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宇宙の殺し屋として名を馳せるガツビィ・ブロウウィンと、その孫娘チャツネ・ブロウウィンに追いつかんばかりに活躍し始めたのが「フリーメン4」と呼ばれる4人組だった。
銃の名手のジャガー、格闘の鬼タイガー、スーパードライバーのチーター、うら若き美女のキャット。
彼らの噂をネットで流し続ける情報屋兼ハッカーのレイに依頼される仕事を次々とこなし「フリーメン4」は瞬く間に、皆の注目の的となった。
豪快な4人組の暴れっぷりは、意外にもその正体を掴ませず、未だに多くの謎をはらんでいる。
フリーメン4のターゲットになるであろう悪党たちは、彼らの秘密を躍起になって探ろうとしていた。
惑星サーキラの犯罪都市マゼラムの片隅。
エアカーを停めた、夜の駐車場まで、あと少しのところで1人の男がフリーメン4の前に立ち塞がった。
「キャットだな?」
30代前半のアウトロー丸出しの男の声は低く、ナンパではないのは、すぐに分かった。
「元カレか?」
チーターが笑った。
「なら、オレたちはお邪魔だな」
タイガーも乗っかる。
「全然、知らない人よ」
キャットが唇を、かわいく尖らせる。
20歳、ブロンドミドルヘア、Cカップバスト、ナチュラル体型の素晴らしいプロポーション。
魅力的な美貌が眩しい。
ジャガーだけは、油断なくホルスターのハンドガンに右手を置いた。
「やめておけ」
男が、すごんだ。
「俺の方が早い」
「ですって」
キャットが笑う。
「試してみろ」とジャガーが言うと同時に、ハンドガンを抜き撃った。
まったく反応できなかった男は、胸に風穴を空けられ、最後に「バカな…」と言って倒れる。
「ヒュー!」
チーターが口笛を吹いた。
次の瞬間、路地からバラバラと男たちが出てくる。
敵の銃撃をいち早いダッシュでかわした4人は、駐車場の自分のエアカーに飛び込んだ。
チーターがハンドルを握る。
「飛ばすぜ!」
「飛ばさないこと、あったかしら?」
キャットが笑うと、タイガーもガハハと笑った。
急発進したエアカーが、夜の道路へ走りだす。
しばらくして、追っ手の車が何台か迫ってきたが、チーターの超絶ドライビングが、あっという間にぶっちぎった。
「お客さん、どちらまで?」
チーターが訊く。
ジャガーが近場のアジトを指示した。
「アイアイサー!」
チーターが敬礼する。
エアカーは街並みを縫い、粗末なアパート前に停まった。
4人は車を降りる。
道脇から、ひょいと出てきた大柄な20代半ばの男が、キャットの腕を掴んだ。
「よお、姉ちゃん!」
男の息は酒臭い。
「さっきの奴らの仲間じゃないみたいね」
キャットは、ため息をついた。
「今夜はついてないな」と、チーターが笑う。
「美人じゃねえか」
大男も笑った。
キャットを引き寄せようとする。
「オレに任せろ」
タイガーが、大男の手首を掴んだ。
すさまじい怪力で握る。
「うぎゃあ!」
大男が悲鳴を上げ、腰砕けになった。
「なな、何だ、これ!? あり得ねぇ!」
彼は青ざめ、冷や汗をかく。
「折るか?」
タイガーが訊いた。
「やめろ」とジャガー。
「放してやれ」
「おう」
タイガーが、大男の手首を放した。
「ひー!」
彼が情けない声を発し、出てきた路地に逃げていく。
4人はアパート内の自室に入った。
スマホを取り出し、情報屋兼ハッカーのレイにメールを送る。
彼(あるいは彼女)と直接、会ったことはない。
「襲われた」
「どこで?」
すぐに返事が来る。
場所を教えた。
レイはネットを泳ぎ、付近のカメラ映像を確認しているだろう。
今までフリーメン4の姿が映ってしまった映像も、全て即座にレイが削除してしまえるほどの腕前なのだ。
「襲ってきた奴らは、その辺のチンピラ団だね。リーダーの名前はダオ。代金を振り込んでくれれば、居場所を送るよ」
キャットはすぐに振り込み、敵の位置を手に入れた。
そして、セクシーなワンピースに着替える。
鏡で容姿をチェックした。
「早くしろよ」とタイガー。
「もう! 女は身だしなみが肝心なのよ!」
キャットが笑う。
銃2丁をスカート下の太もものホルスターに納めた。
4人は外に出て、エアカーに乗り込んだ。
チーターの運転で、ダオの居るバーに向かう。
3分ほどで着いた。
キャットは車を降りる。
「上手くやれよ」とタイガー。
「誰に言ってるの?」
キャットは笑った。
バーに入ると、そこそこに盛況だ。
レイから送られたデータに合致する男を見つけ、カウンター席の隣に座る。
「こんばんは」
声をかければ、ターゲットは彼女のしなやかな肢体を、うっとりと眺めた。
視線を上げ、顔を見る。
「いい女じゃねぇ…か?」
ダオの表情が強張った。
「お前、まさか!?」
キャットは彼の腰にハンドガンの銃口を突きつけた。
「ご名答よ」
キャットがチャーミングに笑う。
「囲みを抜けたとは聞いたが…もう、ここが?」
ダオはゴクッと生唾を呑んだ。
「レイを知らないの? 凄腕ハッカーなのよ」
「くそが!」
吐き捨てたダオは、しかしニヤッと笑った。
「運が悪かったな、お嬢ちゃん。逃げられてから、俺は仲間をここに集めたんだよ。結果的にお前は罠に飛び込んだ」
店中の男女が一斉に、こちらに銃を向けた。
「あーらら」
チーターが、おどける。
両手に銃を抜いたジャガーの双眸が、ギラッと輝いた。
刹那でダオの顎下から脳天までを撃ち抜き、2丁拳銃で店内の敵を超絶のガン捌きで片付けていく。
2分後。
店の中で生きているのは、フリーメン4だけになった。
銃をしまって、外に出る。
この街の警察は、犯罪者同士の撃ち合いには干渉しない。




