森に入る
「あんたら、明日朝五時に、森の入り口に集合!」涼音が叫ぶ。
「おっし、聞こえたな、明日5時だ。」
「了解!」
「今から帰って寝る!」
「私も。」
「俺もだ。」
「寝れるかな?」
「布団被ってれば、大丈夫。」
「涼音、また明日ね。」
教室に人がいなくなった。
まだ、朝礼が終わっただけだ。
「しまった。」
「涼音さま?」
「ははは、シャイナ、色々失敗した、道楽亭に帰ろう。」
「はい。」
涼音たちは、トボトボと道楽亭に戻った。
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開けて、次の日の森の入り口には、涼音のクラスの全員が待機していた。
「皆さま、お早うございます。」シャイナがスカートを摘まみ挨拶する。
「「「「「お早うございます!」」」」」
「森に入る為のアイテムを作るために、森に入ると言う、矛盾した行為を執り行います。」
「涼音、それ言っちゃダメ。」
「まぁ、始森なら、ちょっと苦しさを感じるだけだから、頑張れー。」
「何それ?」
「聞いてない。」
「採取するのは、夜露の下りた龍のひげ2本と、草に溜まった夜露をこの瓶の半分以上。」そう言いながら、小指の先ほどの小瓶を、人数分取り出す。
クラスメートが、わらわらと集まり、一つづつ持っていく。
「んじゃ、行くよ~。」涼音が間延びした声で言う。
「おぅ。」
「任せとけ!」
「ふふふ、腕が鳴るぜ!」体力に自信がある男たちが勇んで森に入る。
「なぁ、なんだこの重力。」体力に自信のある男たちがのたうつ。
「それが、森の拒絶。」
「な?」
「くそぉ、此の位。」
「気力で克服できるから、頑張れ~。」
「おぉ、任せておけ!」
「2mも行けばアルと思うよ~。」
「あったー。」
「こっちにも。」
「うわ、そこらへんに生えてるじゃん。」
「こっちの広い葉っぱには、夜露がたくさんあるよ。」
「こっちもだ。」
わいわいと、採取していたが、30分ほどで全員がそれを手に入れた。
「んじゃ、このまま学校に行く。」
「え~。」
「本当は、この場で作るのが良いんですけど。」
「何で、シャイナ?」
「鮮度が、命なのですよ。」
「だそうだ。」
「じゃぁ、此処で作ろう。」
「うん、そうしよう、失敗しても、材料は周りにあるし。」
「う~ん、始森だから良いか。」
「此処で作りますか?」
「うん、お願いシャイナ。」
「はい、良いですよ。」
「最初に、龍のひげを、こういう具合に重ねて、折りながらこういう風に編み込んでいきます。」皆に見えるように、シャイナが実演する。
「編み込み終わったら、夜露をかけて、朝日に当てて乾かし、プロテの魔法を唱えれば完成です。」
「プロテ?」桃花や、クラスメートが首をかしげる。
「保護の事だよ。」涼音が答える。
「保護かぁ、俺苦手なんだよな。」
「あたしも。」
「それは、あたしが手を貸してあげる、文化祭で売る分今作ろう。」
「おぉ、賛成だ。」
「よ~し、一人10個、ノルマな。」
「ふふふ、10個以上作った方には、私が祝福を差し上げます。」シャイナが言う。
「なんと。」
「くふふ。」
「承りましたぁ。」男の子達が本気モードになった。
「シャイナ、祝福ってなに?」涼音が聞く。
「水属性のウインディネに紹介します。」
「何ですとぉ。」
「それ、やばい奴!」
「男どもに任せていられるか!」
「目指せ、玉の輿!」女の子達も火が付いた。
「エルフの紹介する、水の聖霊かぁ。」
「?」
「やばいよね。」
「そうなのですか?」
「うん。」
「阻止しないとやばい。」
「うん、頑張る。」
「なんで、桃花が張り切ってるの?」
「何でも。」
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「桃花さんが、40個で優勝ですね。」
「かぁ~、負けた。」
「俺、11個しかできなかったよ。」
「あたしも。」
(巫女の力を使ったね。)




