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おい今度の救世の乙女は何だか想定外だな?〜誰に理解されなくてもあたしは信じた道を進むことにした〜  作者: 夜朝
第2章 〜生きてこそ得られる幸せってあるでしょ〜

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第2章 その11

よろしくお願いします。。。

「守護者様方も確かにご自分で精霊力を取り込んで使えるのですが……

 それだと量が少な過ぎるんですよね。

 侵害者を退治するには全然足りないんです」


「乙女が大気中から取り込んだ精霊力を、この輪を通じて守護者に送り込むことで、強い攻撃ができるようになる?」


「そうです。ただ、量が多過ぎて攻撃した後も体内に精霊力が残ってしまうと、それが暴発して守護者にダメージが行きかねません。

 リヒト様がしきりに心配してらしたのはそのことなのです。

 だからエティ様には、早い段階でコントロールを覚えていただきたかったのですが──すみません」


 無念そうに頭を下げるキーぺ。


 エティは慌てて首を左右に振った。


「キーぺは何も悪いことないじゃない。

 むしろあたしだわ。

 昨日のん気に遊んでないで練習すれば良かった」


 顔を上げたキーぺはいつも通りの穏やかな笑顔で答えた。


「どちらがということではありませんね。ありがとうございます。

 では、支度ができたら来てください。

 ぼくはソリの準備を手伝っています。跳ね橋のところにいますから」


「分かったわ。ありがと。あたしもすぐ行くから」


 洋服と基礎化粧品をカバンに詰めて、こちらの世界に来てから買ったブーツの履き心地を確かめる。


 うん。と、うなずいてから、エティは部屋を出て跳ね橋へと向かった。


 * * *


 橋を渡ってすぐのところに停めてあるソリは、何だか見た目にいつもの物よりも大きく感じられた。


 それをキーぺに問うと彼は深くうなずいてみせる。


「そうなんです。荷物が多いもので、このクラスのソリに乗る車体の中では最大の物をつなぎました。

 乗り心地も良いはずですよ。期待していてください。

 さあ、乗って乗って。エティ様。

 神殿で皆様お待ちです」


 エティは乗り込む前にソリの内部を見やり、感嘆の吐息を漏らした。


「ぅわぁ……広い。

 分かった、寝る時はベッドにするんだわ。

 そうでしょ?」


 向かい合わせのふたりがけのシートが二組。


 後方のシートには箱がいくつも載っており、小さめの樽まである。


 その横に毛布がたくさん積んであった。


 ベッドの発想はここから来ている。


 エティに続いて乗り込んできたキーぺが答える。


「ご明察。いつ侵害者が襲ってくるか分からない状況で疲れを翌日に持ち越すわけにいきませんからね。

 ただ、逆にいつでもすぐに戦闘準備ができるようにする必要もありまして。

 天井からも外に出られるようになっています」


 言われてエティは天井を見上げてみるが、切れ目が入っているようには見えない。


 シートの上に膝立ちして伸ばした手で天井をどんどんと叩くエティ。


 キーぺは数秒考える素振りをみせてから彼女と同じように膝立ちになって天井に刻まれている三角印を指さした。


「せっかくなので覚えていてくださいエティ様。

 この辺りを垂直に叩くと──」


 ぼん。と音がして、天井に隙間ができた。


旅行なんてのん気なものじゃないけど、どうしても気楽な雰囲気を拭い去れないエティなのでした。

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