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おい今度の救世の乙女は何だか想定外だな?〜誰に理解されなくてもあたしは信じた道を進むことにした〜  作者: 夜朝
第2章 〜生きてこそ得られる幸せってあるでしょ〜

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第2章 その9

よろしくお願いします。。。

 普段はっきり物を言うキーぺのその様子にエティは心細さを覚え、心配そうに表情を曇らせて聞き返す。


「難しいの?」


「いえ。場所はまだたくさんあります。

 なのですが……すみませんエティ様。

 昨日の今日ですが、コントロールはもしかしたら、練習ではなく実戦で覚えていただくことになるかもしれません」


「え。ちょ──実戦? この間みたいなってこと?」


 びくっと体を強張らせてエティが立ち止まる。


 その横を歩いていたキーぺはつられて立ち止まった。


 真っ直ぐにエティを見つめて、不吉なことを言う。


「そうなら良かったんですが、次回は、もしも敵が現れたら、少し前回よりも不利になります。

 出てこないといいんですけどね。おそらく来るでしょう」


「先にコントロールを覚えるんじゃなかったの?」


「ええ、そうしたかったんです。

 けれども……」


 できれば受け入れたくない現実を無理やり噛み砕いて消化している。


 キーぺはそんな顔をしている。


 と、エティは思った。


 その消化に悪い現実を、キーぺはようやく口にした。


「見つかってしまったんです。

 儀礼具の部品、その隠し場所が」


「なんだ、てっきりバッドニュースかと思ったら。

 良かったじゃない見つかって」


 あっけらかんと言うエティに、キーぺは首を振って見せた。


「良くないんです。

 一旦見つかったらすぐに確保しに行かないと、すぐまた別のところに持ち去られてしまいます」


「良いじゃない行けば」


「行くのはいいんです。

 問題は、行くと必ず侵害者が現れて戦闘になる点です」


 難しそうなキーぺの面持ちが移って、エティの眉間にも薄っすらシワが寄った。


 エティがぽそりと呟く。


「そっか……それで実戦練習」


 キーぺは無言でうなずいた後、重そうに口を開いた。


「そうです。

 エティ様にはこの後、旅支度をしていただきます。

 見つかった儀礼具は『月闇(つきやみ)(きょく)』です。

 回収に行くため北東にある第二都市・ゼーソンへ向かいます。

 いつものソリで片道二泊三日の行程です。

 旅の間はシャワーが浴びられないし、味は保証できない保存食しかありません。

 ご不便をおかけしますがお許しください」


 エティは聞きたいことを質問する前にキーぺが先んじて説明してくれるもので、うんうんとしきりにうなずくことしかできなかった。


 * * *


 旅上手は荷物が少ないものだ。


 エティは自分の着替えだけ準備するように言われて、とりあえず三回分の替えの下着と服を上下ワンセット準備した。


 深紅のズボンに、クリーム色の膝丈の長衣。


 今着ている白いセーターと鮮やかな青のズボンとで、組み合わせを変えてバリエーションを楽しめるように選んだ。


「おめかししてる場合じゃないって言われちゃうかしら。

 でも、こういうとこで元気、出したいのよね〜」


思えば他の乙女も今回のエティと似て非なる探索行に参加していたはずなんですよ。

彼女たちは出発の前にどうしてたんでしょうね。

ちょっと気になります。


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます!

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