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狐の嫁入り  作者: 湯豆腐
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3/4

泣き声

「おーわったー!」


瑠衣が伸びをしながらテストが終わった感傷に浸っている


「終わったぁ」


龍司はなんか絶望した顔をしている


「なんでそんなに顔が死んでるんだ?」


俺が龍司に聞くとため息をつきながら


「何も聞くな」


それを見兼ねた瑠衣が慰める


「まぁまぁテストも終わった事だしあとはもう次のテストまで遊びまくれるよ!」


それを聞くと龍司はさっきのテンションが嘘かのように跳ね上がる


「それもそうだな!よっしゃ貯めてた恋愛アニメ全部見てやるぜ!」


そういうと龍司は少し早歩きで校門を出る

龍司に続き俺と瑠衣もそれに合わせて歩き始める


―――――――――――――――――――――


「雨上がってよかったねー」


と瑠衣が空を見上げながら言う


「危うく恋愛漫画が濡れるとこだったぜ」


龍司がバッグをさすりながら大切そうにもっている


「お前学校にまで持ってきてたのかよ」


「お前だってゲーム機持ってきてるじゃねぇかそっちの方がやべぇだろ」


龍司にそう言われると何も言えない


「あんたら2人ともやばいわよ」


と瑠衣が呆れた顔をしている


「はいすみませんでした」


と二人して謝る


「よろしい」


瑠衣がドヤ顔でニヤついている


ちょうど俺たちがいつもの神社の前を通るとどこかですすり泣く声が聞こえる


「泣き声?」


龍司が冗談交じりに


「なんだ?瑠衣泣いてんのか?」


瑠衣がちょっと怒りながら


「泣いてない!私が泣く要素あった!?」


だんだん泣き声が激しくなっていく


「神社の方からだな」


龍司と瑠衣は心配そうな顔をしている


「行ってみるか」


神社の鳥居を俺たちは急いでくぐって行く

すると白銀の髪をした巫女装束を着た女の子が泣いている


「おい大丈夫か!何があった!」


龍司と俺が問いただす


「ぐす....れた....」


泣きながらしゃべっているから上手く聞き取れない


「なんだって?」


上手く聞き取れなかったからもう一度聞こう


「ぐす....浮気されたんじゃー!」


たまたま拾ったものがとんでもない爆弾の気がした


「はぁ?」


ずっと鼻をすする音がする


「とりあえず落ち着こうぜ?」


状況が理解できない俺に龍司のフォローがはいる


「うん」


白銀の女の子がうなずく


――――――――――――――――――


白銀の女の子のすすり泣く声がだんだん落ち着いてきた


そもそもなんで、巫女装束の着た女の子がこんなちっちゃい神社で泣いてるんだ?まぁそれも後で聞いとこう


「落ち着いたか?」


白銀の女の子に聞いてみる


「うん」


良かった

龍司と瑠衣は2人で飲み物を買いに行っている

あいつらは何かと気が利くから少なくとも俺よりかはましなものを買ってくるだろう


「お前良い奴だな!」


白銀の女の子が初めて顔を上げて俺と目が合う

整った顔立ちに緑色の目がじっと俺の目を見つめている


「綺麗だ.....」


不意に言葉に出てしまった!

こんなこと言ったのは初めてなのもあってか変に冷や汗がでる


「え?」


白銀の女の子が頬を赤らめている


「ちが....違う!服がピシッとしてて綺麗だって言いたかったんだ!」


気が動揺して変なことを言ってしまった


「お前は嘘が下手だな!」


女の子は赤い目を擦りながら笑顔でこちらを見る


少しドキッとしてしまった、変に意識してしまって顔を見れない


「と、ところで浮気って言ってもどうしてそうなった?」


と俺が聞くと女の子はしょんぼりした顔をした


「話すと長い」


どうせ帰ってもいつもやってる事するだけだから別にいいよ、

と俺が言うと女の子は少し嬉しそうにそうかと話をする


「今日式をあげたのじゃ」


ん?式?それって結婚式とかじゃないよね?と少し疑いながら聞くと


「結婚式じゃ」


結婚式でした


「式が終わって帰ろうとして旦那を探していたら他の.....」


変なところで止めるなすごく気になる


「他の女と接吻をしていたのじゃ!」


やっぱりとんでもない爆弾だった

てか嘘だろ...結婚式上げてそうそう浮気する男がいるかね


「気がついたら旦那を半殺し程度にボコボコにして気がついたら自分の家にいたって訳じゃ」


旦那の方もとんでもないやつだけど、女の子もとんでもないやつだった、爆弾は爆弾でも核爆弾だった


「ん?待てよ?自分の家?ここ神社だぞ?家に帰ってここに来たのか?」


女の子は不思議そうに俺の問いに答える


「何を言っておるのじゃ?わしの家はここじゃぞ?」


何を言っているのか分からない


「わしは一応神様じゃからな!」


女の子がドヤ顔で語るが余計訳が分からない


「今朝晴れているのに雨が降ったじゃろう?」


確かに降った


「人の間では狐の嫁入りとそういうらしいがその時間わしは式の途中だったのじゃ、だから間違いではないぞ」


つまりはこの女の子は.....


「やっと理解出来たようじゃな!そう!わしは狐の神様じゃ!」


嘘だろ.....理解出来ても今の現状が信じられない


「しょうがないのぉ」


と女の子がその場から立ち上がるとだんだん頭から人の耳では無い別の耳が生えてくる


「耳生えた!」


「これで信じたか!」


これを見せられると信じない方がバカだ


「やっぱり神様なんだなお前」


「お前じゃない!わしの名は稲荷仙狐(いなりせんこ)じゃ!」


少し怒りながら仙狐と名乗る女の子は腕を組んでいる


「待てよ?じゃあ俺はガキの頃から仙狐にお祈りしてたのか?」


「そういうことになるのう、確かにお主は小さい時から知っておる」


そうか、俺の事を小さい時から知っていて事情を全て知っているなら話は早い、ずっと聞きたかったことを聞こう


「つまりはだ、俺に一向に幸せが来ないというのは仙狐のせいと言うんだな!」


仙狐の頭をグリグリする


「やめろォ!グリグリするなぁ!仁!」


ん?まだ俺の名前教えてないのになんで知ってるんだ?

そうかこいつ俺の事を小さい時から知ってるんだった


すると遠くの方で声が聞こえた


「お!元気になってんじゃーん、飲み物買ってきたぞー」


振り返ると龍司と瑠衣が袋を持ちながら手を振っている


「落ち着いたなら話を聞かせてもらうかな」


龍司が袋からジュースを取り出す


「俺はもう聞いた、びっくりするぞ龍司と瑠衣」


龍司たちのびっくりした姿を考えるとニヤニヤが止まらない


「話すと長いぞ」


2度目の仙狐の長話が始まる


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