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聖夜の約束  作者: 紅桔梗
10/11

(10)

 


 彼女が死ぬ三日前。


 一枚の手紙を担当医師に渡していたそうだ。


 僕宛ての手紙。


 可愛らしい桜色の便箋に入れられた、たった1枚の手紙だった。


 彼女からの最後の言葉。


 僕は見たくはなかった。


 これを見ると、手紙を読んでしまうと

 僕と彼女との関係が終わる気がして。

 彼女との日常が思い出に変わってしまう気がして、

 僕は手紙を読むことを躊躇っていた。

 だけど、彼女からの言葉を拒否できるほど

 僕は強くはなかった。


 震える手をなんとか動かし、

 ゆっくりゆっくりと手紙を取り出す。

 固く閉じた目を恐る恐る開く。


 薄く開けた目に飛び込んできたのは、

 大きく書かれた、彼女らしいたった一言だった。


 驚きと喜びと―――。

 決してマイナスではない感情が心を支配する。


「あははっ。」


 温かい。

 どこまでも温かい感情が僕を満たした。


 空を見上げ、彼女のことを想う。


「ちーちゃん。

 ――――――ありがとう。」






 

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