3話 始まりの始まり2
勇者がチートじゃなくて、魔王がチート持ってるって……なんだよそのゲーマー用のシステムわ!
「私も困っていまして…前の魔王は、温厚な方だったので勇者もニートしてたんですが、今の魔王は戦いに飢えてまして、冷戦状態であったのを無理やり破棄しちゃったんですよ…」
「魔王何してくれてんだよ……てか勇者ニートだったのか〜」
「今の勇者は、ニートではないですよ?」
俺がもらうはずだったポジション……世界に一つしかない聖剣とか使えるってかっこよくね?
「でも……今の話聞いて、自分が行く必要あるんですか? だって、そんな強い魔王がいて弱くない勇者もいる……絶対、俺より適任者は沢山いたはずですよね?」
「…まぁそうですね…ケイゴさんより、強い方や賢い方は山ほどいますね」
「じゃぁ、どうしてですか?」
「でも…関係ないんですよ、そんなことはね? 貴方は今、話を聞いて、どうしたいって思いしたか?」
「う〜む……魔王って悪いやつなのかなーとは思いましたね、戦いたいだけならまだ人だって似たような人いますし……」
「そう思う人が、どれだけいるか分かりませんよね? 他に違うことを言う人だっています…例え、ケイゴさんより強く、聡明な人を選んでも、その世界を救いたいと思わない人であれば意味がないのです」
「でも、俺が救いたいとおもうわけじゃないじゃないてすかぁ〜」
「本当にそう思えるんですか? ケイゴさん」
魔王がチート……そんな奴を倒せと言う女神様……俺はどうする? これは夢、夢だから別に救わなくてもいいんじゃないか?
俺は……そんなこと思える訳ないじゃないかよ! それに異世界だぜ? もしかしたらチートもらえるかもしれねーし……
俺つえー!
チーレム! できるかもしれんじゃん!
「一つだけ、ケイゴさんの望むものを与えることができますよ?」
ほら〜な〜? 女神様も言ってるぜ? これは乗るしかないんじゃないかな? 異世界に!
「答えが決まったようですね♪… (チョロい♪)」
「おう! 俺は異世界に行くよ! たとえこれが夢だったとしても、困ってる人が俺でも救えるって言うなら! ……最後何か言いました?」
「いえいえ♪ 救ってきてくださいますか?」
「だって俺だぜ? 女神様ならわからますよね?」
「当然です! 私は女神ですもん!」
大きな胸を張り笑顔で言う女神様………
まじ女神様!
「では、望むものを一つ与えましょう! 魔力でも、スキルでも、貴方が手にしたいものを♪」
「お、おおー!! とうとうきたようだな! おれの時代がー!!」
でだ、何にするかな?
魔力を沢山手に入れて、魔法で蹴散らすのもカッケーし……スキル強いので無双ってロマンあるよなー!
でもね? でもね? 俺はそれが出来ると思うかい? デブでブスの俺がさ?
例えば……魔力得て蹴散らそうとした時に、死角から攻撃されてみ? 死ぬぜ?
スキル、そうスキルを手に入れよう。でも、一つのスキルでやってけるほど、異世界は甘くないだろ? 現実世界でこれだけ大変なんだ! 異世界も甘くないだろ! 絶対! そうそれは……
だって俺なんだからさ………
今まで俺は無力だった、いや無気力かな? 生きる理由は、正直あるような、ないようなそんな感じでさ? 小説を読むの好きで、ファンタジー系。後はアニメくらいだし……薄っぺらい人間で何をするにもうまくいかない、見た目もブスでデブで身長は168と日本の平均169らしい……それで俺の取り柄は健康だったのに、これだぜ?
もう適当に生きてきて、そして平均年齢80歳を20歳くらい下回って朽ちると思ってたのに……これだぜ? ハァ〜こんな夢だって見てる俺って……
……まぁそんなことは今はいいや、望むものは、もう決まったよ! 簡単な話さ死角から攻撃されても、スキル一つだけでもなく!
カンストだよ! カンスト!
死角からも攻撃されようが、ステータスが上なら耐えられる!
スキルなかろうがゴリ押しできる! それが……
か、ん、す、と
最強さ!
ゲームとかでも自分のキャラは、まず防御固めてからやるタイプだしね。
「どうやらきまったようですね? レベルをカンストさせるでいいでしょうか?」
「うん!♪ レベルカンスト、ステータスオール999でお願いします!」
「…ステータス999でよろしいのですか?」
「それでいいです!!」
「…分かりました。では、レベル99のステータス999にしてあげましょう♪」
「よろしくお願いしますぅー♪」
「楽しそうですね? では…ハイ♪ これでなりましたよ」
女神様は俺に手をかざしただけだった
「えっ? もうなったんですか? はやくね?」
「私、女神ですよ? ふふ♪」
「そうしたわ♪ 舐めてましたわ……実際舐めたい」
「はいはい。女神だからって、セクハラはいいって訳じゃないですよ?」
なんかすごく怖い……威圧感かこれが……
「では、ケイゴさんの第2の人生が素晴らしいことになるよう、頑張ってくださいね♪」
「はい! 魔王倒してやりますよ! できれば結婚してみたいなーなんてね? 無理だと思うけど、俺だし……」
「ふふ♪ 大丈夫ですよ! ……きっとね? 転移します! では、応援して待ってます♪」
「えっ?!おっわー!……」
「行っちゃいましたね…ケイゴさんはこれから沢山怖い思いや、辛いことを経験するでしょう。でも、諦めないで下さいね? 私が選んだんですから♪」
女神様は、少し間を置き続けた。
「どうして貴方を選んだか…貴方のような方は地球に57.833人いますよ、その中で選んだ理由は…」
「女神のみぞ知ることです♪」