深まる絆
「今日で1週間か……」
1週間と言うのは、あんずちゃんに近づかないでと言われてから経った日数だ。【イリミネイト】は来ていない。この時に来ていたら顔を合わせずらいからまぁ、良かったと思う。あんずちゃんにLINEを送っているが既読が付くことは無かった。この事をクラスの中村さんに聞いたら
「ちゃんと事情を聞いた方がいいんじゃない?同じ学校なんだし、教室に行ってみるとか」
それを聞いて、行こう行こうと思ってはいたけど、あのあんずちゃんが近づかないでって言った言葉に行く勇気が出なかったが、それに見かねた中村さんが、教室の近くまで一緒に来てくれて、やっとあんずちゃんと話そうという決意をしたのだ。
「じゃ、ちゃんと話して仲良くなってくるのよ」
「ありがとう、中村さん」
中村さんはにっこり笑うと教室に戻って行った。
「よし!し、失礼しまーす」
私は初めて先輩の教室に入るため、恐る恐るドアを開けると、そこには誰もいなかった。
「あれ?みんな帰っちゃったのかな?」
周りを見渡して誰も居ないことを確認し、今日は帰ろうとした時、ガタッと別の教室から音がして私はビクッと身体をそっちに向けた。音がする教室を見て見ると、あんずちゃんが女子3人に蹴られたりしているのを見た。
その時の私は恐怖の感情は無く、ただ助けたいという気持ちが強かった。
「あんずちゃん!!」
「し、しおんさん!?なんでここに!」
私は倒れてるあんずちゃんの前に立ち、あんずちゃんを虐めてる3人を睨んだ。
「あなた達は何をしてるんですか!?」
「あれー?あ、あんずちゃんが近づかないでって言われた子じゃーん!何?あんずにあんなに言われてたのにまた近づいてきたの?ストーカー?」
「えー、それちょーうけるー」
「な、なんでそんな事知ってるんですか!?」
私はなんでその事を知っているんだろう……。私は驚きと恐怖が同時に来た。
「そんなのはねー?」
「ねー?」
いじめてる側の2人が含みのある言い方をした。そしたら、その中の主犯らしき人が衝撃の事を言った。
「だって、それは私があんずに言わせたんだから当たり前でしょ?」
私はあまりの衝撃に言葉が出なかった。あれはあんずちゃんが言わされた?この人達に優しいあんずちゃんは言うこと聞くしかなかった?
「な、なんでそんなことさせたんですか?」
私は震えながら聞いた。
「楽しそうだったから」
「たった……それだけの理由で……?」
「そう、それだけ」
私は怒りが抑えられそうになかった。けど、私が動こうとした時、あんずちゃんが私の手を取って、走り出した。
「あ、あんずちゃん!?」
私達は、家の近くにある公園まで走り続けた。
「はぁ、はぁ、ここまで来たら大丈夫かな?」
「ど、どうしたの?あ、あんずちゃん急に私の手を取って走り出すんだもん」
あんずちゃんは少し息を整えると、吐き出すように言った。
「い、いやー、あのままだとしおんさんがなにかしそうだなーって思って……。あの人達にしおんさんを合わせないようにするつもりだったんだけどな……」
「あんずちゃんは……あの人達にいつも虐められてたの?」
「……うん」
「なんで教えてくれなかったの?なんでただ耐えてたの?」
「しおんさんを巻き込みたくなかったから」
「私達友達だよね?」
「うん……」
「じゃあ、なんで1言でも教えてくれなかったの?私を信じれなかった?あんずちゃんが虐められるのを知ってたら幻滅する人だと思った?」
「それは違う!!」
あんずちゃんは今まで淡々と言っていたけど、急に感情を込めて大声で言った。
「しおんさんは私にとって、初めて出来た親友だから……。親友だったから、あんな人達と合わせたくなかったの……!!私だって近づかないで!って言うの辛かったよ!辛くない訳無いじゃん!!あんなに辛いと思ったのは初めてだよ!それでも、しおんさんが虐められるのだけは許せなかった。例え友達を辞めたとしても、しおんさんだけはこんな思いをして欲しくなかったの!!」
こんなに叫ぶあんずちゃんを私は見たこと無かった。だからこそ、今言っていることが本当の事だと確信できる。優しいあんずちゃんだ。自分より人の事を大切にしたんだろう。それが伝わってくる。
「あんずちゃん……もう、大丈夫だよ。今度から私があんずちゃんを守るから」
「しおんさん……」
あんずちゃんは涙を浮かべて私の名前を呼んだ。
「あんずちゃん、私の事はしおんって呼び捨てにしていいよ?先輩なんだから」
「ふふっ。分かりました。じゃあ、私の事もあんずで良いですよ?」
「じゃ、じゃあ、改めてよろしく、あんず」
「はい、よろしくお願いします、しおん」
私とあんずちゃんは涙を流して笑っていた。外は雲1つない青空だった。
今回はあんずとしおんのいい話にしたく、この話を書きました!段々と深まる絆、好きですw
次回から展開もまた変わって来るので、よろしくお願いします!




