悲劇と泣いてイイ?
夕です!
『リルが怒っちゃった』
『そうね。でもいんじゃない?レナに触れようとしたんだから』
『当たり前です。私もあの青白さんにはイライラしてますし』
使い魔どもがほのぼの話している。
「って、助けろー!!」
今、私は赤毛の少年に押さえつけられたうえに、金髪の少女と緑髪の少女に背中をゲシゲシ蹴られていた。
赤毛の少年はさっきまで泣いていたくせに、今はケラケラ笑いながら参加している。
「謝ってください!」
「はっはいいぃぃ…っ、ご、ごめんなさいです!はい!」
「よろしい」
緑髪の少女の一声で攻撃が終る。
『あ、終わったよ』
使い魔どもが私を踏みつけて、それぞれ主のもとへ。
あー…泣きそう。泣いてイイ?
「ん?おい、見ろよ」
赤毛の少年が他の者を集める。
もう、どうにでもしてくだサイ…。
『うわ、なによコレ』
『よけいに汚らわしいです…リル様、近づかないでください』
金髪の少女が聞いてくる。
「…あんた、なにこの羽?」
「羽ではない翼だっ、それに私はヴィストだっ」
「あんたで十分よ。で、なんで羽が?コスプレ?」
ヴィストと呼べ!
私は次期神にビスコやらバスケットやら呼ばれて爆発寸前なのだ!
「今時コスプレですか?」
「しかも、ださっ」
「似合ってないわよ」
『ぼくの羽のほうがキレイだね』
『なんか黒くて汚いわ』
『ナミさんに同感です』
少し、涙が出ました。
「くっそ―――はっ、そういえば、なぜ翼が…」
「蹴ったら出てきた」
赤毛くんが答えてくれる。
「はぁ…もう帰りましょ。ヴィ…ヴィ…」
そうだ、思い出せっ。
「ヴィーストにも飽きてきたから」
「ヴィストだっ、のばすな!…って無視するなぁ!!」
見ると彼らはぞろぞろと帰っていっていた。
「……魔王様、早く魔界へ帰りましょうよ。私、死にますよぉ」
リュカside
ヴィストが森で呟いた頃、リュカとカナタは寮の屋根の上でくつろいでいた。
「ここなら誰にも聞かれねえな」
「だなっ。なあ、カナタは魔界に帰る気あるの?」
「ない」
おー即答。
「帰ったら帰ったで仕事ばっかだ。めんどいからここにいるんだよ。…で、リュカは?天界に帰る気あるのか?」
「ない」
ぼくも即答する。
帰ったら神だもんな。
「ずっと人界にいるつもりー」
「俺もー」
ヴィストの苦労はまだまだ続きそうです。
次は秋雨さん!




