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一ノ瀬兄妹(に)は伝えたいことがある  作者: 久川梓紗
桜闘
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9話「準々決勝」

ちなみに、結構柚樹たちが通っている学校の敷地は大きく、特に体育館が大きいです。

今度話に詳しく書こうかな…((

 アナウンスが五回戦目の終了の知らせをする。


「えーこれで五回戦目を終わります。勝った人は本部まで来てください。」


 僕は勝った事を知らせに本部へと行こうとする。

 本部と言っても、長机に白い布みたいなシーツを被せて、その上にマイクが一本、堂々と立って本部の人達が座る後ろ斜めの壁の所にはトーナメント表があり、勝ち進んだ所に赤ペンで線をなぞるだけの所だが。

 それと放送。


「えっと、一ノ瀬君が勝ったんだね?」


 確か、放送委員委員長の人が話しかけてくる。


「はい。」

「そっか。じゃあここにサインをして。」

「分かりました。」


 差し出された紙と一緒に渡されたペンで自分の名前を書く。


 僕が書いたサインを見て放送委員委員長は頷く。


「うん。ありがとう。次も頑張ってね。」


 きっとこの人は愛想笑いで僕に微笑んだのだろう。けど、この人の顔立ちからか本当の笑みを向けられてるように感じた。

 とりあえず、応援?をされたのだから礼は言おう。


「ありがとうございます。」

「いえいえ。」


 彼は手を軽く降った。

 べっこう柄眼鏡の上でサラサラな髪が揺れる。


 僕はその髪が動き終わったあと本部から離れた。


「次の方どうぞ。」

 彼の声が聴こえた。


櫻井空我(さくらいくうが)です。」

「櫻井くんね。サインしてもらえるかな?」

「はい。」


 自分の後ろに並んでいたのは櫻井だったらしく放送委員委員長と話している。

 …そう言えば櫻井、自分の名前を名のってたな。

 僕、名のってない…よな?


 なんであの人僕の事、と言うか兄の事を知ってるんだろう。

 でも、柚樹は一応ここの学校の生徒会長だし、代表委員会とかで話してたりしたのかな。


 …なんか、柚樹に負けた気がして来た。

 ムカついてくる。

  僕は矛先がない怒りを溜めていた。


「柚樹。ここにいたのか。」

 僕が本部から退散してから十分が経つか経たないかの時、櫻井が走って来た。


「ギリギリだったな。空我。」

「一言目がそれかよ。」

「負けたら許さねぇところだったら。」

「あの時はどうもありがとう。」


 櫻井が礼を言って来た。

 僕なにかしたっけ?


「お前、俺の事応援してくれただろ。…それだよ。」

 櫻井が少し目線をそらして言った。


「別に対した事してないし。それにお前が勝てたんだから一先ずはいい。」

「でもありがとう。多分、お前の言葉がなければ負けてたかも。」

「それは力を抜いてての話だろ?」

「…バレた?」

「当たり前だ。」


 やっぱお前にバレるか。櫻井が笑いながら言った。


「なんでお前が手加減を相手にしたかはしらねぇけど、今度それで負けたら殴らせろ。顔面五発ぐらい。」

「それは痛そうだな。」

「痛くしてやるよ。もしあれだったら竹刀でもなんでも。」


 僕は満面な笑みを彼に向ける。

 遠慮するよ。と一歩後ずさりした櫻井に近づき、遠慮しないから安心しろ。

 と言ってまた笑顔を作った。


「お前、こえーよ。本当。」

「とにかく、手加減して負けなちゃいいんだよ。」

「手加減しなくても負けたら?」

「殴らせろ。」

「理不尽だ。」

「とにかく、僕と闘うまでは負けるな。いいな?」


 はいはい。櫻井はそう言って笑った。


 __多分、こいつは誰にも負けない。

 強すぎてつまらないだけ。

 だから他人に手加減して少しでも同レベルにしようとする。

 才能がある奴に悩みがあるならこいつは、喧嘩での才能を持った奴が抱える悩みをずっと…一人で持っているのだろう。


「あ…あと、一つ。」

櫻井に聞きたかった事を聴こうとする。


「なんだ?」

櫻井が首を傾げた。

「五試合目が始まる前、口パクで僕に何か伝えようとしたろ?あれ、なんて言ったんだ?」


自分で聞きながら答えを予想する。

 …負けろよ。って言ってたら頭殴る。

 そう思った矢先、櫻井は言った。


「『頑張れよ』って言ったんだが…分からなかったか。」

 負けろよ。とか勝てよな。でもなくて、頑張れよ。か…。

 こいつはどこまでお人好しなんだか。


 自分にとってこいつは、あったばかりの奴なのに、こいつ事をずっと見てきたのかと疑いたいほど櫻井の事をわかってきたかもしれない。

まぁ、知らない事の方がまだまだ沢山あると思うのだが、不思議にそんな気持ちになった。


 でも未だに、なんで柚樹と櫻井が仲が良いのかは不明。

 あと、櫻井が言ってたライバルの意味も知りたい。

まだ、知りたい事が多くある事を知る。


「柚樹?どうした。ニヤニヤして。」

「別にニヤニヤなんかしてねぇよ!」

 櫻井に吠えた後、顔の向きを変える。


「…ありがと。」

 櫻井には聴こえたか分からないが、微かに背後で人影が動いている気がした。

アニメ、漫画研究部部長、伊藤先輩

・体格はしっかりしている

(ふくよか)

・柚樹に喧嘩を吹っかけた事のある一人←

(部費を上げろと生徒会に乱入の際←)



放送委員委員長、安食琉蘭(あじきゆか)

・柚樹とは知り合い

・学校や外では眼鏡をかけてる

・目立つ事が好きではない。



軽く紹介でした((


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