表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢が行方不明!?  作者: mimiaizu
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

102/148

102.一か月?(アクセイル子爵)

公爵令嬢サエナリア・ヴァン・ソノーザが行方不明になってから約一か月。王家からソノーザ家に対して裁判を起こすことが決まった。サエナリアが行方不明になった原因とソノーザ公爵の過去の罪の追及が主な内容となる。裁判は近日中に行われる。


「……ということで君にも裁判に来てほしいということなんだ、ミルナ」


アクセイル子爵家の屋敷の一室。屋敷の嫡男エンジ・リュー・アクセイルは幼馴染の少女と相談していた。相談の内容は裁判への出席だった。


「分かりましたエンジ様。むしろお礼を申し上げたいくらいです。サエナリアお嬢様を虐げた者たちが断罪されることは決定事項でしょうから」


「そうか。そうだな……」


幼馴染の少女のミルナは元貴族令嬢。元の名前はミルナ・ウィン・コキア。ソノーザ家に蹴落とされて没落したコキア子爵の娘だ。そして、サエナリアの専属侍女でもあった。


「ソノーザ家の……ベーリュ・ヴァン・ソノーザの断罪。ここまでくるのに長い時間がかかりました。後は裁判の結果に任せるだけです」


「ミルナ……」


一か月ほど前に、ミルナはソノーザ家を後にしてエンジに連れられてアクセイル子爵家の屋敷にやってきた。エンジの実家であるため、彼の幼馴染のミルナは歓迎された。何しろちょうどエンジの両親が屋敷にいたため、この二人にも泣いて喜ばれたからだ。『無事だったんだね!』とか『こんなに綺麗になって!』と感極まった両親の顔をエンジは忘れられない。


その後のミルナの話も。


「(ミルナにとって一番望んだ日がやっと来たということか)」


ミルナは屋敷で少し休んでから、エンジとその両親にこれまでのことをある程度話した。コキア夫妻の死、父の部下の手引きで侍女になったこと、サエナリアの専属侍女として働いたこと、そしてサエナリアのことも。


「(ミルナの過去。貴族令嬢から平民になって、侍女になって仇の家で働いて、サエナリア様に忠誠を誓って……そして今日にまでたどり着くには大変な思いがあったんだろうな……)」


ミルナはサエナリアに忠誠を誓ったという。その思いに嘘偽りはエンジも両親も感じなかった。おそらく本当のことなのだろうが、ソノーザ家は親の敵と言ってもいいはずだ。そんな家の娘に忠誠を誓っているということは彼女たちの間には身分や立場の違いを超えた絆があるのだろう。エンジにはそう思えてならなかった。


「(サエナリア様か。彼女に比べて俺はミルナのことを幼馴染の姿しか知らないのだろうな。コキア家が没落してからの間、ミルナの力になってやれなかったことが本当に悔しい)」


コキア子爵は没落してから行方が分からなかった。エンジの父アクセイル子爵は心配して行方を必死に探していたが結局ミルナがやってくるまで分からなかった。コキア子爵夫妻の死を知ったアクセイル子爵は深く悲しんだがミルナが生き残ってくれたことを『君だけでも生きててくれてよかった』と言った。


「(父さんはコキア子爵とは仲が良かったからな。俺達と同じか)」


ミルナがやってきた翌日に歓迎会を開いた。アクセイル夫妻とその家臣の全員も参加するほど盛り上がることになった。当のミルナはそこまでしなくていいと言っていたが、アクセイル夫妻に押し切られた。


「(あの時は、昔を思い出させてくれたな)」


歓迎会ではミルナは涙をこぼすほど喜んでいた。その涙にエンジも両親ももらい泣きしてしまった。だからこそ、エンジはある決心を決めた。


「(レフトンに相談して手はずを整えられてよかった。あえてミルナに内緒にすると言ったらやる気出してくれるのはどうかと思ったがな)」


この一か月、エンジはミルナのために裁判が終わった後のことも考えていた。彼女の幸せを思って。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