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俺と姉貴がオンラインゲームで付き合ってる話 続々  作者: 黒斬行弘


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30/41

気にしちゃダメですよ

「こんばんはー」


 里奈のインタビューが掲載された日の夜、俺はいつものようにゲームにログインした。


「先輩こんばんはー。今ちょうどエリナさんのインタビューについて話してたんです」


「ああ、俺もさっき見て来たよ」


 インタビューでは、ブラックアウトには友人として凄く良くしてもらっている事や、自由同盟でとてもブラックアースを楽しんでいるという里奈の発言が書かれてあった。


 記事内では「今のギルドでは、あなたについて来れるメンバーがいないのでは?」みたいな、結構際どい質問もされていた。そんな事言い出したら、誰も千隼さんに着いて来れて無いんだけどな。


 ただ、里奈としてはその質問はかなり頭にきたらしく、その後ずっと態度がそっけない物になっていたのは笑ってしまったよ。


「いやあ、それにしてもエリナ君はすっかり自由同盟の顔になっちゃったねえ」


「いやいやいや、そんな事ないから!大体千隼が悪いのよ!」


「えー、なんで私になるのよ~」


「千隼がシャイニングマスターでやってれば、話題がそっちにそれたのに」


「うわ、凄い横暴w」


 確かになあ、千隼さんがメインキャラのシャイニングマスターでプレイを再開してたら、ここまで里奈に注目は行かなかっただろうな。


「それにしてもこうなると、ますますダーク君の肩身が狭くなっちゃうね・・・」


 明海(あけみ)さんが突然そんな話題を俺に振ってきた。こういう時は、俺にとってあまり良くない話の事が多い。


「いや別に、肩身が狭い思いなんてしてませんよ?」


「えーだって、方や名実共にサーバーを代表するINTヒーラーとして名を(とどろ)かせようとしているのに、その恋人ときたら・・・」


 その・・・は何だよ!


「俺は俺のペースでやるんで問題ありません!」


「それに先輩も「戦士の証」持ちになりましたからね」


 俺が一方的に明海さんにやられているのを見かねてか、燈色(ひいろ)が助け舟を出してくれた。


「え?ダーク、あんた戦士の証買ったの?どうやって?いつ?」


 今度は里奈が俺に食いついてきた。あれ?そういえばこいつに言って無かったっけ?


「あー実は・・・」


 なので俺は、里奈に説明するのも含めて、ギルドの皆にシャイニングエアーを売って、戦士の証を購入した事を説明した。


「そういう事は早く言いなさいよ!」


「悪い、師匠には言ってるものとばかり思ってた」


「まあいいわ。これで死者の島攻略もやりやすくなったしね」


「だな」


 里奈は、俺が言わなかった事には腹を立ててたみたいだが、わざとじゃないのはわかってくれたようだ。それよりも、死者の島を俺達で攻略できそうなのが嬉しいんだろう。ちょっと前だったら、行くか行かないか迷う所だったろうしな。


「ええ、ダーク君が戦士の証持ってるの、なんか違う」


「どういう意味ですか!」


「まあまあまあ。ダーク君も装備が充実しつつあるし、良いじゃないか」


「そうだよー。これで自由同盟の戦力もまた一つレベルアップだね♪」


 明海さんの言葉でちょっとむっとしてた俺だが、千隼さんの言葉でちょっとだけご機嫌が戻って来たぜ。まったく明海さんもたまには俺を誉めろっつーの!


◇◆◇◆◇◆◇


「なんだよお前だけ戦士の証なんか買ってずるいぞ!」


 次の日、俺達は「エリナ」「千隼さん」「ライデン」「ヒイロ」「ダーク」の5人で、クリスタルの塔へ来ていた。ここは一発のレアはあまり期待できないが、確実にゴールドが稼げるんだ。


