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大切な場所  作者: 緋絽
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29/62

女装とブリザード

緋絽です!

パァーンと魔法の花火が散った。

ぼくは落ち込んでいる。

「ハァ…」

「しょうがねぇよな、とうとうきちゃったんだし」

「カナタはいいじゃん、男役なんだから!」

カナタは苦笑してポンポンとなぐさめるように肩を叩いた。

遠くで楽器の音がする。

「リュカくーんカナタくーん、準備しますよー着替えてくださーい」

「…はーい…」

フラフラと動き出す。

「はい、これに着替えてくださいね」

ボスッと衣装を渡された。

ヒラッヒラの赤いドレス。

「リュカ君の銀髪に似合う色で作りました!」

ドーンと落ち込む。

ブハハハハとカナタが爆笑している。

「~~~~っ」

「はい、カナタ君はこれですっ」

マントとかブーツとかいかにも王子様な衣装を渡されて、カナタは一瞬硬直する。

「きっと似合いますよ!」

「似合うと思いますわ。王子様」

「リュカ~~っ」

ドサッと衣装室に衣装を置いてリルに向かって笑う。

「ちょっと、トイレ」

「俺も~」

バタンとドアから出て外に出た。

逃げる!

ぼくとカナタは逃げた。

その10分後――――。

ぼく達はリルのブリザードのせいで体が冷え、強制的に連れ帰られた。

「おふたりともぉ~いったい何をしているんですかぁ~?主役達が逃げてどうするんですかぁ~?」

笑ってるけど目が笑ってない。

ヒー!!誰か助けて!!

ぼく達は泣きそうになるのを必死にこらえて謝り続けた。

「もうっいいですっ、早く着替えてきてくださいっ!!特にリュカ君、あなたはお化粧もしなきゃいけないんですよっ」

「化粧!?」

ガバッと土下座していた頭を上げる。

「えぇ。何か?」

ヒュオオとリル'sブリザードがふく。

「イエ、ナンデモナイデス。光栄デス」

「それならよかった」

リルはニッコリ笑ってぼく達を衣装室に放った。

クッソ…!

服を脱いでTシャツと短パンになる。

「リュカー入るよ~」

レナの声がした後、シャッとカーテンが開いた。

「わぁっ何入ってきてるんだよ!!」

「リュカのは着替え大変だから、手伝いにきたの」

そしてTシャツを着てるぼくを見て顔を引きつらせた。

「なにTシャツ着てるのよっ、上は脱ぎなさいっ」

「えぇ!?」

「これつけて!」

胸に布を巻き付けられる。

「な、何これ…」

「あとでそこにタオル詰め込むから!」

「えぇ!?」

「早く!じゃないと私がするわよ!?」

「わかりましたぁ!」

ドレスに足を入れて袖に腕を通す。

「あれ?」

背中のチャックをあげられない。

「あぁ~待って待って!タオル入れるから!」

「!?」

カーテンが開いてガネルが入ってきた。

「リュカ…お前が変わり果てていく…」

「見るなぁ~!!」

「ちょっと動かないでよ!」

「すみません…」

胸にタオルをつめられる。

だんだん女らしくなってきた自分に落ち込む。

髪をほどけば女じゃんか。

「よっし片方終わり~!」

「っ!?まだなの!?」

「そうだよ~長いよ~」

「~~~~っ、○×△□◎☆!!」

「キャハハハハ!」

そして20分後、ようやく終わった。

シャッとカーテンをあける。

「おっ、リュ…」

カナタが目を点にした。

「うっ、うっ、カナタァ~…」

ぼくは化粧をさせられて、髪も巻かれてしまった。

「お前、超似合う!女にしか見えねぇ!!」

カナタが爆笑している。

「泣かないでくださいね、お化粧が崩れますから」

ヨロヨロと慣れないヒールをはいてカナタの方へ行った。

「ぼくは…自分を壊された気がするわ…」

「ハハハ」

女!と言ってカナタは笑い転げていた。

さあ、本番の始まり~…。



次は夕さん!

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