表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)が異世界トリップ?
13/228

13.

ほら、昔の人が言ったじゃないか。

可愛いものは鑑賞せよって。

え、なんで2人ともそんなに距離置く?

さっきは、個体距離(45cm)すらあけてくれなかった癖に。


――――――――――――――――――――――

やはり、王宮に詰める使用人だけあってか、その所作にそつがない。

礼に始まり、立ち姿、歩く姿、指先に至るまで洗練された優雅さがある。

某所やTVなんかで見かける、品の無い可愛いだけのメイドさんとは格が違う。

その動きそのものが、とても絵になるのだ。

高雅でありながら、出しゃばらず楚々とした雰囲気。

そういえば、地球において昔は、王宮に詰める使用人、中でも侍女や女官は貴族の子女がなったという。

もしここでもその法則が当てはまるのならば、この使用人も貴族なのかもしれない。

などと考えながら、ぼーっと見ていたら、いつの間にか彼女が目の前に来ていた。

「レイ=タダノ=オカシズキー=ド=ジャポン様、(わたくし)ナリアッテ=レオン=ジェウェレイ=イシンゾイアと申します。アークオーエン様の御託を承ってまいりました」

そこで一礼すると、動かなくなった。

まじか!!

私は庶民です。

そんなに畏まられたら困るんですが!!

とか思っている間も、彼女の姿勢はそのままで動かない。

「お、面をあげてください」

しまったテンパった。

声が裏返った。

そこの2名、笑うな。

彼女が普通の姿勢に戻り、私と目が合った。

「はじめまして、イシンゾイア様」

私は、にっこりと微笑みながら、社会人の基本挨拶を試みる。

名前からすると貴族っぽかったので、様付けもしてみる。

あれ?そういえば、キースには様付けしてなかったな私。

ああ、あれか、私を指す言葉が"あれ"とか"それ"扱いだったので、脳内ランキングワーストぶっちぎりになったんだな、きっと。

気を取り直し、ナリアッテさんの顔を見る。

ちょっと焦ってないか?この子。

なんで?

「私に、様付けは必要ございません。ナリアッテとお呼びください」

ああ、そういう事か。

実質身分はナリアッテさんの方が上でも、立場上私の方が上とかなんとか。

ついさっきまで囚人だったんだけどね。

思わず苦笑。

まぁ、いちいち説明するのもなんだし、このまま現状維持としておこうか。

うん。

「解りました。それでは、アークオーエン様の伝言をお伺いしても宜しいですか?」

私は、話を進める為に口を開いた。

ナリアッテはまだ妙な顔をしていたが、軽く頷くと伝言を伝えようとした。

「先ほどお話しした人物が、藍の間に到着されました。これからその方と交えて詳しいお話をしたいので、今からお越しください。との事です」

ああ、要するにこれから誰かを挟んで突っ込んだお話をしましょうという事か。

所謂、尋問でも始まるのかな?

あれ?

でも、容疑は晴れたっぽい事言われたけどな?

ま、考えても仕方がないか。

「解りました。アークオーエン様に、お伺い致します。とお伝えください」

私がそういうと、彼女は優雅な礼と笑顔を残して去って行った。

これだよ、この笑顔だよ。

どうして私にこの笑顔が出来ないかな?

うん、どんな顔をしても可愛い彼女の真似は出来そうにないな。

手本の対象がそもそも間違っているのかも。

それにしてもここには美人が多いなぁ。

「はぁ、美しい」

彼女の後姿に思わず呟くと、残された2人は3歩ほど私から離れた。

え?なんで?

どういう事?

主人公の変態度がますます増加傾向にある今日この頃。

皆様いかがお過ごしでしょうか?

暴走チックな主人公ですが、テンションが少し上がっているだけで普段は冷静です。

たんに控えの間で立て続けに美しいものを見てしまったので、おかしくなっただけです。

と擁護を試みてみる。


では、ここまでお読みいただきありがとうございます。

次話でお会いできるのを楽しみにしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