第八話 君のおかげで
お待たせしました!第八話です!
あれは確か俺がまだ小さい頃。
当時俺はまだ炎を出せるようになったばかりで暴走することがよくあった。
だから周りからは恐れられてた。
両親でさえよそよそしかった。
幼い俺にはかなり辛かった。
人に会うのが辛くてよく森に行ってた。
そんなある日ルイーダスに出会った。
あいつの親は旅人で帰ってくるのは年に一度あるかどうかだった。
だから周りからは哀れまれることが多かったらしい。
あの頃からあいつはあんまり話さないやつだったから友達もいなかったらしい。
お互い最初は話すことはなかった。
どうせ避けられると思ったから。
でも数日後。
始めて話しかけられた。
「なあ、お前。どうしていっつもここにいるんだ?」
「…街のみんなが俺の炎を怖がるから。だからここにいるんだ」
ディルは膝を抱えてうつむく。
少しの間静寂が訪れる。
「俺も同じだ」
「え?」
顔を上げて少年を見る。
その瞳には寂しげな色をしていた。
「俺の親は旅人でいっつも家にいないんだ。だから街のみんなが気を使う。それに俺はあんまり話さないから友達もいないんだ」
「じゃあ俺が友達になってあげるよ!…あ、でも炎を使うやつなんていやだよね」
「…友達」
やっぱりダメだな。
そう思った瞬間。
「いいよ。なろう、友達に」
これが俺の人生が変わった瞬間だった。
ありがとうございました!