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黒いナニカ  作者: 「名無し」と「ナニカ」
ナニカの記憶
8/11

続編3「ヒーローって汚い」

ねぇ。


君には将来の夢ってある?


私にはあるよ。


ヒーローになること。


みんなを助ける、かっこいいヒーロー。


小さい頃からずっと憧れてた。


困ってる人を助けて。


悪いものをやっつけて。


誰かに「ありがとう」って言われるの。


素敵だなって思ってた。


でもね。


思ってるだけじゃ駄目なんだ。


ちゃんと行動しなきゃ。


だから私は、小さなことから始めた。


道に落ちてるごみを拾った。


迷ってるおばあさんを案内した。


泣いてる子にティッシュを渡した。


いいことをするたびに、少しだけヒーローに近づけた気がした。


もっと頑張ろうって思った。


この世界には、助けを待ってる人がたくさんいるから。


未来ある子供たちのためにも。


……そう思ってた。


あの日までは。


古い家の裏庭だった。


小さな畑。


しゃがみこんでいた、ひとりの男の子。


楽しそうに笑いながら、土を掘っていた。


「おいしくなーれ」


そう言って。


そして。


土の中から顔を出していた“それ”を、嬉しそうに抱え上げた。


私は見ていた。


ちゃんと見ていた。


あの子が何を持っていたのか。


分かっていた。


なのに。


声をかけられなかった。


止められなかった。


逃げた。


何も見なかったことにして、家に帰って鏡を見た。


そこに居たのは私。


映っていたのは私。


真っ黒になった、私。


ヒーローって汚い。

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