女装とブリザード
緋絽です!
パァーンと魔法の花火が散った。
ぼくは落ち込んでいる。
「ハァ…」
「しょうがねぇよな、とうとうきちゃったんだし」
「カナタはいいじゃん、男役なんだから!」
カナタは苦笑してポンポンとなぐさめるように肩を叩いた。
遠くで楽器の音がする。
「リュカくーんカナタくーん、準備しますよー着替えてくださーい」
「…はーい…」
フラフラと動き出す。
「はい、これに着替えてくださいね」
ボスッと衣装を渡された。
ヒラッヒラの赤いドレス。
「リュカ君の銀髪に似合う色で作りました!」
ドーンと落ち込む。
ブハハハハとカナタが爆笑している。
「~~~~っ」
「はい、カナタ君はこれですっ」
マントとかブーツとかいかにも王子様な衣装を渡されて、カナタは一瞬硬直する。
「きっと似合いますよ!」
「似合うと思いますわ。王子様」
「リュカ~~っ」
ドサッと衣装室に衣装を置いてリルに向かって笑う。
「ちょっと、トイレ」
「俺も~」
バタンとドアから出て外に出た。
逃げる!
ぼくとカナタは逃げた。
その10分後――――。
ぼく達はリルのブリザードのせいで体が冷え、強制的に連れ帰られた。
「おふたりともぉ~いったい何をしているんですかぁ~?主役達が逃げてどうするんですかぁ~?」
笑ってるけど目が笑ってない。
ヒー!!誰か助けて!!
ぼく達は泣きそうになるのを必死にこらえて謝り続けた。
「もうっいいですっ、早く着替えてきてくださいっ!!特にリュカ君、あなたはお化粧もしなきゃいけないんですよっ」
「化粧!?」
ガバッと土下座していた頭を上げる。
「えぇ。何か?」
ヒュオオとリル'sブリザードがふく。
「イエ、ナンデモナイデス。光栄デス」
「それならよかった」
リルはニッコリ笑ってぼく達を衣装室に放った。
クッソ…!
服を脱いでTシャツと短パンになる。
「リュカー入るよ~」
レナの声がした後、シャッとカーテンが開いた。
「わぁっ何入ってきてるんだよ!!」
「リュカのは着替え大変だから、手伝いにきたの」
そしてTシャツを着てるぼくを見て顔を引きつらせた。
「なにTシャツ着てるのよっ、上は脱ぎなさいっ」
「えぇ!?」
「これつけて!」
胸に布を巻き付けられる。
「な、何これ…」
「あとでそこにタオル詰め込むから!」
「えぇ!?」
「早く!じゃないと私がするわよ!?」
「わかりましたぁ!」
ドレスに足を入れて袖に腕を通す。
「あれ?」
背中のチャックをあげられない。
「あぁ~待って待って!タオル入れるから!」
「!?」
カーテンが開いてガネルが入ってきた。
「リュカ…お前が変わり果てていく…」
「見るなぁ~!!」
「ちょっと動かないでよ!」
「すみません…」
胸にタオルをつめられる。
だんだん女らしくなってきた自分に落ち込む。
髪をほどけば女じゃんか。
「よっし片方終わり~!」
「っ!?まだなの!?」
「そうだよ~長いよ~」
「~~~~っ、○×△□◎☆!!」
「キャハハハハ!」
そして20分後、ようやく終わった。
シャッとカーテンをあける。
「おっ、リュ…」
カナタが目を点にした。
「うっ、うっ、カナタァ~…」
ぼくは化粧をさせられて、髪も巻かれてしまった。
「お前、超似合う!女にしか見えねぇ!!」
カナタが爆笑している。
「泣かないでくださいね、お化粧が崩れますから」
ヨロヨロと慣れないヒールをはいてカナタの方へ行った。
「ぼくは…自分を壊された気がするわ…」
「ハハハ」
女!と言ってカナタは笑い転げていた。
さあ、本番の始まり~…。
次は夕さん!




