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キューバ専用チェックイン窓口 in JFK空港


 前回までで私がNYで感じたことのほぼ全てを文字にできたように思う。帰国の少し前、私は渡米最初の朝に入ったコーヒー屋に行った。あの朝、私はビビリまくって、入り口でウロウロし、中に入ってもオドオドと注文をした。そこから約8ヶ月。そこまで気を負うこともなく入店し、英語が通じないことがあってもテンパらずにコーヒーとクロワッサンを注文できるほどには成長した。英語力が十分に上達したとは言い難い。それでも「当社比」的な意味で言えば、上達するにはした。

 電車や大学のラウンジで椅子に足投げ出してるような人も多くて、スタバの店員も歌いながらだったり、音楽にノリノリで作業していたり、大きな駅では誰かが演奏してて、時にそれがかなりレベル高かったり、美術館でも手をポケットに突っ込んで壁によかかってたり、信号はとりあえず無視で歩くし、傘とかささないし、イヤホンから音漏れとかでなく、スピーカーを持ち歩いたり、チャリに載せたりして、音楽爆音で鳴らしていて、車はとりあえずクラクション鳴らしまくる。まあ、何かと騒がしい。そんなNYが私は大好きだ。

 一方で、セキュリティは厳しくて、トイレは日本に比べれば借りにくい。公衆トイレはあってもクソ汚い。治安は良くなったと言っても日本に比べると話にならない。

 そして、ホームレスに1ドルあげる人も多い一方で、ソーシャルセキュリティ番号を盗まれてホームレスになる人もいるし、戦争で指を9本失った人もいる。歴史的に言えば差別は根深いし、最近の問題で言えば医療費は高額。決して、アメリカ最高だぜ、とは思えない。

 たかだか語学留学にすぎないことをコンプレックスに思い、だからこそアンテナを張って、手探りで、NY留学という経験をより実りあるものにしようと思った。個人的には実りある経験ができ、勉強ができたと思っている。それでも私は留学生というお客様に過ぎなかった。NYで勝負するということはついぞなかった。NYで勝負している人たちの経験はもっと豊かなものであろう。その点で私は完全に満足しているわけではない。

 それでもやっぱり私はこの8ヶ月のNY留学が今後の人生においてすごく大きな意味を持つと思っているし、振り返ってみて本当に刺激的で、有意義だった。もし私が老人になってボケて、同じ話を繰り返すようになったら、この経験を話すに違いない。

 そんなNYの街を、私の下手な英語でアルジェリア出身のUber運転手さんと話しながら、車窓から眺め、JFK空港へ向かった。私は2019年12月16日、帰国の途についた。


  が。しかし。帰るまでが遠足。帰るまでが留学。私の留学はもう少し続く。すなわち、このエッセイももう少し続く。でも、NYの話ではないし、なんならアメリカの話ですらない。ここからは番外編だ。


   キューバ(ハバナ)編スタート!!!


 私は日本に直接帰国するのではなく、キューバ(ハバナ)とメキシコ(メキシコシティ)に寄ってから日本に帰ることにした。予め言うと、メキシコ編はない。ピラミッドを気球に乗って上から眺めたり、本場メキシコ料理がイマイチでNYで食べた方が美味しかったり、そんな話はあるのだけれど、単に観光して楽しんただけなので、エッセイにするようなことはなかった。しかし、キューバはそうではない。かなり予想外の経験をすることになった。それをこれから数回に渡って書いていこう。


 まず、キューバへの入国についてお話したい。(※※※いつも書いていることですが、改めて書いておきます。アメリカにせよ、キューバにせよ、メキシコにせよ、私が知ったことや経験をお話するので、間違っている情報が含まれているかもしれません!嘘を書くつもりはないですが、誤情報が含まれてしまっているかもしれません。ですから、このエッセイを読んで何かトラブルが生じても、私は一切の責任を負いかねます。情報収集はオフィシャルのところでして下さい。自己責任でよろしくお願い申し上げます。※※※)

