10話 みんなで気持ち悪くなろうよ
改稿は挿絵入れただけです
少し行くだけで司令塔が見えるようになった。大きく高い塔なので当然だ。塔の下側は大きな建物がいくつかあり、塔を含め、周辺地域全体が防御波によって守られている。
近づくと、防御波の接触を知らせる表示が画面に出た。数が多い。無人機のものだろうとクナイシィは思い周囲を見渡すと、何機もの無人機が建物を囲むように移動しているのが見えた。
「まずいな、ここも無人機に取り囲まれるみたいだ」
「どうするんだ? やめておくか?」
スリィードの通信。
「いや、戻っても無人機がいるし、もう秒読みの間に無人機の防御波から逃れられる場所は無いだろう。それならタルートを停止させて建物に入った方がいい」
建物入口付近を撮影機で拡大しても、とくに変わりはない。中へ入ることは可能な様だった。
「う~ん……停止させるのか? もしもの時に再起動しても、防御波が成立するのに5分はかかるんだぞ」
不安そうなスリィードの声。攻撃力のある無人機の群れの中で、タルートを停止させるということに抵抗感があるのはクナイシィにも理解出来きることだった。
「そうは言っても、あの数の無人機との戦闘になるのは危険過ぎるだろう、あの通信を信じるしか道は無いよ」
「わかったわクナイシィ。大丈夫、博士の言葉は信じられると思うから。停止すれば攻撃されることはないはずよ」
リンファムと話している間にも、多くの無人機が建物裏から現れ、短い間隔を取りながら外向きに停止し、待機状態になっていく。
そのうちの一機がクナイシィたちの方へ歩行して近づいて来ると、通信と外部音声の両方で警告を発して秒読みを始めた。
「俺が盾になるから、二人はタルートを入り口近くで停止させて中へ入ってくれ」
「おいおい」
「いや、そんなに大げさに考えなくても、少なくとも秒読みのうちは何もしてこないから大丈夫だよ。早く建物に入ってくれ」
「そうね、わかったわ」
スリィードとリンファムのタルートが建物へ近づくのを見て、クナイシィは自身のタルートを秒読みをしている無人機に向けて銃を構える。
二人がタルートを停止させて降り、建物へ入るのを確認すると深く息を吸い吐いた。無人機の秒読みが冷たい音声で続く。
「29、28……」
さすがに強力な武装をした無人機を前にタルートの停止を行うのは躊躇せざるを得ないが、クナイシィも腹を決める。
タルートの搭乗口を開けると、対峙する無人機を睨みながらタルートを停止させる操作をした。
息をのむクナイシィ。
無人機の秒読みが止まる。そして後退すると、向きを変えて離れていった。
「ふぅ」
ため息を吐いてタルートから降り、建物へ向かう。
建物入口で待っている二人。
「何待ってんだよ、早く中に入れよ。危ないだろ」
「そんなわけにいくか」
「かっこつけないでよ」
スリィードに尻をはたかれた。
「で、どうする? 博士の通信は正しかった。そしてこの塔を守るように無人機が配置されてる。つまり、中に入るまでも無く」
「あの、お花を摘みに……じゃなかった、鳥を撃ちに行きたいのですが……」
小声で話すクナイシィ。
「はあぁ? しょうがねぇなぁ。まあ、俺も黒茶でも飲みたいし、中へ入るか」
スリィード呆れた顔で答える。
三人は建物の中へ入っていった。
洗浄室で洗い流し、送風機で水滴を飛ばして奥へ進む。通常ここから防護服を脱ぐのだが、長居する気は無いので脱がない。外気導入に切り替えるだけだ。
クナイシィが小用から戻ると、二人は通路の窓から外を見ていた。
並んで外を見ると、遠方に何本か黒煙が上がっている。
「やっぱり戦闘になったのか……」
顔をしかめるクナイシィ。
「無人機は国境線に固めてあるのだから、急いで離れれば問題ないはずなのに」