 んで、狩りをしながら俺が戦士の証を購入した話題になり、さっきの利久の言葉に繋がる。いやあ、こいつの反応はストレートでいいわ。


「まあでも、お前だってシャイニングエアー持ってるんだろ?」


「まあな」


 実は利久の奴、こいつもあまり金が無いんで、割とどの狩場でも役にたつと思いシャイニングエアーを購入したばかりだった。アップデート直前の、相場がまだ安い時に。


「それにしてもラッキーだったよ」


「だよなあ。あの後すぐ相場が上がったからな」


「でもさ、売るかどうか一瞬迷った」


「そうなのか?」


「だって20Mだぜ?そりゃあ売って、色々装備を整えること考えるよ」


 まあ、利久の言う事は俺も通った道だからよーくわかる。装備をもっと整えたいよな。


「死者の島で、一山当てれる可能性も有るし、持っておいて正解かもよ?」


「俺もそれ考えて売るのやめたんですよー」


 里奈のその言葉に利久は完全に同意していた。まあ俺もそれを千隼さんに言われて、2本目を売るのやめたんだよな。



「あ、自由同盟の皆さんじゃないですか」


 小休止しながらそんな事を話していると、奥の方からBMAのスターさんが声を掛けて来た。


「あ、どうもこんにちは。そちらもギルドハント?」


「そうなんです。ここはお金が確実に稼げますからね」


 俺の質問に答えてくれたのは桜マスターこと、桜菜実明(さくらなみはる)さんだ。シャイニングナイト創設者の一人で、BMAのマスターで元グラマンと言う、いまでもちょっと信じられない経歴をお持ちだ。


「あ、そういえばダークさん」


「なんですか?」


「気にしちゃだめですよ?」


「は?」


 何を気にしちゃダメなんだろうか?全く持って意味が分からないのだが・・・。


 俺が何のことかわからずに戸惑っていると、スターさんが桜さんに苦笑いで話しかける。


「マスター、ダークさん、何のことかわかって無い上に、たぶん何も知らないんだと思いますよ」


「え?」


 いやいや、俺が「え?」ですよ。一体何の話なの?


「あ、すみません私、なんか一人で勝手に頭の中で話が進んじゃってて・・・」


 なるほど・・・。前から思っていた部分ではあるが、実明さん少し天然さんだよな。今のではっきりしたわ。


「いえいえ、大丈夫ですよ。えっとそれで、何を「気にしちゃダメ」なんでしょう?」


 実明さんが天然なのはわかったが、気にしちゃいけない内容がまったくわからない。このままうやむやになったら、俺は今日眠れないぞ。


「いえ、あの、知らないのだったら大丈夫ですから」


「いやいやいやいや、桜さん」


「はい」


「そんな事言われて何も無かったように帰られたら、俺は今日眠ろうにも眠れませんから!」


 さっき俺が頭の中で考えていた事をそのままお伝えして差し上げた。そりゃむごいですよ。


「と言うか、私も気になるわね」


「ですね。私も気になります」


 そして里奈と燈色も俺に続く。だよなあ、あんないい方されたら、誰だって気になるっつーの。


「いやでも・・・」


 そんなに言いにくい事なの?まじで?なんか聞くの怖くなってきた・・・。


「大丈夫よ!私は気にしないから!」


「いや、この場合俺だろ!?」


 なんで里奈が気にしないって話になってるんだ。


「マスター、そこまで言ってるなら言うしかないと思いますよ」


「う、うーん」


 そしてしばらく考え込んだ実明さん。


「あの、ダークさん」


「はい」


「ブラックアース掲示板は見られますか?」


「いえ、あまり」


「えっとですね、カシオペアサーバー総合スレッドです」


「はい?」


「そこを見て頂ければわかります」


「はあ」


 掲示板を見ろ?一体どういうことだ?


「そこにちょっと、自由同盟に関する事が書かれていたんです」


 端的過ぎて何が言いたいのかよくわからない実明さんに代わり、スターさんが俺にそう言ってきた。


「え?そうなんですか?」


「ええまあ・・・。もうある程度想像は付くと思いますが、あまり良くない方向でして・・・」


 うわあ、まじかよ・・・。しかも俺に気にするなって言ってきたって事は、俺の事が書かれているわけ?


 ちょっと見るの怖いんだけど・・・。

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