第7話 グレイグ火山 7
グレイグ火山は、標高800メートルほどの割合小さいサイズの山だ。
よって、単純に山麓としてはそれほど印象に残る形はしていない。
だが、火山としての存在感となると、この世界で五指に入ってもおかしくない。
火山にはそれぞれどこにでもドラゴンがいるというわけではない。
火山+ドラゴンの組み合わせでも、観光名所としてはよほど見応えがあった。
ただこのクロック王国が鎖国している以上、他国からの訪問者はよほど稀である。
山頂から半径7〜8キロ及び、グレイグレッサードラゴンはかなりの箇所に出没するようだ。
五人はネリを先頭に、有力なスポットを狙ってふもとへと歩いていた。
地元の人間以外は、今の時期は山へ赴く事は無い。
ある意味、レッサードラゴンの退治を終わらせてくれないと観光的にもよろしくない状況ではある。
そんな中で五人組がまとまって歩いてると、自然に討伐隊ということがすぐにわかる。
加えて、律動連盟の目立つクリーム色の制服に年若い五人は、道ゆく人から好奇の目にさらされていた。
昨日がタスク発行初日の日。
討伐の許可証となる依頼用紙は、クロニアでのみもらえる。
ネリの話だと以前はオームのような正規ではないプレイヤー用の聖拍院でもタスクが出ていたらしいが、質の悪いプレイヤーがわんさか集まるのを嫌って町の方からクロニア聖拍院に参加者の選定を一任したのだそうだ。
ドラゴンの数と霊毛の数を計測するためにもどこかで一手に引き受けてくれた方が都合がいいらしい。
したがって、まさに今朝から皆がこぞって良いスポットへと向かうのだった。
当然ネリの持っている情報も、彼女だけが握っているわけではない。
途中の道では他の討伐隊と鉢合わせになるのが当たり前なのだ。
「おいお前たち
正規の律動師さんだよなあ?
そんなに若くてちゃんと戦えるのか?」
とはいえ全員が正規の律動師という訳にはもちろんいかない。どう観ても無法者の集まりのような連中も、中にはいた。
「去れ」
こういう類を相手にするには、アーネスが一番向いていた。
シュンやライドンではどう見ても子供っぽく、舐められがちになる。
並みの大人より頭1つ大きいアーネスに凄まれると、大概の連中は引き下がる。
(意外とこのパーティーはバランスが取れていて良いのかもしれない)
シュンはさすがジルさんだなと思った。
「そろそろドラゴンが現れてもいい地域に差し掛かりそうです
皆さん気をつけてください」
ネリがそう言ったときだった。
「あれ、スーノじゃないか」
どこからか声がした。




