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【第二章完結】魔物に転生した俺は、優しい彼女と人間に戻る旅へ出る〜たとえ合成されても、心は俺のまま〜  作者: 犬型大
第二章

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共に歩む2

「‘復讐も……中途半端に終わっちゃったっすね’」


「‘それは心配するな。俺がやる’」


「‘でも……’」


「‘これから俺とお前は一つになる。お前の復讐は俺の復讐になる。それに……お前をこんなことにしてくれた復讐もしてやらなきゃいけないからな’」


 ヘルンは俺になる。

 ならばヘルンの復讐は俺の復讐となるのだ。


 ヘルンを傷つけてくれたお返しだって俺はするつもりだ。


「‘……やっぱりアニキは優しいっすね’」


「‘そうだな。きっと俺ほど優しい奴はいない’」


「‘その通りっす。…………アニキはすごく大きな目標があるんですよね’」


「‘ああ’」


「‘それがなんなのか、自分には分かんねっすけど……きっとアニキならなんでもできます’」


 ヘルンは優しい目をして俺のことを見つめる。

 戦いを促すような頭の中の声はいつの間にか聞こえなくなっていた。


「‘どうなるのか……見守ってくれ。俺はこれから困難な道のりをゆく’」


「‘頑張ってください’」


「‘……お前も俺と一緒に行くんだよ’」


 きっとヘルンとしての意識はないだろう。

 だが俺の中にヘルンという存在は残る。


「‘そう……すね’」


 微笑むヘルンの体が朧げになっていき、光の粒子と変わっていく。


「‘お別れっす……’」

 

「‘ああ、あばよ。お前のことは忘れないよ’」


 ヘルンが俺の胸に顔をうずめ、強く俺を抱きしめる。

 俺がヘルンの頭にアゴを乗せ、最後の別れを惜しんでいると瞬く間にヘルンは消えてしまった。


「‘くっ……’」


 俺の胸からも光の粒子が出てくる。

 光の粒子が宙を舞い、俺の粒子とヘルンの粒子が混ざり合っていく。


「‘さてと、今回は逃さないぞ’」


 光の粒子が集まっていく。

 集まった光の粒子は光の塊となり、二つの魔物の形を成した。


 毎回三つ、というわけではなさそうだった。


「‘四足歩行……シルエット的には純粋な強化か?’」


 一つは今と同じく四足歩行の魔物である。

 光の粒子が形作るふんわりとしたシルエットしかないので、正確にはどんな魔物なのか想像を働かせるしかない。


 今の俺をもう一回り大きくしたような感じがある。

 デカければ強いというわけでもないが、今より体格の分強そうだ。


「‘本命はこっち……’」


 俺はもう一つのシルエットに目を向ける。

 二足歩行。


 体格は割と魔物っぽい。

 大きさ的には人ぐらいだけど、やや前傾姿勢で毛があるのかフワフワとした雰囲気を感じる。


 ヘルンと俺を掛け合わせたような見た目をしていると思う。


「‘こっちだ。これを選ぶ’」


 二択しかないし、二足歩行が来たら選ぶつもりだった。

 消える前にささっと決めたのだけど、どうしたらいいのか分からない。


 とりあえずシルエットの近くに寄ってみる。


「‘おっ?’」


 四足歩行の方がパラパラと光の粒子となって消えていく。

 そしてフワリと浮いた光の粒子は二足歩行の方と合わさって一つになる。


「‘今回はちゃんと選べたようだな’」


 一つになった光は魔物から丸い塊へと形を変えて高く飛び上がる。


「‘……復讐を遂げる力を俺にくれ、ヘルン’」


 光の塊が俺に降ってくる。

 目を閉じて光を受け入れる。


『‘アニキ、応援してるっす’』


 ヘルンに抱かれたような、そんな暖かさを感じながら俺の意識は真っ白に飲まれていったのであった。

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