仲直りと再び
夕です!
「よっしゃ、帰ろーぜ」
カナタがバシッと背中を叩く。
「おう。授業サボっちゃったな」
「俺は気分転換に来ただけだし」
「それなら、ぼくも気分転換なんだけど」
――いつものカナタだ。
ぼく達、もとに戻れたんだ。
「ミオ、帰るよ」
「ギオウもだ。…ん?あいつらどこ行った?」
小さな使い魔達の姿はどこにも見えなかった。
「また遊びに行ったんじゃないの?」
「…だろーな」
ぼく達はミオとギオウをおいて帰ることにした。勝手に帰ってくるだろうし。
…またしても事件が怒るとは、考えもしないで。
―――異界。
『なんで黙っていた!』
『…言う必要がなかったからだ』
何色とも言えないような不安定な空間にミオとギオウはいた。
『友として、私は言ってほしかった!!』
『そんなの知るか』
一方的に怒っているミオに対して、ギオウはさらっと受け流す。
『カナタ達も仲直りしたんだ、我らのことも水に流せ』
ミオは小さな羽をパタパタして怒鳴り散らす。はっきり言って全く怖くない。
『流せるか!!』
『…だいたい、我はあのことを言うような馬鹿ではない』
ギオウはあきれたように笑う。
『馬鹿でないなら、アホだ!』
『なんだと』
目がギランと光る。
ミオはふるふる震えて怒鳴った。
『私の…私のプリンをかえせっ!!』
――プリン事件、勃発。
ミオside
時間は1日前に遡る。
「あっミオ、プリンいる?」
『なんだ?プリン…とは』
「はあ?知らねーの?コレのこと」
リュカが私の前に、皿に乗ったうにゃうにゃしたものを置いた。
『気持ち悪いな…』
「おいしんだよ?めずらしくレナが作ったんだと」
『ぬおっ…!』
前足でつつくとプルンと動いた。
「あ゛ーっ、もう食えないだろっ」
『私はそんなに汚なくない!』
「もー、それやるよ」
と、いうわけでプリンという謎の物体をもらったのだが、恐ろしくてなかなか食べられず、その日の夜までとっておいた。
そうしたら、ギオウのやつが夜中のうちに食べたらしい。
朝には皿はきれーいになっていた。
『私は許さんからな!』
『勝手にしておけ』
次は秋雨さん!




