第106話 ステラの気持ち
「タルネ、泣かないで
まだわからないじゃない」
(この子ってこんなに泣き虫だったかしら?
恋は女を変えるのね)
「ネリは可愛いのかしら?」
「可愛い…すごく可愛い」
(ま、なんてことでしょ
シュンも罪な男ね、許せないわ)
「まだ出会って一週間でしょ、そこまで情が移ったりはしてないと思うわ」
「ステラ…わたしとシュン
一週間も一緒にいたことない…」
(たった数日しか一緒にいなかったタルネをこんなにさせるなんて、なんて奴、女の敵だわ)
「いえ、あなたは彼と死線を越えた間柄よ、これは一年分以上の価値があるわ
それより何よりあなたは美しいじゃない」
「そう…かな」
(まあっ!こんなに可愛らしい顔して自覚ないのね、まったく、あたしが男だったら黙ってないのに)
「そうよ、パイスだって言ってたじゃない
大丈夫、シュンの気持ちはあなたにあるわ
男ってね、こっちから気を引かない限りなんにも気づかない奴らなの
こっちから気づかせてあげる必要があるのよ」
「……」
「あのね、シュンもあなたのことが好きってこと
それに本人が気づいてないの
だからあなたの気持ちを伝えるのよ
そうすると彼も、実は自分がタルネにぞっこんLOVEだったと気づくのよ、そういうものなの」
「ぞっこんLOVE…」
「明日が勝負よ、朝イチで聖拍院に行きましょう
今日は送ってあげるわ
もう雨も弱くなってきたしね」
「…はい
ステラ、ありがとう」
(もう、なんて可愛いのかしら
この子が言うと本当に心の底から言われてるみたいでなんだか嬉しいわ)
「いいのよ、頑張りなさい」
二人はオームまで一緒に歩いた。タルネにとってはここまで年上の女性と親密になったのは初めてのことだ。
(それにしても面白い話だったわ!
豪雨の中だったけど、タスクを探しに外に出て正解だった
ふふ、明日ネリとやらの顔を見るのが楽しみね)




