第2章 その10
昨日一昨日と更新できませんでした。無念。
よろしくお願いします。。。
思い出したように鏡に近寄るエティ。
まだ件の基礎化粧品の効果は目立っては現れていないが、心なしか頬の手触りが滑らかな気がしないでもない。
携帯用の小ぶりな入れ物に化粧水やら乳液やら詰めていると、部屋のドアがノックされた。
エティは手を止めて、鏡の前に座ったまま、顔だけドアへ向けて、どうぞ? と声をかけた。
入ってきたのは予想通りキーぺだ。
彼は先日のバングルを何本か掲げながら室内へ入ってきた。
「ひとまずは本日から探索行に同行してくださる守護者様の分です。
赤い石が付いている物を左手に、残りは右に着けていてください。
こっちの準備は終わっています。
エティ様の支度が済んだらまず神殿に向かいます。
そこで守護者様方と合流してゼーソンへ」
エティは細身のバングルを受け取り、既に一本着けている右手首に三本、左に一本を装着した。
右手の四本のバングルが重なり合ってシャラシャラと音を立てる。
水色、黄色、緑色。それに赤。
どれも透き通っていて、宝石のようだ。
つい見惚れていたエティへキーぺが続けた。
「そうだエティ様。
言い忘れてましたが、バングルはなるべく肌身離さないようにお願いしますね」
「寝てる時も?」
「旅の間は寝てる時も、ですね。
家にいる間は、すぐに着けられるところに置いていてくださるなら外してもらってかまいません」
「これって何なの?」
「それは精霊環と言いまして、守護者様と救世の乙女をつないで精霊力をやり取りするための道具です」
「それよ、聞こうと思ってたの」
エティがキーぺを指さすと、バングルが涼しげに鳴り響いた。
はい? とキーぺが首を傾げた。
エティは難しそうな表情で自分のアゴに手を当てる。
その口元からためらいがちな声が漏れた。
「あたし、元の世界じゃ精霊力は持ってなかったのよ。
器は大きいって言われたけど。
どうしてこっちに来たら力が入ってきたのかしら」
「あー……そうですね、想像になってしまいますけど。
たぶんエティ様の世界には無属性の精霊がいるという概念がなかったんじゃないですか」
「ここにはあるわけ?」
「物質にはありませんけど、大気中に満ちている精霊力は無属性だと言われてますね。
それが有機物や無機物に取り込まれると属性を持つのだとか」
キーぺは、だからエティの体内に取り込まれた精霊力が無のまま安定しないことを心配していた。
だがキーぺの目には、エティは思っていたよりずっとこの世界に馴染んでいるように見える。
だから心配事を彼女に言って聞かせることはしなかった。
必要が出ればその時でいいだろう。
そう思って。
キーぺが自分の考えに没入しそうになっていたのを、エティの質問が引き戻した。
「ところで、守護者のみんなは属性を持っているわけでしょ?
開通の儀式をしたら、あたしから精霊力を送らなくても、自分で精霊力を扱えるんじゃないの?」
明日からまた、なかなか更新できない日が続くかもしれません。
エティたちのこと忘れないでやってくださいませ〜。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます!




