苦みと少年達
緋絽です!
「カ…ナタ…」
ぼくを見た瞬間カナタは少し表情をこわばらせた。
「……よっ、リュカ!なんか久し振りだなっ」
ズキンと心が痛む。
「…………」
カナタが頭をかいていた手をぎこちなくおろす。
「…って…俺がこんなだからリュカを怒らせたのか…」
「ち…!!」
違う!怒ったんじゃない!
カナタにどんな顔をすればいいのかわからなくて、大切なのにどうしてこんな事になってるのかわからなくて、答えようとすると“何か”がぼくの邪魔をする。
「…………っ」
「ゴメンな。俺、無神経だったよな」
ぼくの方が悪いのに。
カナタは何も悪くないのに。
「…………」
「……じゃあ…な…」
もと来た道を帰ろうとする。
「!まっ…」
ガシッと腕を掴んだ。
「待って…!」
このまま行かせたらもう二度と話しかけてくれない気がして思わず腕をとった。
「…?リュカ?」
カナタは向こうをむいたままだ。
怒ってるんだろうか。
「……違うんだ…」
「え?」
「怒ったわけじゃ…カナタに怒ったわけじゃないんだよ…」
「…うん」
「カナタにどう接すればいいかわからなくて…うまく反応できずにカナタを傷つけてる自分に腹が立ったんだ…。やつあたりだったんだよ…っ」
「…うん…」
「…………」
もう、色々と言いたいことがあるのにありすぎて何から言っていいのかわからない。
カナタにひどい事を言った事とか避けてた事とかたくさんあるのに言葉にならない。
わからない事ばっかりだ。
「…それで…」
「え…?」
「それでリュカはどうしたいんだよ」
どうしたい――?
ギュッとカナタの腕もう一度強く掴む。
「ぼくは…カナタと一緒にいたい」
そうだよ、いつだってそう思ってきた。答えはいつだって変わらなかったのにぼくが変に力を入れるからおかしくなったんだ。
「ゴメン…さんざんひどい事しといてって感じだけど…ぼくは、カナタと友達でいたいよ」
シーンとなる。
やっぱり…怒って…。
2、3分後。
「~~んだよぉ~!!」
クルッと振り返ってバンと背中を叩かれる。
「わっ」
「俺、マジでへこんだんだからな~!」
ハハハと笑って言われた。
「………ゴメンってば!」
バシッと頭を叩く。
「いって!リュカー!!」
ガシッと首を絞められる。
「アハハ、ウグッ!うわ~やめて~!!まじ!まじでギブ!!」
「ぜってぇ離さねぇ!」
ギャハハハハと笑っている。
振り返った時、カナタは笑っていたけど本当は気づいていたんだ。
涙をガマンしていた事には。
ゴメン、カナタ。ありがとう。
そうして笑っているぼく達をよそに小さく火花が散っているのをぼく達は知らなかった。
次は夕さん!




