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森に入る

「あんたら、明日朝五時に、森の入り口に集合!」涼音が叫ぶ。


「おっし、聞こえたな、明日5時だ。」

「了解!」

「今から帰って寝る!」

「私も。」

「俺もだ。」

「寝れるかな?」

「布団被ってれば、大丈夫。」


「涼音、また明日ね。」




 教室に人がいなくなった。

 まだ、朝礼が終わっただけだ。


「しまった。」

「涼音さま?」


「ははは、シャイナ、色々失敗した、道楽亭に帰ろう。」

「はい。」


 涼音たちは、トボトボと道楽亭に戻った。


************


 開けて、次の日の森の入り口には、涼音のクラスの全員が待機していた。


「皆さま、お早うございます。」シャイナがスカートを摘まみ挨拶する。


「「「「「お早うございます!」」」」」


「森に入る為のアイテムを作るために、森に入ると言う、矛盾した行為を執り行います。」

「涼音、それ言っちゃダメ。」


「まぁ、始森なら、ちょっと苦しさを感じるだけだから、頑張れー。」

「何それ?」

「聞いてない。」


「採取するのは、夜露の下りた龍のひげ2本と、草に溜まった夜露をこの瓶の半分以上。」そう言いながら、小指の先ほどの小瓶を、人数分取り出す。

 

 クラスメートが、わらわらと集まり、一つづつ持っていく。


「んじゃ、行くよ~。」涼音が間延びした声で言う。


「おぅ。」

「任せとけ!」

「ふふふ、腕が鳴るぜ!」体力に自信がある男たちが勇んで森に入る。

 

「なぁ、なんだこの重力。」体力に自信のある男たちがのたうつ。

「それが、森の拒絶。」

「な?」

「くそぉ、此の位。」

「気力で克服できるから、頑張れ~。」

「おぉ、任せておけ!」


「2mも行けばアルと思うよ~。」


「あったー。」

「こっちにも。」

「うわ、そこらへんに生えてるじゃん。」


「こっちの広い葉っぱには、夜露がたくさんあるよ。」

「こっちもだ。」


 わいわいと、採取していたが、30分ほどで全員がそれを手に入れた。


「んじゃ、このまま学校に行く。」

「え~。」


「本当は、この場で作るのが良いんですけど。」

「何で、シャイナ?」

「鮮度が、命なのですよ。」

「だそうだ。」


「じゃぁ、此処で作ろう。」

「うん、そうしよう、失敗しても、材料は周りにあるし。」


「う~ん、始森だから良いか。」

「此処で作りますか?」

「うん、お願いシャイナ。」

「はい、良いですよ。」


「最初に、龍のひげを、こういう具合に重ねて、折りながらこういう風に編み込んでいきます。」皆に見えるように、シャイナが実演する。

「編み込み終わったら、夜露をかけて、朝日に当てて乾かし、プロテの魔法を唱えれば完成です。」


「プロテ?」桃花や、クラスメートが首をかしげる。

「保護の事だよ。」涼音が答える。


「保護かぁ、俺苦手なんだよな。」

「あたしも。」


「それは、あたしが手を貸してあげる、文化祭で売る分今作ろう。」

「おぉ、賛成だ。」


「よ~し、一人10個、ノルマな。」

「ふふふ、10個以上作った方には、私が祝福を差し上げます。」シャイナが言う。

「なんと。」

「くふふ。」

「承りましたぁ。」男の子達が本気モードになった。


「シャイナ、祝福ってなに?」涼音が聞く。

「水属性のウインディネに紹介します。」


「何ですとぉ。」

「それ、やばい奴!」

「男どもに任せていられるか!」

「目指せ、玉の輿!」女の子達も火が付いた。

「エルフの紹介する、水の聖霊かぁ。」

「?」


「やばいよね。」

「そうなのですか?」

「うん。」


「阻止しないとやばい。」


「うん、頑張る。」

「なんで、桃花が張り切ってるの?」

「何でも。」


************


「桃花さんが、40個で優勝ですね。」


「かぁ~、負けた。」

「俺、11個しかできなかったよ。」

「あたしも。」


(巫女の力を使ったね。)


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