恩返しの為に
「医者の先生に聞いたの……」
かすみちゃんはポツポツと話し始めた。
「私の足はこれからもう動かないんだって……。治る事は無いって言われたの。そうなんだろうなって、薄々気づいていたの。でも、改めて言われたら、涙が出ちゃったの……」
「そうだったんだ。でも、大丈夫だよ。先生は治らないって言ったけど、治るから!」
そう、例え医学で治せなくても、『イノセントフラワー』で夢を叶えて貰えたら、かすみちゃんの足は治るのだ。
「医者の先生がもう治らないって言ったのに?」
「うん……」
「証拠は?あるの?」
「無い……けど、大丈夫だよ」
『イノセントフラワー』の事を話しても、信じてはくれないだろうからあやふやにして言う事しか出来なかった。
「証拠、無いんだよね?確証は無いんだよね?」
かすみちゃんの言葉は暗く、重かった。
「う、うん……」
「だったら!!何でそんな事が言えるの!?」
かすみちゃんは、溜まっていた感情が溢れ出したように叫んだ。確かに、医学を学んで無い私が言った所で信憑性がある訳が無い。それでも、かすみちゃんに希望は捨てて欲しく無かった。だから、言葉をかけるしか無かった。
「私の全てをかけてかすみちゃんの足を必ず治すよ……それが親友に対して出来る私自身が出来る私の精一杯の事だから……。だから、辛いと思うけど待ってて。治してみせるから……」
「治る訳無いじゃん……。だって、病院の先生が治らないって言ったんだよ!そんなの……病院の先生でも無いしおんちゃんに治すことなんて出来ないよ……」
さっきまでと違い、かすみちゃんの声は力が無かった。諦めてる感じが見えた。
「うん……。そうだよね。かすみちゃんが言ってる事は正しい。だけど、必ず治る……。だから、希望を捨てないでいて?」
「正しいなら治らないよ……。治るはずが無いんだよ。何でしおんちゃんはそんなに自信があるの?確証は無いのに。それを信じる理由は何?」
「私は、かすみちゃんの為なら何でもしたい。前にかすみちゃんが私を助けてくれた様に」
「私は何もしてない……」
「違う!!かすみちゃんは私を助けてくれた!それだけは変わらない!」
私は全力で否定した。かすみちゃんにとっては当たり前だったかもしれない。でも、私にとってはあの時にかすみちゃんがしてくれた事は命を救ってくれた時の様に嬉しかった。だから、今度は私がかすみちゃんに恩返しをする番だ。
「だから、あの時私を辛い時から救ってくれた様に、私はどんなに小さい可能性でもそれが正解だと思って行動するよ。だから、待ってて」
私はかすみちゃんを優しく包み込んだ。
今回はかすみちゃんとのちょっとした衝突の話です。ここから展開が早くなって行くかと思いますが、よろしくお願いします!!




