第2章 その15
よろしくお願いします。。。
なんですって!?
憤慨して口を挟みたかったエティ。
しかし言葉を続けているダルクには隙がなく、彼女は割り込めない悔しさに歯噛みした。
「月闇の精霊力はフィーレがいるから、彼に扱ってもらってくれ。
今回の面子で代行ができる守護者はフィーレぐらいだ」
「……分かったわ」
苦い面持ちでうなずくエティを見おろしてから、ダルクは神殿の玄関に停めてあった一人乗りのソリに近づいていく。
「ではな。わたしはもう行く。
申し訳ないが、そろそろ出ないと間に合わないのだ。
きみの健闘と旅の幸運を心より祈っているぞ、エティ。
キーペも、気を付けてゆけよ」
「ありがとうございますダルク様。
ダルク様もエティ様ご不在の間、お気を付けて」
「ああ。肝に銘じておこう」
ダルクが乗り込んだソリは後方に吹き出し口のような筒が付いていて、彼が精霊力を発動させると、その筒から満月色の光と闇色の影とが一直線に五十センチほど伸びた。
その次の瞬間にはもうダルクのソリは、はるか遠くに小さく見える程度まで離れてしまっていた。
「ソリってあんなにスピード出るの。危ないんじゃないの?」
「法定速度違反ですから、本来ならアイスバーン以外であんなに出したら即免停ですよ。
まあぼくや守護者様方は立場上、捕まりませんけどね。
あ! エティ様はやめてくださいよ。ぼくの気が休まりません」
「やんないけど……もしかしてソリって乗るのに免許が必要なの?
子どもの遊び道具の延長かと思ってたわ。
乗ってるのがキーペとあたしだけでも、精霊力で動いてたし」
ぱたぱたと手を振ってキーペがエティの言葉を否定する。
「免許は十五歳から取れるんです。
自動操縦のソリでも、稼働させるための精霊力を注ぐ術者には免許の取得が求められます」
「え? でもあんたまだ十三なんでしょキーぺ。
無免許運転じゃないの」
ぴしっ。
少年の穏やかな笑顔の背景に漂っていた和やかな空気に大きくヒビが入った。
彼は大きく咳払いした後、ことさら真面目な顔で、目に力を込めて答えた。
「いやっ、その──ぼくは、そう。
特例を認められています。
乙女付きの運転手として」
「救世の乙女って優遇されるのねえ」
「ええ、もちろんもちろん。
本来ならこの世を救ってくれる存在ですからね。
大切にされて然るべきです」
「本来なら? なぁに、引っかかる言い方して。
これまでの乙女はこの世界を救ってくれようとはしなかったってこと?」
首を傾げるエティ。
キーぺは苦笑いでお茶を濁した。
「まあ、ある意味、当然の結果というか──
良いんですよ? エティ様も。
同じ道を選ぶことになっても」
複数人が乗るソリは車
一人乗りのはバイクの
イメージで書いてます
が、ちょい描写が難しいですね
ここまでお付き合いいただきありがとうございます!




