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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)が異世界トリップ?
16/228

16.

適当に未来予想していると、いつの間にか前の2人がこちらをじっと見ていた。

え?何?

なんでこっち見てるの?

「大丈夫ですか?」

「ッ!!」

アークオーエンさん、その表情はワザとですか?

心配げにこっちを覗き込まないでくださいィィ。

最初に会った時のあの怜悧な表情はどうした。

どこに置いてきたんですか???

戻れ、戻ってくれ、戻ってきてください、お願いします。

はぁ、美形は存在するだけで人を殺せるわ。

事実、この数秒で私は不整脈になった。

帰ったら、CTと胃カメラと心電図受けないと。

ポーカーフェイスを装いましたが、心の中はこんな状態。

「急に黙り込んでしまわれたので、心配しました」

「自分の置かれている状況を把握するのに精一杯で……すみません」

何しろ地球に帰る時は、相当の覚悟が必要だという事が判ってしまったのだから。

頭の中はパニックだ。

「話を続けましょう」

流れを止めてしまった私が、こんな事を言うのもアレだけど。

取り敢えず、今後の待遇なぞ聞いてみようか。

「私の話ばかりで大変恐縮なのですが、今後自分はどういった待遇におかれますか?」

「そうですね、タダさ……いえ、ルイとお呼びしても?」

「え?はぁまぁ、お好きなようにお呼びいただいて構いませんよ?」

発音しにくいのかな?

「ではルイ、貴方の今後の事ですが……」

アークオーエンさんが話し始めてから、宗谷英規の顔がだんだん不機嫌になって行く。

所謂平謝り事件の時のような顔だ。

理由が判らないだけに、気持ちが落ち着かない。

やっぱ苦手だわ、この人昔から。

で、一方どんどん話続けていくアークオーエンさん。

要約するとこうなる。

宗谷英規は、宗谷奏楽の血縁であるため、国王預かりとなりここに滞在。

宗谷英規は、奏楽に与えられた身分をそのまま引き継ぐ事が決定されている。

私の身分は、容疑が晴れたばかりの為未確定。

暫く、この王宮で客人扱いを受けることになる。

何かの催しがあった場合は、出席してもらう事があるかもしれない。

異世界という概念がこの国に存在しないため、口外無用にと念押しされてしまった。

知っているのは、ある程度の地位のある者だけなので注意する事。

といった事だった。

私はこの国の知識(常識)をまず手に入れなくてはならないので、この待遇は少しというかかなり助かる。

ある程度知識が溜まったら、王宮を出て一人で暮らすのもいいのかもしれない。

宗谷英規?

一緒に行動をとる理由がないので、放置。

逆に、行動を共にしない理由ならいくつかあるけど。

一緒に行動すると地球に戻される可能性大で、地球に戻ったら死に至るかもしれないとか。

この人自身が苦手だとか……

当面の目標は、この国の知識を吸収し、1人でも生活できる環境に自分を持っていく事。

何しろ、王宮では私は何もできない、ただ飯食らいのお荷物だ。

切り捨てられるのも早かろう。

そうなる前に、何とかすべきだ。

では何ができるのか?

知識の吸収と職探し。

この2点に尽きるだろう。

まぁ、探せばもっと色々出てくると思うが。

「解りました。アークオーエン様、説明ありがとうございます」

当面の方向性が決まった事で、安堵の溜息をつく。

「……。いえ、お役にたてて何よりです」

ちょっと、アークオーエンさんの雰囲気がしょんぼりしているのは気のせいか?

逆に宗谷英規の表情が、元に戻っている。

「では、そろそろ私はこれで」

そう言って、アークオーエンさんが立ちあがる。

なので、私も立ち上がった。

「あの、一つルイにお願いがあります」

凄ーく色っぽい顔でこちらを見るものだから、一歩半ほど後ず去る。

正確には横にだけど。

「な、なんでしょう?」

声が変になっていなかった事を祈る。


「私をファインと呼んではくださらないでしょうか?」

気付いた時には私の目の前に立ち、覗き込むようにこちらを見ていた。






ひぃっ


キースに引き続きアークオーエンさんの様子が微妙です。

これからの彼の動向が気になるところです。


では、ここまで読んでくださった皆様に感謝を込めて。

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