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続編6:最終話「いただきます」
おはよう。
ちゃんと起きてる?
ふふ。
元気だね。
朝ごはん、もうすぐできるよ。
今日は大きなパンを焼いたんだ。
ひとりじゃ食べきれないけど、僕たちで食べれば大丈夫。
お父さんはジャムが好きだよね。
お母さんはマーガリン。
君はどうする?
……そっか。
じゃあ半分こしようね。
チン。
できた。
ふわふわで、いい匂い。
みんなちゃんと席についてる。
えらいね。
いただきます。
もぐもぐ。
おいしい。
みんなも嬉しそう。
よかった。
ひとりで食べるごはんは、寂しいもんね。
でももう違う。
だって僕には、みんながいる。
お父さん。
お母さん。
僕の、たったひとりのお友達。
みんな一緒。
ずっとこうしたかったんだ。
神様は願いを叶えてくれなかったけど。
大丈夫。
僕が叶えたから。
今日は特別な日なんだ。
だからお昼は、僕の大好きなハンバーグ。
家族みんなで食べる、初めてのごはんだから。特別だよ
僕は椅子から降りて、裏庭へ向かう。
材料はまだたくさんあるよ。
この世界には、たくさんあるんだ。
大人には見えないんだ。
ううん。
見ようとしてないのかな。
黒いナニカ。
歩いてて。
喋ってて。
笑ってて。
でも、ちゃんとあるんだ。
だから大丈夫。
みんなには見えない黒いナニカ。
僕たち子供だけで、たくさんたくさん食べようね。




