(いわゆる作者の脳内では理解しているが、読み手は理解できない)になってしまいました。
申し訳ありません。
《 前 提 》
①悪魔は嘘は言わないが、本当のことも言わない。
②悪魔は自分の世界のことは嫌というほど知り尽くしているが、異世界(地球)のことに関しては未知の領域であり、非常に興味があった。
《 悪魔とのやり取りの謎 》
Q1.
宝玉が対価ではなかったのか?
何故イチカの二番目に大事なものまで奪っていったのか?
A1.
悪魔の中で宝玉はあくまでもレイヴンズチェストのものなので、イチカ自身の罪の対価としては計上していません。
また、イチカの二番目に大事なものが目的のうちのひとつだったため、二番目に大事なものを奪いました(詳細後述)。
Q2.
悪魔が勝手に協会に黙って契約内容を違えてもいいのか?
A2.
協会との本来の契約では一番大事なものを貰っていくとなっていますが、悪魔は「自分は協会とは対等である」と考えているので、お互いに勝手に契約内容を変えても良いと考えました。
(自己中判断ですが、悪魔なので人間の一般的な善悪判断とは考え方が違います)
Q3.
何故一番目じゃなく二番目に大事なものを奪ったのか?
A3.
イチカの一番目に大事なものはこの世界での出来事。
つまり悪魔にとって馴染みのあることで、物珍しさがありません。
逆に二番目に大事なものである地球での全ての記憶は物珍しいため非常に興味がありました。
元はこれが一番目に大事なものだったため、これがそのままであれば悪魔は回りくどく言わずにとっとと奪っていました。
しかしそれがバーレスクと過ごすことで二番目になってしまったので、回りくどく立ちまわって奪っていったのです。
何故なら頑固で面倒臭いイチカへ普通に「一番目には興味がないから二番目をちょうだいよ」と言っても素直に渡すとは思えなかったからです。
そのため、誘導して自主的に渡してくるようにしました。
(あえて「宝玉を渡すなら一番大事なものは我慢してあげる」と言う事で「宝玉はイチカのものであると認めている」「宝玉は対価になる」と誤認させ、後々の取り引きに対するハードルを下げて油断させた。これにより悪魔には宝玉と二番目に大事なものの両方を手に入れる地盤ができた)
Q4.
異世界人(地球人)は魂の性質が違うからイチカの絶望には興味がないと言うのなら、二番目に大事なものに興味がある理由は?
異世界人のことには丸っと興味がないと認識していたが違うのか?
A4.
イチカは死の間際の絶望を経験したことがないので、悪魔は「その程度の絶望には興味がない」という意味で言いました。
しかし、未知の領域である異世界に関する情報(二番目に大事なもの)には知識欲的な意味で興味があったのです。
※話の流れ的には閑話ですが、関係ない話を入れることで後々の取引に対する判断力を低下させる効果を狙っています。
Q5.
結局のところ宝玉はいらなかったのか?
A5.
死の間際の絶望、それも大量の絶望には興味があるので、喉から手が出るほど欲しかったです。
Q6.
二番目に大事なものを奪われたからと言って、あんなに悔しがるのか?
A6.
お察しの方もいらっしゃると思いますが、二番目に大事なものは故郷でのこと全てです。
イチカはいつか元の世界に帰ろうと思っていたので、帰り道がわからなくなってしまった(全てを忘れた)ことを嘆いています。
また家族のことも友人のことも今までの生活も好ましいものだったため、なおのこと自分の迂闊さに憤っています。
小説でわかりやすく書くではなく、解説に走ってしまい申し訳ありません……
ご質問いただいた方への嫌味ではないので、そこだけはご理解いただけますと幸いです
他にもわからないことがありましたら、遠慮なくご連絡ください……!




