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魔王城からこんにちは  作者: ゆう


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2/2

2周目

1話の文量を多くしていますので、更新が遅くなる場合があります。

その際はご了承ください。


出来るだけ頑張って書いてみます!

応援してくれると嬉しいです。

僕は何故かまた高級そうな椅子に座っている。

さっき勇者に身体を真っ二つにされた記憶はある。

それなのになんで僕はここに座っているのだろう。

そして勇者はどこに行ったの?

僕は部屋の外がどうなっているのか気になり、扉の近くの銅像に話し掛けた。


「あの〜さっき勇者がここに来ていませんでしたか?」

「いいえ、勇者は来ておりません」

「え?だって・・・」


どういう事?

勇者が来ていない?

じゃああれは何だったのだろう。

夢だったのかな・・・。


「外に出たいんですけど」

「畏まりました。では使いの者を寄越しますのでしばらくお待ちください」

「あ、はい」

僕は銅像に言われるままグラマラスな女性が来るのを待った。


数分後、扉が開き見慣れた女性がその先で待っていた。

「お待たせ致しました魔王様」

僕は長い廊下、中庭と見て回ったが特に変わったことは起きていなかった。

・・・いや、違うことがある!


僕はここへきたばかりの頃に中庭にある骨をモンスターに片付けさせたのだ。

あれのせいで足を引っ掛けて転びそうになるから退けといてって。

それが元に戻ってる?

何故?

わざわざモンスター達が元に戻すとは考えられない。

これってもしかして。


僕は後ろにいる女性に話し掛ける。

「少し前に中庭にある骨を片付けてってお願いしたこと覚えてる?」

「いいえ、存じ上げません。邪魔なのでしたら片付けさせますが?」


やっぱりそうか、僕は過去に戻ったんだ。

そしてまた勇者がやってくる・・・。


「悪いけど片付けを指示してもらってもいいかな?」

「畏まりました」


僕は混乱する頭で片付けの指示だけはお願いした。

一旦あの部屋に戻ろう。


僕は部屋に戻り椅子に座って考える。

もし過去に戻ってきたのだとすると、また勇者がやってくる。

その前に何か対策を考えないとまた無惨に殺されてしまうだろう。

まずは武器と防具が欲しい。

前回は何も身に付けていなかったのだ。

そして何か特技を身に付けられないだろうか、もしかしたら魔法なんてのもあるかも知れない。

あとは、そうだな・・・。

そういえば勇者の言葉が理解出来なかったな。

あの言語を話すことが出来れば、もしかしたら勇者を説得出来るかもしれない。

後は仲間か、強い仲間が欲しいな。

僕を守ってくれる、そんな仲間が。


いけない、1番大事なことを忘れていた!