「軽く考えている奴が攻撃したのかもな。まあ、思ってたよりは混乱してないみたいだ」
リンファムの疑問に、スリィードが自販機で買った黒茶を飲みながら答えた。
「手、洗った?」
「洗ったよ」
「で、どうする? 外でも言ったが、ここにその博士とやらが立てこもってるのは確定で、これ以上は俺たちの装備じゃどうにもならんぞ」
スリィードが目をやる通路の先は扉で閉ざされ、その横の点灯菅が赤く光っている。
クナイシィは扉に近づいて、上部にある撮影機の透鏡をしばらく見つめると、扉を軽く叩いてから振り返って話す。
「まあ、戻るしかないな。ああ、隊長に連絡を……あれ?」
「通じないわよ。遮断されちゃってるから。外に出れば大丈夫だと思うけど」
「駐機所まで歩いて帰るには遠いな。どこかに自動車でもあればいいが」
黒茶を飲み終え、ごみ箱に捨てるスリィード。
「裏に駐車場があるから、行きましょう。この塔へは何度か来たから多少は知ってるのよ」
「そうか、しかし車は警告されたりしねえのかな?」
「兵器じゃないから、平気なんじゃない?」
なんだか嬉しそうなクナイシィの声。
「じゃあ行きましょうか」
「そうだな」
クナイシィを無視して二人は背を向け歩き出す。
「いや、あのですね……ちょ、もしもし?」
足を滑らせて、よろめきながら付いて行くクナイシィ。
その時だった。小さく音が鳴り、短く空気の吐き出される音がした。
振り返る三人の前には、固く閉ざされたはずの厚い扉が、ゆっくりと開き動いている。
「なんだ?」
「開いたわ、何故?」
二人の声を後に、歩み出るクナイシィ。
更に奥の扉が開いていくのも視界に入った。さすがに扉の奥に入る気にはなれないのか立ち止まる。
開いた扉の前に並ぶ三人。
「おい、どうする?」
「う~ん……」
スリィードの問いに悩むクナイシィ。
「クナイシィ、来て」
「なっ!」
扉の上から発せられた音声に、仰天するクナイシィとリンファム。その声はカランディだった。
「今の声、この間の人よね」
「誰だよ?」
「クナイシィの幼馴染で、環境の仕事をしている人よ」
リンファムがスリィードに説明した。
扉の奥へ進むクナイシィ。
「おいおい、閉じ込められるかもしれないぞ」
「大丈夫よ、そんなことするような感じの人じゃなかったわ。博士だってそうよ」
「俺一人でいいよ、二人は戻って隊長に連絡して……」
「ダメよ、私も行くわ。博士もいるはずだから」
そう言ってリンファムはクナイシィへ駆け寄った。
スリィードは少し沈黙した後、続いて行く。
昇降機の点灯菅は赤く光ったままで使えないことを示している。
「疲れさせようってことだな、こりゃ」
「えー、信じられない。あの人結構酷いのね」
スリィードの言葉にリンファムも唇を尖らす。
階段を行くことになる三人。先は長い。
なんとか目的の階に到着した三人。
「おい、お前らしっかりしろよ。情けねぇな、これくらいで」
スリィードが呆れ気味に言う。無言で息を切らせているクナイシィとリンファム。
三人は一息入れてから、銃を構えて開いている部屋の入り口から突入した。
飛び込んだクナイシィは、すぐに部屋に三人いると理解した。全員、両手を上げている。
「全く、誰がこんなに素早く乗り込んできたかと思えば、まさかお前だとはな、クナイシィ」
銃を構えるクナイシィの目の前にいるのは、両手を上げて無抵抗を示しながら、笑って話すガイサだった。
「な、ガイサ。生きてたのか!?」
「おいおい、お前ん中では俺は死んでるの? お前と一緒に新型にやられた後、俺はあちこち骨折してるのに応急処置しただけで、人手不足だからと駆り出されて、そのまま転属になっただけだぞ。お前が意識不明で寝てたのを心配しつつも従ったよ」
