シャンパンタワーってセレブな感じだよな!!と思ったけどよく考えたらどちらかといえばホストだと思う。
そうだ、船上パーティーだ。
と俺は思った。
船の上のパーティーといえばゴージャス、ゴージャスといえばお花・セレブ、だ。(と俺の頭の中では繋がっている)
後10日ほどで退院する妹の退院祝いも何かしたいと思っていたのだ。
お金はあるのだ。豪華にパーティーをしようではないか。
そのパーティーに使う花の発注をヴェネットにする。花はそこに来ていたセレブたちの目にとまることだろう。(これは自信を持って言える。サーシャさんの花はどこの花屋の花よりもいきいきとしていて綺麗だ!)
よし、完璧。
あやふやな知識とぽっと出の思いつきだったが、サーシャさんに別れを告げ俺は家に早足で帰るとまずはリマに俺の考えを(頭の中にあるまま…筋道も何もない)伝えた。
彼女は矢継ぎ早に話す俺の話をなんとかきき、俺の思考回路は理解できないところはあるが考え自体は悪くない、というようなことを言ってくれた。
リマがそう言ってくれたことで俺はいよいよ調子にのり、アニカや他のメイドたちにもこのことを告げて回った。
メイドたちといろいろ話しているうちにあれよあれよと準備は進み(俺は特に何もしていない…!!)、いよいよ明日搭乗…というところまできた。
夜の景色を窓からみながら、いやーなんだかんだ忙しかったなぁ…ここのところ暇すぎたけれど忙しすぎるのよりはマシなのかもしれない…と思ってしまう。(何度も言う、特に俺は何もしていない)
今回のパーティーでやりたいことがいくつかある。
妹の退院祝い、サーシャさんの件はもちろんのこと。
来賓の皆様や姉との接触だ。
今、俺はいわゆる「セレブ」に属しているが今まであまりそういう経験が無かった。
この家に属していて、下についてくれてる人がいる以上それなりの体裁を保てるようにしたいのだ。
そこで自らがパーティーを開くことで、ホームグラウンド(…は異世界に置いてきたがこの世界での身内で固められた場所、という意味だ)でセレブと会って話して、いろいろ知ることができるのではないか、と思ったのだ。
そして次に姉との接触。
アニカの話によると、幼い俺と妹を連れて家を切り盛りし、今は都市部で働いていてとても忙しいという姉。
今回、彼女の方で何か企画を立てる時間は無かったが妹の退院日には予定を入れてなかったのでパーティーに参加できるということなのだ。
姉は忙しい人らしく、今回のパーティーの次はいつ会えるか分からないとか……。
姉にはいろいろ話したいことがある。
ただ、それがまだうまく自分の中で言葉にできないのでそれは彼女に会うまでに考えておきたいと思う。
船上パーティーかーー…と呟く。
自分とは無縁の世界だと思っていたものだからそんなものが自分の思いつきで実現してしまうということに未だあまり実感がない。
こんな調子で上手くセレブたちとやっていけるのか…?と少し不安になるが、頭を物理的に振って雑念を飛ばす。(頭を振ると首が鳴り、その音を聞くと考えていたことを忘れてしまうのだ!)
今日はもう寝よう!と無理やり布団に潜り込む。
明日の情景が全く予想つかなくて心がワクワクしているという点で、なんだか小学校の頃の遠足を思い出すなぁ…なんて考えていたら俺はいつの間にか眠りの世界に入っていた。




