第1章 その4
よろしくお願いします。。。
すっかり涙が乾いたころ。
エティは困り顔で笑ってキーペに手短に謝った。
「ごめんなさい。急に泣かれてどうしたもんかと思ったでしょ」
「いえ。少しでもエティ様のお心を和らげるお手伝いができればぼくはそれで」
「あんた健気なこと言うのね。
えっと──なんて聞いたらいいかしら。
あのね、あんたってあたしにとって何になるの?」
「乙女にとってぼくは案内人になります。
あなたの身の回りのお世話をするのが主な仕事です。
それだけじゃなく、段階を踏まえてこれから何をすべきか逐一説明したりもしますよ。
後は乙女が守護者の皆様と連携を取るのをサポートしたりも」
難しそうにうなって眉間にしわを寄せたエティが、キーペに告げる。
「ねえ。それなんだけど──申し訳ないけど、あたしはたぶん、あんたたちが望んでいる『救世の乙女』じゃないと思うわ。
もっとよそをよく探したほうが良いんじゃない?
どっかで取り残されて困ってるかもしれないわよ、本物が」
面倒ごとに巻き込まれるのはごめんだとか。
世界レベルの話が大仰すぎてついていけないとか。
彼女が考えていることは色々あるが、どこから考えても最終的にはひとつの結論に行きついてしまう。
「乙女様……どうしてそんなことをおっしゃるんですか?」
「乙女って呼ばないで。あたしは違う。
なぜって? あたしはね、キーペが言うところの精霊神様とやらに会っていないの。
それが理由よ。それだけで充分でしょ」
きっぱりと言い切ったエティは、しかしその直後、自分の言葉を後悔することになった。
キーペが大きな目に涙をいっぱいにためて泣き出してしまったのだ。
「え。いや、あ。あの。えええ?
ちょっとキーペ。
泣かない。泣かないでちょっと。
悪かったわよ。言い方がきつすぎた?」
先程と形勢が逆転して、今度はエティがキーペの頭を抱いてよしよしとなだめる羽目になった。
まったくもって納得いかなかった。
こんな子どもを働かせて、自分はどこでさぼっているのか精霊神とやらは。
しかし、こんな子どもを泣かせてしまった自分にも非はあると、エティは素直に認めて謝っておく。
「ごめんなさいね……キーペは悪くないから」
「ありがとう、ございます……」
普段は澄んでいるキーペの声が今は鼻声だ。
罪悪感をMAXにしながらエティは、ぎゅーっ。と少年を抱きしめた。
抱きしめられて彼女の腕の中にいる少年がどんな面持ちで何を考えているのかは、エティにはあずかり知らぬところであった。
しめっぽい描写が続いてますが、まだエティもキーぺもお互いに慣れてないせいもあるんじゃないかなぁと作者的には思ってます。
早く仲良くなれるといいね。
ここまでお付き合いいただき感謝です!




