勝利者
覚醒したショーグンが吠えていた!
「――数々のクエストをこなし、経験を積み、突き進み、最後に現れたのがラスボス、巨大な金色ドラゴンだったのだ! それも、口から6000度もの炎を吐く神炎竜だ! こいつが玉座を護っていたのだ! こいつを倒さねばその座に就くこと叶わず! さぁ俺はどうしたと思う!? 俺は頭脳きわめて優秀な科学者たち、それもハダカの美女千人と超合体して、メカドラゴンを造ったのだ! 頭に収まるのはもちろんこの俺! さぁ決戦だ! 炎を吐くドラゴン! 対して俺は、メカドラゴンの口からビームを発射してやったのだ! 驚け! 驚倒しろ! それはマイナス6000度ビームだったのだ! アハハどうだ俺様の頭脳は才覚は!? ひざまずけ! 崇め奉れ! 相手の最大攻撃を見事中和させてやったことで勝負は決した! 俺の勝ちだッ! すると、なんということか、ドラゴンは究極のハダカの女神に変じたではないか!? メスだったのだ! その女と愛を交わし、そして、導かれ、畏まられて、とうとう、ついに――おお、俺はこの、玉座に、座った! 今こそ俺は地球王! 俺こそ地球史上最高の勝利者なのだ――!!!」
虚空を睨み、歯を見せて笑い、胸を張り、力こぶしを作り、男性器をそそり立たせ、足指を広げて、無重力である地球中心点に、ゆらりと仁王立ちになっている――
僕は知らず、拍手していた。何と言おうとも、彼は、男の究極の、一つの理想形に到達したのだから。純粋に尊敬の心だった。
僕は唇を結ぶと、彼の横を通り過ぎて、先へ十数メートル進む。クリスタルの境界面にタッチして――宣言したのだった。
「ここが大陸の端。ゴール。僕の勝ちだ」




