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淡々と告げるレオポルト。
カイトは終始礼の姿勢をとったまま無言でいた。
そんな彼を上から下まで一瞥し、ノルベルトはニカッと笑うと言う。
「・・・いいんじゃね?俺様もコイツは『シュピオン』に向いていると思う」
「そうか」
ノルベルトからのいい返答を貰え、レオポルトもホッとしたように表情を弛めた。
ポンポンとレオポルトの頭を撫で、ノルベルトはラトガルドを抱えたままカイトの目の前に立つ。
「カイト」
「・・・はい」
「お前、記憶力に自信は?」
「記憶力、ですか?」
「そう。記憶力」
「良い方ではあると思いますが・・・」
「よし。ならこの模擬戦が終わった後、手話を覚えろ。『シュピオン』は基本的にレオの指揮下だが、俺もレオも指揮が取れなくなった時、ラトの書く文章を一々読むのも面倒だろう。お前が覚えて他の連中の通訳になってやれ。今の『シュピオン』にラトの手話を読める奴いなくてな。近々何とかしようと思ってたんだ。丁度いい」
『・・・ノルにぃ』
「そんな顔すんな。ラト。俺達には何時何が起こるか分かんねーんだぞ?最悪の想定は常にしとくもんだ」




