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天空の城を貰ったので異世界で楽しく遊びたい  作者: 井上みつる/乳酸菌/赤池宗


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フリーダー皇

天空の城をもらったので異世界で楽しく遊びたい

10月25日発売予定です・:*+.\(( °ω° ))/.:+

わーい!

なんと40,000字に及ぶ追加エピソードなどの大幅加筆!

ちなみにまだ特典SS製作中ですヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3

「まだ見つからんのか?」


 その声に近くにいた兵士達は困ったような顔で頷く。


「申し訳ありません……懸命に捜索しておりますが、いまだにお二方の行方は……」


 一人が代表してそう報告をすると、男は深く溜め息を吐いた。


 よく肥えた初老の男である。丸い顔を縁取るように白い髭が生えており、短い髭と同程度の白髪の上にはチョコンと金の王冠が乗っていた。


 地味な赤茶色のマントを羽織ったその男は、大きな椅子の背もたれに身を預け、鼻で息を吐く。


 正面に見える景色の其処彼処に兵士の姿はあり、まさに草の根を分けての捜索といった様相である。それは男の視界に映らない場所でも同様だった。


 兵士達が手を抜いているわけでは無く、むしろ精一杯の努力をしている。それが分かっているからこそ、男は声を荒げることなく静かに待っていた。


 と、その時、男の左手側から大きな声が響き渡った。声が伝播するように他の者達の口からも声が上がっていき、途端に騒がしいざわめきへと転じる。


「なんだ、何があった?」


 男はそわそわと周りを見渡しながらそう尋ねると、近くに立つ兵士が代わりに声のした方へと走って行った。


 暫くして兵士が戻り、報告を口にする。


「ゼプテン陛下! ヤヌアル殿下とユーリ殿下が見つかったそうです!」


 その報告に、ゼプテン陛下と呼ばれた男は椅子から立ち上がって破顔した。


「お、おぉ……! そうか、良くやった! して、二人は!?」


「間も無くこちらに!」


「そうか!」


 途端に上機嫌になり、今度は別の意味でそわそわとするゼプテンに、周りの兵士達もホッとした様子で微笑む。


 やがて首を長くして待つゼプテンの下に、ヤヌアルとユーリ、ディツェンの三人が現れた。


 馬にも乗らず、兵士達に囲まれて歩いてくる三人にゼプテンは僅かに不思議そうな顔をしたが、すぐに表情を改める。


「色々と言いたいことはあるが、まずは一言。無事で良かったぞ、ヤヌアル。ユーリ」


 ゼプテンがそう告げると、ヤヌアルとユーリは頭を下げ、ディツェンは慌ててその場に跪いた。


「まったく……何処かに出掛けるのならば従者を付け、代官に一言伝えてから外出せねばならんぞ?」


 ゼプテンが優しい声音でそんなことを言うと、ヤヌアルが顔を上げる。


「ご心配をお掛けしてしまい、本当に申し訳ありません」


「うむ。無事ならば良いのだ。しかし、何故三人揃ってこんな所に……」


 ゼプテンが疑問にヤヌアルが意味ありげな笑みを浮かべた。


「その事で、大変面白い報告があります」


「とっても面白いんですよ?」


 ヤヌアルの台詞にユーリも顔を上げて同意する。二人が目を輝かせているのを見て、ゼプテンが頬をひきつらせた。


「お前達がそういうことを言う時はあまり良い報告ではないのぉ……いつだったか。確か布団の中にカエルを入れられたこともあったか……」


 ゼプテンが遠い目をしてそう呟くと、周囲の兵士達が困ったように笑った。


「いつの話をしているのですか」


「本当に面白いのです。本当ですよ?」


 ヤヌアルとユーリがゼプテンに一歩近付きながらそう言い、揃って空を指差す。


「空の上に国があったのです」


 二人がそう告げるとゼプテンと兵士達が一瞬固まり、また困ったような笑みを浮かべた。


「はっはっは。それは確かに面白い。なぁ、皆の者」


「いや、本当に」


「殿下は冗談がお上手で」


 面白い面白いと言いながら笑う皆にヤヌアルが口を尖らせる。


「冗談などではない。ほら、あれを」


 空を見上げ、そう言って何処かを指差すヤヌアルに、皆は苦笑しながら顔を上げた。


「ははは。久しぶりの殿下の冗談は芸が細かい……ん?」


「な、何だアレは?」


「空に、何か黒い影が……」


 空に浮かぶ何かを見つけた兵士達が驚きの声を発した。


「まさか、ドラゴンじゃ……」


「あんな形のドラゴンなんていないだろう」


「だが、かなりでかいぞ」


 動揺する兵士達を見つつ、ゼプテンが口を開く。


「もしや、あれが空の上にあるという国、なのか? それにしては小さいような……」


 その言葉にユーリが首を左右に振る。


「いえ、あれはタイキ様のゴーレム達ですよ」


「ご、ゴーレム? いや、待て。ゴーレム達? タイキという者が一人でゴーレムを複数体動かしているのか? 空を飛んどるのはどういうわけだ?」


 疑問が次々に湧くゼプテンだったが、ふとヤヌアル達の後ろに専門家がいることに気がつき、声を掛けた。


「おぉ、そういえばそこにディツェンがおったな。ディツェンよ。あれがゴーレムということだが、何故ゴーレムが空を飛ぶのだ。そんな技術を持つ国なのか?」


 ゼプテンがそう問い掛けると、それまで跪いたまま頭を下げていたディツェンが勢い良く顔を上げる。


「……陛下! わたくし、あの空の上にある国へ学びに行って参ります!」


 ディツェンが吠えるようにそう告げると、ゼプテンは眉根を寄せて浅く顎を引いた。


「いや、それは構わんが……ワシの質問には答えてくれんのかな?」


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