ムー 4
全員が引きつり、後ずさる中、僕は一人、会話を続ける。
単刀直入だ。
「貴女を起動停止にする方法はありますか?」
対して即答。
『唯一、オーナーの死、です。死亡が確認されれば、わたしは停止します』
「オーナーとは、誰のことをさすのですか?」
『ここにいる全員に資格があります』
「なぜ、起動したのですか? 資格者の誰一人、思ってもいなかったコトなんだけど」
『わかりません。回答不能です』
「なら、ここは一つ、“わからないまま”に、停止してもらえないでしょうか?」
『そのような機能はありません。実行不能です。ですが――』
なんと譲歩してきた。
『――お一人様の死で結構でございます。それで、なんとかします』
笑っていいのか分からない。
『ゲームを提案します』
『参加者は二名以上。敗者の命を以って、停止いたしましょう』
つばを飲み込む。
「参加者一名以下の場合は?」
『わたしの権能において、わたしはゲームの開催を待つだけです。すなわち、二名以上という条件が満たされるまで、いつまでも待機することになります』
そして続ける。
『ですが、現実。一年後、わたしは存在していないでしょう』
静まりかえった。
僕は右手を挙げたのだった。
「参加一名です」
僕がここに来た理由は、これだったのだろうから。そして――
「参加二名。そして、これで〆だ」
ああ、このとぼけた声! こんな状況なのに、安堵してしまう。心が弾む。
その声の主は言った。
「それが、俺の存在理由なんだろうからナ!」




