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鏡合わせのテオミーム? いいえ、断じて違います!  作者: 白月 仄
一 ドッペルゲンガー、現る?!
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2/24

 入学式より早くもひと月が経ったが、特筆するようなことはこれといってなかった。

 ──が、五月の連休明けから、変な噂話がちょこちょこと私の耳に入りだした。

 例えば、私がお昼ご飯の飲み物を買って教室へと戻ると、クラスメイトが、

「──えっ!? 桜花さん、さっき“教室に入らずに向こうに歩いていった”よね?」

 とか。

 別の日には、

「──おい! さっき、桜花さんが男子トイレに入っていくの見た……ぜ? あれ?」

 と、騒ぎ立てた男子が、ずっと教室にいた私の顔を見て、首を傾げたり。

 遂には、

「──どうやら、この学校には“桜花さんのドッペルゲンガーが出る”らしいぜ」

 といった都市伝説がまことしやかに拡がっていった。


 また、あくる日。

「『桜花』、お前のクラスの次の授業は教室だろ? いつまで、廊下で油を売ってるんだ?」

 と、移動教室で授業が行われる魔法工学専用の教室へと向かっていた私は廊下ですれ違った初めて見る先生に、意味不明な注意をされた。


 更に日が経つ毎に私の“ドッペルゲンガー”の目撃情報は益々増え、遂には“私が見知らぬ相手から”、

「よう! おはよう『桜花』!」

 と、登校時に挨拶までされる──しかも、気安く肩まで叩いくる──始末。一応、挨拶をされた以上は、

「お、おはよ」

 とは、返してはいるが、なにぶん挨拶してきた相手の事などなにも知る由もないので、話し掛けられても、私は一言、

「ごめん、急いでいるから」

 と言って、その挨拶してきた相手から早足で離れた。

 ──まったく、一体全体なんなのよー?!



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