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密室殺人に対する考察  作者: 守屋亭 混沌
第二部:解決編
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ラストシーン

土砂の撤去作業が終わるまでの間、それぞれ思い思いの時間を過ごした。


遊戯室に、陽介さん、華菜さん、碓氷さん、その上麗華さんまでも来て、一緒にレアなボードゲームをしたり、お姉ちゃんが碓氷さんに乞われてチェスを教えたりしていた。


華菜さんと麗華さんの関係は、相変わらずな所もあるけど、でも何かが以前とは決定的に違って来ている...そんな気がした。



───翌々日


深夜には、もう撤去作業が終わっていたらしいが、しっかり朝食をご馳走になりつつ、連絡していた警察のパトカーも到着して、優奈さんを無事に引き渡せた。


優奈さんに以前の面影は全くなく、まるで脱け殻の様な感じだったが、お姉ちゃんが視界に入ると尋常じゃない怯え方をして、警察の人が戸惑う程だった。


よっぽどトラウマなんだろうな......


「そういえば、美月さんの車はもうレッカー車に頼んだんですか?」


「うん!今修理に出てるとこだから、今日は代わりの車で帰るよ~ん」


えっ、代わりの車って、もしかして...


「ま、まさかと思いますけど、パトカー...とか?」


「うん、そう」


「えぇ!!ちょっ、ちょっとなんか気まずいっていうか、緊張しちゃうんですけど...」


「だいじょぶだいじょぶ!華凛ちゃんは悪い事なんにもしてないんだし、ふんぞり返って乗ってれば良いよ!」


そっ、それは、まあ、そうなんだけど!


「あの...」


私と美月さんが話していると、碓氷さんが帰る前に、お姉ちゃんに呼びかけた。


「チェス、凄く勉強になりました!

しかも法医学の知識も...華澄先生、ありがとうございました!」


碓氷さんが頭を深々と下げる。


「いえ、そんな...こちらこそ、楽しい時間をありがとうございました」


と言って、お姉ちゃんも頭を下げる。


せっ...先生...?

まっ、まあ、そう呼びたくなる気持ちは分からないでもないけど......


それにしても碓氷さんって、一見クールで近寄りがたい感じがする人だけど、そんな見た目とか表情で結構誤解されやすいんだろうな。


碓氷さんが笑顔でこちらに手を振りながら、自分の車に乗り込んだ。


...遠くで、ちょっと悔しそうに麗華さんがその光景を見ていた。

碓氷さんも、厄介な人に惚れられたな......


「やあ、みんな!」


陽介さんが、華菜さんと一緒にやって来た。


「華菜さんを送っていくんですか?」


「うん!元々その予定だったしね」


私の質問に陽介さんが笑顔で答える。


「あっ、あの...」


華菜さんが私達に話しかけてきた。


「あそこであのまま、あの電気スタンドを振り下ろして...夢の通りになっていたらって考えると、たとえ助かったとしても、絶対に後悔していたと思うんです。

...だから」


華菜さんは涙を浮かべながら


「止めてくれてありがとう。探偵さん」


と、笑顔で言った。


「どういたしまして...とか言うと、なんか照れちゃいますね。

キャンパスライフ、卒業まで目一杯楽しんで下さいね!」


華菜さんは嬉しそうな表情で頷くと、そのまま陽介さんの車に乗り込んだ。


...にしても、高い車に乗ってるな...


「それじゃ僕も。またね!」


そう言って、陽介さんも車に乗り込み、そのまま走り去っていった。


「おお、来た来た、あのパトカーに乗って帰ろう!」


優しい警官さんが、パトカーを美月さんに渡す。


私達がパトカーに乗り込み、美月さんが出発すると、見送りに来ていた忠徳さん、麗華さん、神守さんが深々と頭を下げていた。


光織さんは、美月さんの名前を叫びつつ、泣きながら手を振っていたので、美月さんが車の窓を下げて、運転しながら手を振り返していた。



帰り道は、再び峠を攻めそうになった美月さんが、理性で衝動を抑え込み、安全運転で神月浜町まで戻って、美月さんの奢りで夕食をご馳走になった後、無事に自宅まで辿り着いた。


「今回もありがとう、華凛ちゃん、華澄ちゃん!」


「いえ、こちらこそ、お世話になりました!」

「ステーキご馳走さまでした!」


私とお姉ちゃんが同時にお礼を言う。


あの店のステーキ、やっぱ美味しいわ~。


美月さんは、そのままパトカーで仕事に戻って行った。

......お疲れ様です、美月さん。


ふぅ~、やっと帰って来たぁ~!

さぁ~って、今日はなんの積みゲーを消化しよっかな♪


...ん?

なんかお姉ちゃんが、じっとこっちを見てる...?


「...なんか忘れてない、華凛ちゃん?」


えっ~と、なんだっ...あっ!

あ、あれって、冗談じゃなかったんだ...


私は顔面から火が出そうな心地になりつつ、お姉ちゃんに抱きつく。


う、う~、はっ、恥ずかしい...


......でも、なんか落ち着くな......


複雑な関係とかじゃなくて、こうしていつでも気楽に触れ合える普通の姉妹で......良かった。


お姉ちゃんは嬉しそうに微笑みながら、私を抱きしめていた。



~了~


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