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異世界で待ってた妹はモーニングスターで戦う魔法少女(物理)だった件  作者: 未知(いまだ・とも)
第1章 〜魂の帰る道〜

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第8話「ログアウトできない世界!?ドルイドの言葉が意味深すぎるんですが」

異世界居酒屋で大盛り上がり!

のはずが……


楽しい居酒屋回から一転、物語は核心へ。

どうぞお楽しみください!

月が登るにつれて、笑いと歌に包まれた酒場は少しずつ落ち着きを取り戻していった。

テーブルには空になった皿とジョッキが積み上がり、酔いつぶれた冒険者が床で寝転がる姿もちらほら。


「ふぅ……楽しかったぁ」


私は背もたれに体を預け、大きく息をつくと、リスナーに挨拶して配信を終了することにした。


「それじゃみんな、次の配信も楽しみに待っててね! まったね〜」


【まったね〜!】

【まきぽん、おっつー! 今日も最高だったぜ!】


いつものやり取りを終わらせて、スマホを切る。

でもみきぽんは、デザートのリンゴを頬張りながら、まだ元気いっぱいのようだ。


「おねーたん! みきぽん、まだあそびたいでち!」


「今日はもう遅いからね、また今度だよ」


そんなとき。


「……さてと、俺はそろそろ帰るかな」


バルガンが大きなあくびをして腰を上げた。


(あ、そっか。バルガンっていつも早めにログアウトするんだった)


私は何気なく声をかけた。


「バルガン、そろそろログアウトする時間?」


「……んっ?」


バルガンは不思議そうに首をかしげた。


「ろぐ……あうと? なんだ、そりゃ」


「え……?」


私は一瞬、耳を疑った。


「ログアウトって……ほら、ゲームを終わらせるときに……」


「げえむ?」


バルガンは豪快に笑い飛ばす。


「ダーッハッハッ……まきぽん、何を言ってるんだ?

 俺たちのギルドハウス以外に、どこに帰るっていうんだ!」


——背筋に冷たいものが走った。


(……どういうこと? ここって、やっぱりゲームの世界じゃ……ないの?)


胸の奥で疑念が黒い渦を巻く。


確かに私は『ティルナノ』で遊んでた。そこで配信してた。

でも、ここのみんなは「スマホ」も「ログアウト」も知らない。


(じゃあ……私はいったい、どこに来ちゃったの……?)


みきぽんが心配そうに私の袖を引っ張った。


「おねーたん……?」


「……ううん、なんでもないよ」


私は慌てて笑顔を作る。けど、胸のざわめきは止まらなかった。


不安そうに辺りを見渡していた私に、エリアスが穏やかに語りかけてくる。


「どうやら、みきぽんは皆に受け入れられたようですね」


「はい! みんな優しくしてくれて……」


私は少し胸をなでおろす。

だが、エリアスの瞳はどこか遠くを見つめているようで——。


「まきぽん。あなたはまだ、この世界に転移したことに戸惑っているのではないですか」


「えっ、……エリアス知ってたの!?」


やっぱり、彼は私が異世界から転移してきたことに気づいていたんだ。


「ですが、心配はいりません。

 あなたがここに来たことは、『必然』なのでしょうから」


「必然……それって、どういうこと?」


エリアスは一瞬だけ、寂しげに微笑む。


「いずれ、お伝えする時が来るでしょう。

 ……ですが今はただ、仲間たちと過ごしたこの夜を、大切に覚えていてください」


それだけ告げると、彼はゆっくりと立ち上がり、酒場を後にした。


……必然?

バロールと戦って、みきぽんと出会って、みんなと戦うことが……?

エリアスの言葉は胸の中に小さな棘のように刺さって、いつまでも抜けなかった。


——やっぱり、ここは私の知ってるゲームの世界じゃない。

そんな疑念が、私の中で確信に変わり始めていた。


 * * *


「おねーたん……みきぽん、おねむでち……」


気づけば、小さな体がうつらうつらと船を漕いでいた。


「……そうだね、そろそろ帰ろっか」


「かえる……どこへ?」


「ギルドハウス——今日からは、みきぽんのお家だよ!」


その一言に、みきぽんの顔がパーッと明るくなった。


「おうち……! みきぽんにも、おうちできたでち!!」


——そうだった。この子には今まで『帰る場所』がなかったんだ。

孤独の中で待ち続けて、ようやく手に入れた大切な居場所。


「おうち! おうち!」


みきぽんは両手を広げて、心から嬉しそうに飛び跳ねる。

その姿があまりにも健気で、胸がぎゅっと締め付けられる。


(そうだよね……帰る場所がないって、辛かったよね……)


「じゃ、いこ♪」


「……あいっ!」


もう寂しくなんかない。

——これからは、一緒に帰る家があるんだから。


月明かりに照らされながら、私たちは手をつないで歩き出した。

異世界の夜風は、どこまでも優しかった。


読了ありがとうございました!

宴の後、リスナーとの温かいやりとりから一転……

「ログアウトって何だ?」——この一言で、まきぽんの『常識』がひっくり返りました。


そしてエリアスの気になる一言。

彼はいったい、どこまで知っているのでしょうか?


次回からはいよいよ本格的な冒険がスタート!

評価やブクマの一つひとつが、本当に次の執筆の力になります。少しでも楽しんでいただけたら、応援いただけると嬉しいです!

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