 第一に、渡航目的についてだ。ホテルを予約する際に渡航目的を記入する欄がある。複数のサイトでそうだった。これはアメリカのホテルを予約する時にはなかったことだ。どうやら観光目的での入国は禁止されているらしい。というわけで、私はキューバに観光では行っていない。「キューバ国民の支援」で行っている。ホテルに泊まり、タクシーで移動して、飲食をして、お金を落とすことでキューバ国民を支援するためにキューバに渡航した。

 次に、大問題だったのが必要書類だ。キューバに行く際に必要なのはパスポートは当然として、ツーリストカードも必要だ。在日キューバ大使館に電話して聞いたら、ニューヨーク在住ならそれはアメリカで入手するように言われた。しかし、担当者はそれがどこで手に入るか直接は教えてくれなかった。空港で手に入れられると言われているけど、利用する航空会社に聞いてください、と。ネットで調べていると、ツーリストカード≠ビザだとか、ツーリストカード≠入国許可書だとか、そんな風に理解でき、日本からだとツーリストカードが必要だが、アメリからだと必要なのはツーリストカードではなく、入国許可書だとかそんな理解に至ったが、最終的にはビザをJFK空港で出発のためのチェックイン時に買って入国することになった。

 これはアメリカからの入国の仕方なので、日本出発の場合とか、カナダ経由の場合だと事情が異なるようだ。それに航空会社からのレシートはツーリストカードとなっていたけど、それはビザと呼ばれていた。(繰り返しますが、本当、手続きが煩瑣というか、よく分からないので、本当、渡航する際はご自身の状況に合わせて、何が必要かを自己責任でご確認下さい。)

 ちなみに、(1)英語での電話でのやりとりに自信がなかった、(2)あまりにも確定情報が足りず心配だった、(3)自分の語学力の問題もある、(4)出発が朝の便だったから早朝に入手できるかどうかも不明だったので、出発数日前にそのツーリスト?入国許可書?ビザ?を入手するためJFK空港に行った。実際に手に入れるまでは安心できない。

 しかし、航空会社のヘルプデスクでも分からないと言われてしまった。しかも、複数人が分からないと言う。え、自分が数日後使う予定の航空会社のスタッフにもその辺のこと知られていないの。。。って当然なる。

 さらに、JFK空港にはどうやらキューバに向かうための専用のチェックイン窓口があるようなのだが、その付近に行ってもそれらしいものは見当たらない。その付近にいたスタッフに聞いても要領を得ない。ぐるぐる回って、戻って、そこに立っているスタッフの人に話しかけたらようやく回答を得られた。

 彼女は「ツーリストカードは当日買える。キューバ行きの便は朝しかない。だから、ツーリストカードは朝しか買えないから今(夕方前に)来ても買えない。」という旨のことを教えてくれた。のことだ。彼女に「本当助かったよ、ヘルプデスクの人もよく知らなかったんだよね」って言ったら、「まあね〜みんな知らないよねー」みたいな感じだった。とにかくJFK空港に来ても、キューバ渡航の情報はかなりマイナーなようだった。

 出発当日の朝、つまり、私がUberの車窓からマンハッタンを眺めてJFK空港に到着した時、まず利用する航空会社でチャックインしようとしたのだが、キューバに行くためには航空会社の窓口ではなく、専用窓口に行けと言われた。その窓口でツーリスト?入国許可書?ビザ?を入手することができた。

 ちなみにそこで、窓口のおばちゃんに「Can I go to Japan with you?(私も一緒に日本に行っていい?)」と聞かれ、聞き間違いなのか、なんなのか分からなくて、テンパった。「冗談でしょ?」って聞いたら、「本気よ」って言うんだから、参った。こっちはただでさえ英語苦手で、しかもキューバの入国が本当にできるのかってなっているんだから余計な冗談やめて(笑)


 そんなわけで、無事、私はNYを後にして、ハバナに「キューバ国民の支援」のため向かったわけである。この時はまだ「キューバ国民の支援」ということが何を意味するのか、具体的な想像が十分にできていなかった。その本当の意味をハバナで私は痛感することになる。

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