第4話 こいつもアホの子だ
呆けた顔をした図体だけはデカイ村人Aと、最大手の神組織の神官服に、身の丈に合わない巨大杖を抱えたコスプレ小学生……じゃない、17歳のちんちくりんプリーステス。
そして、その手のひらに乗っている、大阪弁の妖精。
これが、客観的に再認識した俺たちの現在の姿である。
「チャイム! 安定わるいから、そこの塀の上に乗せてくれへん!?」
「は、はひ!?」
ちんまい妖精の勢いに押されて思わず奇声で返事をしたチャイムは、慌てて背伸びをして塀の上に乗せた。
「プラウド! ちょっとこっち、き!」
見た目は麗しい妖精に小さな手招きをされて、俺は渋々近づいた。
俺の目先で再びビシッと指を指した妖精。
「プラウド! 自分、なにゴチャゴチャと拗ねてんのん? 魔王討伐で転移してきたんやろ? 目的忘れてたらアカンやん!」
「ちょい待て。そもそもお前、誰だ」
「ウチ? ウチは神様――」
「てめぇっ! クソ神かっ!!!!」
俺は、一瞬で妖精を掴みかかると――凸凹のハッキリした柔らかな握り心地に思わず手を離した。俺の指にぶらんとぶら下がる妖精。
「い、いきなりナニすんねんなっ! このへんたいッ!!」
「う、うっせー! 青少年にはちょっと……刺激が……強かっただけだ!」
指にぶらさがった姿勢のままの妖精に、俺は顔を近づけた。
「それより、お前、あのクソ神か!?」
「ウチは、魔王討伐する転移者の手伝いしてきーって、神様に言われた神製体のファーファ。神様ちゃうわ!」
チャイムは慌てて背伸びをして、ブラブラとぶら下がった妖精が落ちないように下から手を差し伸べている。
「じゃあ、なんで俺の事知ってんだよ」
「それや!」
「なにが?」
「ウチは一応な、神様の使いってとこなんよ。今はこんなカッコしてるんやけどね。この世界と神様との橋渡しぃをしてるんよ。でもって――」
だいぶと落ち着いたファーファと名乗った妖精は、急に神妙な顔つきになった。なるほど、こう見ると神の使いと言われれば、美しく、それっぽい。
妖精は小さいながら整った顔にかかった髪をサッと払うと、
「ごめん、水一杯もらわれへんかな」
前言撤回。こいつもアホの子だ。
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「ぃやぁ、久しぶりによーさんしゃべったら、のどかわいてしもてなー」
こいつも俺の水を幸せそうに飲み干すと、満面の笑みで答えた。もう一人のアホの子は、隣でコクコクと頷いている。
「でな! 神様としては、この世界に直接は干渉できへんのよ。きまり~みたいなんがあるらしいんよね」
俺も妖精のファーファも、なんだか気がそがれてしまい冷静に話をするようになっていた。
「で、なんとか魔王の存在をリセットするために、異世界から転移してきてもろて、内部でなんとかしてもらおってことになったんやわぁ。そして、ウチは同じく神様が直接干渉できへんからって、代わりにやってきた~ってわけなんよ。つまり、神の代理やんね?」
俺に同意を求めるな。
「やーん! 神の代理って! なんか凄ない?」
だから俺に同意を求めるな。
「俺の名前を知っているのは、そこからか?」
「そそ。ウチんとこの神様から、転移者の居場所をおしえてもろてね。で、本来の持ち主のところへ来た~ってわけなんよ」
「本来?」
訝しげな声を出す俺。キョトンとしているチャイム。
「だって、ウチ、ほんまはキミに渡されるはずの神製なる武器、神製武器やってんよ?」
「はあああぁぁ!?!?」「えええぇぇぇぇ!?!?」
本編のSF「宇宙戦争は、俺のトイレで起きている。」を元にして、TRPGのアドリブマスタリングのようにNPCをノリで動かしたら、こんな風になってきました。




