父に会いに行く、リムジンの中
本編に入るのはまだまだ先です。
俺は今、リムジンに乗って父の会社に向かっている。最初は歩いて行こうとしたんだ。そしたら使用人達に止められ、
「京介様、どちらへ?」
としつこく聞いてくるのだ。結局母は俺に会う気は無いらしく、父に会いに行くと使用人を通して伝えると、正装をさせると言い出し、結局俺に会いに来た。昔は母も優しく俺に構ってくれていたが、全ては父の前だけだったのだと今ではわかる。ちなみに、俺は今年で15歳になる。誕生日が7月11日で、明日が誕生日だ。誰か覚えてる奴はいるのかな。
「京介様、不機嫌で御座いますか?」
「それはそうだろ。俺は着がえるつもりはなかったし、母に会う気もなかったんだ。大体、お前は誰だよ?」
そう、部屋を出たときからやたらとつきまとうコイツにイライラしている俺がいたのも不機嫌な理由の一つだ。
「先月、新しく雇われました羽鳥飛翼と申します。明日、京介様の15歳の誕生日ということで、仁様から専属メイドのプレゼントとのことです。ちなみに、私は孤児院から来ました。」
たんたんと話す飛翼に、俺は唖然とした。それはそうだ。さらっと、とんでもない事を言っているんだ。
「いくつか驚いたが、まず、俺の誕生日を誰に聞いた?」
「仁様です。」
平然と答えるその姿勢は洗練された使用人そのものだ。
「なんで、1カ月しか使用人を経験していないのに、そんなに平然とこなせる?」
「ついこの間まて、研修期間でかなり指導されました。御陰様で、性格が少し変わった気がします。」
ふむ、ということはあのメイド長にしごかれたのか。まぁいい、次の質問だ。
「何故、お前を俺に寄越したか、親父に詳しく聞いたか?」
飛翼は何も答えず、時間が過ぎていく。
「坊ちゃん、仁様の会社にお着きしました。」
運転手がそう告げると飛翼はすかさずリムジン
降り、手を差し出し、俺にこう言った。
「仁様に今から会うのですから、その場でお聞き下さい。」
「・・・わかった。」
俺は飛翼が差し出す手を取らず、会社に入った。飛翼はその後ろ姿を眺め、
「京介は私のこと覚えてないんだね・・・。」
と呟いたが、京介には聞こえてはいなかった。
うーん。話を考えるのは難しいです。
次回もよろしくお願い致します。




