①
僕は昔から《カオル》の中に居た。
《カオル》は内向的な性格で、友達と呼べる人物は片手で数えられるほどしか居なかった。
やがて高校生になり、《カオル》に恋人が出来た。
その時にはもう。
《カオル》は居なくなっていた。
《カオル》の恋人は、小学生の頃から《カオル》の隣に居た。
僕も、ずっと共に居た。
でも、僕に気づいていたのは《カオル》だけだった。
《カオル》と過ごすうちに、僕も彼女が好きになっていった。
《カオル》が彼女と結ばれた時、僕の侵食は限界近くになっていた。
翌日には、《カオル》は消えてしまった。
それからは、《カオル》を演じ続けた。
幸せだった。
《カオル》の事にも分別がつき、僕が奪ってしまった分まで、僕が幸せになろうとした矢先。
彼女のことが好きだった《カオル》の親友に。全てをバラされた。
絶望した。
絶望した。
《カオル》がずっと求めていた、幸せな人生を。
僕が壊した。
知らなかった。
僕が寝ている間に、《カオル》は親友に話したようだった。
彼女も絶望した。
ずっと想ってきた人間が別人だったことに。
僕も絶望した。
知られたくなかった。
彼女に悲しんでほしくなかった。
《カオル》に報われて欲しかった。
《カオル》が送るはずだった平穏な人生を壊した罪を、償いたかった。
《カオル》が守ると決めた彼女を幸せにする事で、罪を償えると思っていた。
あぁ、あとちょっとだったのに。
貴方は②と③のどちらを選びますか?




