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【第二章完結】魔物に転生した俺は、優しい彼女と人間に戻る旅へ出る〜たとえ合成されても、心は俺のまま〜  作者: 犬型大
第三章

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ダンジョン都市2

「どこがいいですかね〜?」


 クリアスも少し浮かれ気分。

 まず向かったのは冒険者ギルド。


「‘かなりデカいな’」


 冒険者ギルドを見れば町が分かる。

 そんなことをどこかで聞いたような気がする。


 冒険者ギルドがデカいから人が集まるのではなく、魔物が多く冒険者が集まるとそれを目的に人が集まるために冒険者ギルドもデカくなるのだ。

 ビスタミオンの冒険者ギルドは相当大きい。


 それはダンジョンがあるから、というところが理由としてあるだろう。

 町の規模も大きいし、納得の大きさ。


「‘ここはいいな……’」


 冒険者ギルドに入って俺は思わず呟く。

 デカめで真新しい冒険者ギルドの中は小綺麗なだけじゃなく、酒場が完全に部屋を分けてあるのだった。


 酒を飲んでる横に色々な手続きを行うカウンターがあるような作りの冒険者ギルドは多い。

 冒険者たちに安く酒を提供して労うという意味もあれば、交流や仲間探しを円滑に、なんてこともある。


 ただ俺からしてみれば、昼間から酒臭えとしか言いようがない。

 大抵誰かしら飲んでるものだから、俺の鼻には結構酒の臭いが漂ってきていた。


 この冒険者ギルドにも酒場はある。

 ただしちゃんと壁で仕切られているので酒臭さはだいぶ薄れている。


 ありがたい限りだ。


「ご用はなんですか?」


 クリアスは総合案内のようなカウンターに向かった。


「良い宿を教えていただけますか?」


 知らない町で宿を探す。

 これは一つのギャンブルとも言える。


 こんな世界に口コミサイトはない。

 どこが良くてどこが悪いか、なんて泊まってみなきゃ分からない。


 人に聞いたって判断基準は様々だ。

 そんな時に口コミサイトに近いような機能を持つところが冒険者ギルドだったりする。


「宿ですね。価格帯はお安め、それともお高め?」


「ちょっとお高めぐらいで」


「‘今回は当たりだな’」


 いろんな人が集まる冒険者ギルドにはいろんな情報が集まる。

 どこの宿が良いなんて情報も集まるのだ。


 素人は道ゆく人に聞き、中級者は冒険者ギルドで聞く。

 そして上級者は自分で宿を見抜き、超上級者は一周回って人に聞いて勧められた宿に泊まる。


 なんて話もあるらしい。

 俺たちは確実に良いところに泊まりたいから冒険者ギルドに聞く。


「オオスメは三つですね」


 冒険者ギルドの職員にも耳ざとい人や鈍感な人など様々。

 今回は割と当たりの職員っぽく、俺も宿に期待が膨らむ。


「‘やったなブタちゃん、ベッドだ’」


「ブヒッ」


 俺たちは教えてもらった宿に急ぐ。

 日は壁の向こうに落ちてしまった。


 早めに宿を確保しておかねば良いベッドが遠のく。


「‘割れ壁のゆりかご……オシャレな名前だな’」


 勧められた宿の一つにやってきた。

 この世界の宿の名前は‘なんとかのなんとか’みたいにものの名前を二つ組み合わせたようなものが多い。


 割と俺はそのセンス嫌いじゃない。


「‘あれが割れ壁か……’」


 ゆりかごは宿の隠語のようなものだ。

 ゆっくり休む場所程度の意味になる。


 ならば割れ壁とは何か。

 宿の壁が割れているなんて宿なら俺は願い下げであるが、そんなことではない。


 宿から町を囲む壁が見える。

 俺たちが入ってきたところから逆側の壁になるのだが、その一部がまるっとない。


「ここからダンジョンは見えませんね」


 壁が無くなっているのはダンジョンのせいだった。

 ここが城郭都市として使えなくなった理由でもある。


 本来壁があるはずのところにはダンジョンが存在している。


「明日にでも見に行ってみましょうか」


 ダンジョンのことは気になるが、今は宿で休むのが優先だ。

 俺たちは見事に部屋を確保し、ベッドをゲットした。


「‘あれだな……ベッドを作る魔法とかあればいいのにな’」


 ベッドに寝転がり、思わず変なことを考える。

 明日からまた忙しくなる。


 ただ今日ばかりはゆっくりと休もうと目を閉じるのだった。

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