「だってお前の機体は爆発して……」
「噴射機をやられただけだ。タルートの操縦席はそれくらい耐えられる。まあ、あの直後に新兵まで投入してなんとか押し返してくれたから、とどめを刺される前に助けられたわけだがな。本当に運が良かったな」
眉を寄せ、混乱するクナイシィ。自身も目が覚めた後で今の部隊へ呼ばれ、同じように転属になった。すなわちガイサの死亡確認などしていないということに気づいたのだ。
「勝手に殺すなよ、夢でも見てたんじゃねーの?」
笑うガイサにつられて引きつり笑うしかないが、クナイシィは嬉しかった。ガイサは生きていたのだ。銃を下ろす。
「俺たちをここへ呼び込んでどういうつもりなんだ? 全員連行するぞ」
スリィードが銃を構えながらそう言った時、入ってきた扉が閉まって鍵の締まる鈍い音がする。
「暗号をかけてあるから、僕の許可なしでは出られないよ」
机の前に立つカランディが話し出す。
「ここへ呼び入れたのは、手伝って欲しいからだよ。クナイシィなら説明すれば協力してくれるだろうと思ってね。まさかこんな所で会うとは思わなかった」
「協力?」
「ちょっと困ったことになってな、そこへ現れたのがお前さんで渡りに船。しかもカランディもお前のことを知っていると聞いて、あり得ない偶然で笑ったよ」
ガイサがそう言って笑う。
「とにかく話を聞いて、協力して欲しいんだ」
そうカランディが話した時。
「博士、なぜこんなことをしたんですか!?」
リンファムの声が響く。
「おお、誰かと思えば、おリンちゃんか」
一番奥に立っている、白衣を着た高齢の男が答えた。
「おをつけるのはやめてください。何故こんなことをしたんですか?」
「おいおい、まずは銃を下ろしてくれよ。説明しようとわざわざ招待したのに、その態度は酷いだろ」
ガイサの言葉に銃を下ろす二人。
それを見届けると、博士は両手を肩の上で外に開いた後へそで結び、ため息をついて話し出した。
「詳しいことは軍の上層部へ送っておいたから、じき君らにも伝わるはずだろうが、まあ簡単に言えば無人機を誰の支配下にも置きたくなかったということじゃ。無人機がこの国を守るということに関しては何も変わっておらん。変わったのは敵味方区別なく、武装したものを攻撃対象にするということだけじゃ。もうこの私を煮ようが焼こうが元には戻せんよ。無人機は誰の指図も受け付けず、完全に自律して動いている。4つある工場と建造中の工場3つ。深部は武装の有無関係なく、何人たりとも立ち入れないようになっている。もう誰にも止められんよ」
「だから、何故そんなことをしたんですか!?」
リンファムの問いに、顎を右手でさすりながら、眼を一度閉じた後、見開いて話し始める博士。
「無人機を使用した国土防衛の計画が立案されてから無人機の開発を始めたが、なかなか上手くいかなかった。タルートの随伴無人機も最初はまるでダメだったじゃろ?」
「ああ、酷いものだったな」
スリィードが答える。
「しかしある日突然に閃いたのじゃよ素晴らしい考えを。逆立ちしている時にな!」
「逆立ち出来るんですか!?」
「出来るよ、見る?「見ません」
改行もせず、かぶせ気味に即答するクナイシィ。
博士は残念そうに唇を少し尖らせた後、言葉を続けた。
「その閃きから無人機は使えるものに進化出来た。情報の精査、共有、連携。確認と決定の速度も大幅に向上して使えるものになった。しかし、これでこの国から軍隊が引き揚げても、その代わりが務まるものを用意出来たと喜んだのと同時に、な~んか嫌な気持ちになってしまってのう」
「嫌な気持ち?」
リンファム。