勇者がいつここに来るのか調べないと。

色々としなければならない事が多いんだけど、何からしたらいいものか。

僕は迷った結果、勇者が来る日の特定と武器防具の獲得から始めた。


勇者が来る日を特定する為に僕は、この城の至る所に散乱している骨を使ってカウントする事にした。

簡易ボックスを用意してもらい、1日が経過するごとにボックスの中の骨を増やしていくのだ。

とても原始的な方法だがペンや紙が無い場所なので仕方が無かった。


そして武器と防具の調達。

まず僕はいつもの女性に聞く事にした。


「この城に武器と防具が置いてある場所はある?」

「ございます。まずは武器が保管されている武器庫でよろしいでしょうか」

「お願いします」


女性に先導されて僕は武器庫に到着した。

パッと見る限り、ここが武器庫だと想像するのは難しいだろう。

なんせ他の扉と何も変わらないからだ。

案内板も何も無い、ただの武骨な扉。

中へ入ると武器が所狭しと保管されていた。

ショートソードから杖に至るまで、全ての武器が揃っているのではないかと錯覚してしまうほどの広さだった。

身体への負担が少なくて扱いやすい軽い武器は無いだろうか。

僕は武器庫を歩き回って品定めをする。

まずは剣。

比較的短い剣を手に取り振ってみたが、剣が思った以上に重く扱えない。

次は斧。

これは持ち上がらない。僕には重すぎるからパス。

弓を手に取る。

矢を打つことは出来るが的にした壺に当たらない、どんなに近い標的も当たらない。

これは練習が必須だけど、勇者が来るまでに覚えられるだろうか。

今のところは第一候補、だけど接近されたら終わりだね。

次はモーニングスター。

金属製のこん棒とトゲトゲの付いた玉が鎖で繋がっている武器だ。

僕はこん棒を持って振り回してみる。

トゲトゲの玉がこん棒の回りをブンブンと回転する。

う~ん、ダメともいいとも言えない武器だ。

最後は杖。

色々な色の杖が飾ってある。

金属製から木製まで種類も豊富だ。

僕は黒色の木製杖を手に取る。

杖の先端には赤色の玉がはめ込まれている。

僕は杖を高くかざして思わず「ファイア」と唱えてみる。

・・・・・・

何も起きない、ただ僕の声が部屋に響いただけだった。

この杖はどうやって使うんだろう。

ただ振り回すだけ?

僕は後ろにいた女性に聞いてみることにした。

「質問があるのですがいいですか?」

「はい、なんでしょうか」

「この杖ってどうやって使うのですか?何かすると火とか水が出てきたりします?」

「杖から出すことはできません。杖はあくまでも魔力を増大させるためのものですので」

「じゃあ魔法が使えるってことですか?」

「左様でございます。魔王様は闇の属性だと伺っておりましたが・・・」

「え?あ、そうでした!忘れていた~」

僕は知ったかぶりで頭をポリポリと搔きながら誤魔化す。

道理で火の魔法が使えないわけだ。

でも闇の魔法が使えるのは僕なのか、それとも本当の魔王なのか分からないけど練習してみよう。

僕は女性に闇の魔法について聞いてみることにした。


「闇の魔法ってどうやって使うんですか?」

「呪文を唱えるだけで魔法は発動致します」

「一度試しに魔法を使ってもらってもいいですか?」


女性は近くに立てかけてあった杖を持つと呪文を唱える。

「ΗΣωжБ」

すると目の前に火柱が立ち上る。

凄い!これは・・・覚えたい。


「闇の魔法を唱える呪文は知っていますか?」

「城の図書室に呪文が載っている書籍があるので、そちらをご覧になっては如何でしょうか」

「ありがとうございます!」


よし!勇者が来るまでに魔法を覚えてみよう。

次の日、女性に案内されて図書室へ辿り着いた僕は、闇の魔法が書かれている本を取ってきてもらった。

ページを開き、そしてすぐに閉じる。

よ、読めない!

なんだこの文字は・・・。まずは文字を覚える事から始めないといけないなんて。

その日から僕は女性に文字の読み方を聞きながら勉強を始めた。


始めの部屋に置いてある骨を入れるボックスに骨が積み重なっていく。

骨がボックス一杯になった頃、部屋の外が急に騒がしくなった。


ヤバい!勇者が来てしまった。


僕は慌ててボックスに入れた骨を数える。

1本、2本・・・55本か。

という事はリスタート地点から55日後に勇者が来るという事だ、意外に短い。

結局文字は覚えることが出来なかった。

まだまだ時間が掛かりそうだ。

痛いし死にたくは無いけど、今回のループは諦めるしかないのか。

もしループしなかったらどうするかって?その時はその時だ。

今の状況よりはいいだろうさ。こんな地獄の様なループを続けるくらいなら・・・。


僕が思い耽っていると扉が大きく開かれ勇者が現れた。

「ヌンダルゴウダゾ!」

いや、分かんないんだって!

「ゴドノヅルオノワルオトホケホロウウデス!」

勇者が何かを喋った後、突然こちらへ走りだすと剣を鞘から引き抜き僕に向かって振り下ろした。

勇者の剣は前回と同様に顔を庇った僕の手を切り落とす。僕も学習しないな、思わず顔を庇ってしまったが不可抗力だ、仕方が無い。

途轍もない痛みを涙を流しながら我慢する。もうすぐ楽になれる・・・。

そして勇者から再度振り下ろされた剣で真っ二つにされた。


「パルドオムロゲロンド、ワルウデドザマルド」


そして僕の意識は無くなっていった。

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