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地球ダイブ

 自由落下を意識した瞬間。僕の体は、まるで真空の領域を進むように抵抗なく、クリスタルの中を落ちた。

 巨大な断面模様が加速度的に、吹き上がるように上へ流れていく。一瞬、目がくらむ。

「ひょう!」

 こんなでもだ。

 目に見えるあそこまで、約20分もかかるというのだから、地球はでっかいものだ!

 向こうに視線を飛ばす――


“眠りのショーグン”。


 僕がスピードを上げていくと、リンクしてるのか兄貴の体も同じく上げていく。減速すれば減速し、二人の距離は変わらない。

 遙か上空に、恐る恐る追従してきている女の子たち。そんな彼女らから、『ため息』が聞こえた。

 そう。こんななら、旅を先行させたショーグンが有利だからだ。

「――」

 周りを見る。


 地球直径、約12800km。ここらは、地殻と呼ばれる領域だった。花崗岩、玄武岩などからなる層だ。

挿絵(By みてみん)(引用:Wikipedia)


 すぐに上部マントルに突入。直径約12700km。金星をほぼ飲み込む大きさである。かんらん石などからなる流動性を持つ熱い石質の層だった。

挿絵(By みてみん)(引用:Wikipedia)


 なお、熱光は、ムーの方で適度に遮光してくれている。でないと、熱か光圧で死んでいたかもしれない。


 下部マントルに突入。直径約11500km。約24万気圧。固体となったマントルの層だった。


 外核突入。直径約7000km。火星を飲み込む大きさである。約130万気圧。火炎地獄はかくやと思わせる。鉄とニッケルなどからなる、流動性をもつ層だった。ここのダイナモ機構により、磁場が生じているのだ。

挿絵(By みてみん)(引用:Wikipedia)


 内核突入! 地球の、究極の熱源だった。固体となった鉄合金である。直径約2500km。冥王星を余裕で飲み込む大きさだ!

挿絵(By みてみん)(引用:Wikipedia)


 嗚呼、最果て、極寒の星が最高の熱星だったなんて!

 自分の()(ごと)に自分で笑う――


 そして、0km。地球中心だった。400万気圧。その温度は、太陽表面と同じ、6000度!!!

挿絵(By みてみん)(引用:Wikipedia)


 先着したのは、ショーグンだった。

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