「だって嫌じゃろう。これだけ強大な破壊力のある兵器の群れを、為政者に委ねるということに不安になって当然ではないか? 違うか? ある意味、核よりも使いやすい強力な兵器なんじゃぞ? 機械には心が無いから逆らうことも無い。容易く、思いのまま使えてしまう」
「それでこんなことを?」
眉をひそめるリンファム。
「まあ、そうじゃな。今現在はさほど心配していない。政府にも軍にも過激な暴走をするような者はおらんようだし。だがこの計画は30年以上無人で維持出来ることを目指したもので、アクスリアの持てる技術を結集した結果、50年以上100年は維持出来る計画として結実したと私は思っている」
「100年も無人でか」
驚くスリィード。
「超微粒子機械の発達による恩恵が大きいのう。汚れを寄せ付けず、潤滑油の供給も常時維持出来る。ちょっとした配線の切断の応急処置まで可能という、驚くべき技術力の集大成じゃ。それ故にこの先、無人機の強大な力が維持され続けて誰かのものになるかもしれないという可能性に、どうにも嫌な気持ちになったというわけじゃよ」
博士は大きく息を吸って吐き、言葉を続ける。
「別段困ることもあるまい。兵器を持たなければいいだけのことじゃぞ」
「人間は機械に屈服しろっていうのか?」
スリィードがイラついた声を上げた。
「屈服とは何かね。機械に感情など無い。人間を支配しようなどともしていない。私の入力した計画を繰り返すだけのただの機械じゃ。人間が兵器を持たなければ無人機は何もせんのだぞ。それだけの話ではないか。それを屈服だと言うのは私には理解出来んな」
反論する博士。
「クナイシィはどう思う?」
カランディが水を向けた。
クナイシィは少し考えて話し出す。
「う~ん、気持ち悪いな。機械に手を上げて降参するようで。でも……」
「平和になる」
カランディがクナイシィの言葉につなげる。
「ああ、平和になるな。機械に脅されているようで気持ち悪いけれど、平和になる。それはこの星をここまでにしてしまった人間への罰だと、我慢するしかないかもしれない」
その言葉を聞いて、うつむきながら上目でクナイシィに微笑むカランディ。
「私は別に、平和にすることを一番の目的として今回のことをしたわけではないのだがな。あくまでも自分の作った、ここまで強力な兵器が人の手に渡るのが嫌になっただけの話じゃ」
博士が割って入り、更に続ける。
「それに少し考えればわかると思うが、兵器の使用を許さないと言っても、兵器かどうかを判別するのは容易では無い。もちろん優れた検知器と、一度使用された兵器の画像解析からの形状把握などで対応出来るよう、その辺はちゃんと考えてある。角度とかもな。それでも穴はいくらでも開けられようて」
「まあ、そうだろうな」
スリィードがフッと笑った。
「兵器を持つな、持たなければ何もしない、それをこれだけの数の無人機に示されてなお、兵器を使って争うようなら勝手にしろとしか言いようがないわ」
博士は吐き捨てた。
「少し先になりそうだが、いずれ俺たちは宇宙へ行くし、あの無人機の群れに敵国が勝てるとも思えん、しばらくは平和になるだろうよ」
スリィードがそう言いながら、近くにあった椅子に腰かけた。
「しばらくは大丈夫じゃろうが、いつまで維持出来るかは私にもわからんぞ。無人機の強さは防御波があるから成立しているだけのことだ。この先、防御波を無効に出来る技術などが現れれば、あっという間に遠距離攻撃で殲滅されるじゃろうて。研究者に聞いたら、そんな技術はまず現れないと言われたが、先のことはわからんよ。人はわからんことには不安になるのう」
そう言って軽く笑う博士。それが自嘲なのかどうか、クナイシィにはわからなかった。
