おまけ エピローグ
生まれ変わりというのは必ず存在する。なぜか。人は死んだら、その分人間界のバランスがとれなくなり、死神界、天界との境がなくなってしまうからだ。では、通常なら死ぬはずのない死神界、天界の住人はどうなるのか。それは……………
byムーちゃん
「もっと良い名前はなかったのかな……」
二人はあの後。お互いの死神を殺して、天に帰った。元々下界の調査をしにいったという記憶も戻り、私は女神として今ここにいる。謙二君とは結構上下の差があって最初は戸惑った。
「琴か、いえ、失礼しました女神様」
「仕方ないよ。しばらくは下界の時の呼び名にしようよ」
「ですが――――――」
「はい、決定ー」
二人ともとても良かったと思っている。いつも二人が見ていた人間界はどこか淋しく、穴が空いている様に思えたからだ。
でも実際はそんなことはなく、人間界は情や関係で溢れていた。死神に生きることを語れたのも、それほどに素晴らしいことだったから。還るのが惜しい、悲しいと感じれた位なのだから。
でも、死神達のおかげでそれを再確認することができた
あの死神達はもう、どこの世界を廻ろうとも、どこにもいないのだ。死ぬはずのない死神が死んだのだから。
ナディス…………
「琴華ちゃん」
「!?」
その時私はどこか聞き覚えのある声で呼ばれた気がして周囲を見渡した。けどそこにいるのは記憶の天使だけだった
幻聴?
すると、雲下の方から鳥が飛んできた。そしてその鳥は運命の女神の肩に止まった。
「琴華ちゃん、ありがと」
「!?」私は急に目線を肩に向けた。確実にこの鳥が私を呼んでいる。しかし、私にこの鳥の見覚えがない
「僕だよ。ナディスだよ」
鳥は確実にそう言って、その場を去り、その翼でそれ高くへと羽ばたいていった。
END