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おい今度の救世の乙女は何だか想定外だな?〜誰に理解されなくてもあたしは信じた道を進むことにした〜  作者: 夜朝
第3章 〜本当のところと絶対の秘密〜

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第3章 その7

よろしくお願いします。。。

 この凍てついた世界を救う。

 それは誰もが願っていたことだった。

 乙女の真守護者に選ばれて、彼女の愛情と精霊力を一身に受け、滅びへ向かう世界を希望あふれる世界へと作り変える。

 守護者になったら一度は夢見る英雄物語だ。

 それを彼女は、誰も選ばず独りで事を成し遂げ、独りでさっさと故郷に帰ってしまう?

 あり得ない。


「そんな……!」


 憤慨の声を上げたウードのそばで、ソイルは、く。と皮肉げに笑った。


「『ぼくが駄目なら、せめてゴルドに』といったところか」


「ソイル様」


「いや。乙女の真守護者候補には、それくらいの気概が必要だ。

 まずは誰よりも自分でなければならん。そうだろう?」


「ソイル様もそうお考えなんですか?

 他の誰よりも、まず自分がエティの相手だと」


「さあ? わたしは精霊神様から『キーペに次ぐ二人目の相談役』を仰せつかっているからな。分はわきまえるさ」


「でも、ほとんどいつも二番手に着けてますよね」


「乙女の訪問回数が多いからだな。

 彼女たちはわたしの占いが目当てだ」


「エティは来てますか?」


「──」


「……」


「……来ない」


「すみません。要らないことを聞きました」


「いや。気にするな」


 ソイルは神経質そうな細い目元を、より一層、細くして、苦笑いを浮かべた。


 苦い空気に包まれた食堂の空気を一変させたのは、駆け込んできた神官の言葉だ。


「侵害者が現れたそうです! ソイル様、ウード様! ご出陣を!」


「場所は」


 すぐに切り替えたソイルが立ち上がりながら背筋を伸ばして問う。


 神官は、ほんの一瞬のためらいの後で告げた。


「それが、神殿ではなく街の中心へ向けて飛んでいったと──おそらく狙いは乙女の家かと」


「飛んでいった? 空をか。風を操るなら木風の侵害者だな」


「ぼくの出番か。ゴルドがいれば良かったんだけど」


 まだ始まってもいない内から、失敗したのを笑ってごまかすような面持ちをしているウード。


 ソイルはしっかりするようにと彼の背中を軽く叩いた。


   * * *


「エティ様! おかげんは?」


「キーペ!?」


 ノックもせず突入してくるような真似はキーペは一度もしたことがない。


 薬が効いて眠っていたエティは少年神官のその暴挙に驚いて飛び起きた。

 良く寝ていたせいか、体調はだいぶ楽だ。


 そのことを告げるとキーペは安堵の表情を一瞬だけ浮かべた後で真剣な面持ちになり、エティへ返した。


「着替えて外においでください。

 侵害者が来ます。急いでください。もうあと十分、あるかないかです」


「! 行くわ。部屋の外で待ってて」


「分かりました」


 エティはドアの閉まる音を聞きながらタンスを開けると、鍛錬用の汚れても問題ない服に着替えて部屋を出た。


   * * *


 楓を大きくしたような、五つに分かれた葉っぱが宙を舞ってふわふわと飛んでいる。

 それだけならば誰も気にしなかっただろう。

 木風の精霊は風に乗って遊ぶ葉の姿をしている。

 しかし侵害者は違う。

 あれらは人にとって毒になる花粉を風に乗せて遠くまで運んでしまう。

 発見したら即時退治が鉄則だ。

広範囲無差別攻撃です。

次回以降はハラハラな展開にしたいのですが、できるかなぁ。


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます!

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