「あー、そうそう。無人機のことに関しては、完全に私独りの行為だ。彼らは一切関係ない。私独りでこんなことが出来てしまったのは、もう政府の人間も多くの研究者も、この国のことよりも宇宙での生活で頭が一杯ということだ。酷い話じゃな」
その言葉にクナイシィの顔も曇る。
「それで俺にどうしろと?」
聞くクナイシィ。
「協力して欲しいんだよ、作戦に」
ガイサが答えた。
「作戦?」
「それは僕が話すよ」
カランディは右手で髪をかき上げると、一息吐いて話し始めた。
「この間も話したけど、敵国のトルアーリは大昔から地下都市建設を進めていて、地上は農地として活用してきた。農地を維持管理する際に、超微粒子機械が役に立っているであろうことは想像に難くない。こと超微粒子機械の技術に関してはトルアーリが抜きん出ているだろうと、ずっと前から思っていたんだ」
それはクナイシィにも理解出来た。土壌の改良や気難しい植物の育成に、超微粒子機械が非常に役に立っているという報道番組をいくつか見たことがあるのだ。そしてそのどれもがトルアーリ製のものだった。
「そんな時に博士に声をかけてもらえた。宇宙へ行かずこの国の浄化の研究をしている僕に、無人機の力を足して回復を早められないかと聞いてくれたんだ」
「若いのに宇宙へ行かず、浄化の研究を続ける者がいると聞いた時は胸がきゅんとしたわ」
笑う博士。
「でも瓦礫の撤去と、汚染物質を遠くへ持っていって埋めることしか出来ない現状を話すしかなかった。そしてその時にトルアーリはどうしているのだろうと話したんだよ」
「そしてそれならばと、私がトルアーリの科学者と連絡が取れるようにした」
人差し指を顔の前に出し、得意気な博士の顔。
「トルアーリと連絡!?」
驚くクナイシィ、リンファム、スリィード。
「なに簡単なことじゃ。科学者にしかわからない暗号法則というものが昔からあるんでな。それを使って、浄化に関してのみ話し合いたいと通信しただけのことよ」
軽く笑みを浮かべて話す博士。
「そして僕は、知りたいことをいろいろと聞いた。思っていた以上にトルアーリの超微粒子機械の技術は進んでいたよ。その技術が手に入れば、汚染物質を無くせる」
汚染物質は無くせないと言っていたカランディが、無くせると言う。クナイシィは息をのんだ。
「超微粒子機械を使って汚染物質を選別収集出来るという、信じられない技術なんだ。それが出来るのなら、施設を作って集めた汚染物質に強制的に毒を出させることも出来る。途方もない時間がかかるけれど、それでも自然に出て無害になるのを待つよりは間違いなく早い」
話すカランディの熱のこもった表情に、思わずクナイシィの頬も緩む。
「その技術は手に入ったのか?」
クナイシィの問いに、カランディはうつむいた後、顔を上げ話を続けた。
「トルアーリの科学者は、浄化の技術を渡すのと引き換えにある要求をして来たんだ。それを僕たちが達成して、その結果が確認されれば技術に関する全てを渡してもらえる」
胸元に左手をかぶせた右手拳を握りながら、クナイシィの瞳を見つめて話すカランディ。
「そんな取り引き、本当に信用出来るのか?」
スリィードが大きめな声で問う。
「科学者は信用出来る。実証実験の映像も偽造の無いものだったし、そもそも彼らだけでは浄化は進まない。風に乗って延々と飛んでくるのだからな。浄化に関しては協力を惜しむつもりはないだろう。ただ条件を付けただけだ」
博士が真顔で答えた。
大きく息を吐いた後、カランディの瞳を見つめて聞くクナイシィ。
「わかったよ。浄化の技術が手に入るのなら協力する。だから何をやるのか言ってくれ」
ガイサは、話そうとするカランディの方をちらりと見て右手で制し、にやりと笑った。
そして右手人差し指を真上に差して言い放つ。
「投射機をぶち壊すのさ!」




