学校
瑠衣のあとを追うように俺と龍司が息を切らしながら走る
「ちょっ瑠衣!速えって!」
と龍司が今にも倒れそうな走り方で精一杯はしる
「あんたらが遅いだけだよ!」
瑠衣は陸上部だけあって体力に余裕があるようだった
すると校門の前にジャージを着て髪の毛が1本もないツルツルの頭のおじさんが腕を組んで仁王立ちしている
「お前らもうすぐ授業じゃないのか?」
「やっぱりハゲ立ってた!」
と龍司
「あまりハゲをバカにするな!それに俺はスキンヘッドだ!」
この先生は定時制高校なのにも関わらず基本校門につったている生徒指導の先生通称ハゲ
「ハゲも暇だねぇなんかすることないの?」
瑠衣がハゲの頭をぺちぺち叩きながら聞く
「これも一応仕事のうちだぞ、てか頭を叩くな!女の子に頭を叩かれるのは悪くないがな」
「えぇなんかキモいわ」
と俺と龍司がドン引きする
「もう授業始まっちゃうじゃん!」
瑠衣が時計を見て驚いている
「お前ら同じ授業取ってるんだろ?行きな」
とハゲが早く行けと言わんばかりのハンドサインをする
また瑠衣の背中を追うようにダッシュする
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今は昼休み、周りの人達が購買に並びながら雑談している
その中に俺達も混じって雑談する
「仁ちゃんと龍ちゃんは今日授業何時まで?」
「俺と龍司は5時に終わるよ」
逆にと龍司が聞き返す
「瑠衣は何時に終わるの?」
瑠衣が嬉しそうに話す
「今日は私も5時で終わるんだー部活もないし」
「じゃあ一緒に帰るかー」
龍司がパンを頬張りながら喋る
そういえばと瑠衣が聞いてくる
「学校終わりどっか行く?」
「いや今日は帰ってゲームしたい」
俺は根っからのゲーマーなのだ
「俺も今日は貯めてたアニメをみんと気が済まない!」
龍司はめちゃくちゃアニオタである
「あんたらって顔はイケメンなのに廃人だよねー、まぁ
私も何気人のこと言えないけど」
瑠衣も瑠衣でものすごいオタクである
「なんだよー口説いてんのかー?」
と龍司がニヤニヤしながら聞く
「今のどこが口説いたんだよ!」
と瑠衣が龍司の腹にドスっとパンチをお見舞する
「ぼへっ!」
龍司がその場で四つん這いになる
キーンコーンとチャイムがなる
「あ、もう昼休み終わちゃった」
と瑠衣が残念そうな顔をしている
「よしじゃあ午後の授業に行きますか」
と俺が立とうとすると、ズボンの裾が引っ張られている気がした、足元を見ると、瑠衣からクリーンヒットをもらった龍司が四つん這いになりながらお願いしてくる
「た、助けてくれぇ」
「今のお前にちょうどいい日本語があってだな」
と俺はニヤリとしながら龍司と目を合わせる
「なんだ?さぞいい日本語なんだろうな?」
龍司は早く答えが知りたいようだった
「自業自得」
「なんでそんな酷いこと言うんだよォ」
龍司が情けない声で助けを求める
「ほら龍行くぞ」
龍司の手を取る
「サンキュ」
そのまま午後のテストのために俺たちは教室に向かう