森に
「まぁ、たいがいはドロップ品だね。」
「ドロップ品??」
「レアだとその人の生存率は上がる。」
「ほぇ?」
「でも、こっち側の森じゃぁ、殆ど無いから、後は金額。」
「うわぁ、いきなり俗っぽい。」
「自分が死ぬかもしれない状況で、助けるんだよ。」
「あぁ、そだね、その対価はお金かぁ。」
「うわぁ、文字通り自分の命をお金で買うんだ。」
「うん、それが森。」
「自分に見合った装備や、能力を過信して森に入るのは自殺行為。」
「って、自衛隊のお偉方には毎回言ってるんだけどねぇ。」
「毎回、紙のような装備と、木刀のような武器で森に入るんだよね。」
「もう、パワハラってレベルじゃないよね。」
「だいたい、自衛隊の通常装備で通用するのは、始森までなんだけどね。」
「あの人達「流森」まで行っちゃうんだよね。」
「んで、「流森」のバジリスクでほとんど石化して終わり。」
「毎回、助けに行くんだけど、2割ぐらいはロストしちゃうね。」
「ロスト?」
「魂の回収が間に合わなくて、そのままお亡くなりになる。」
「うわぁ。凄く生々しい。」
「桃花がいれば生還率が少し上がるかな?」
「うん、でも、対価次第だから、どうなるかな?」
「森佳子さんの運しだいだね。」
「そうなんだ。」
「まぁ、何時もの事だよ。」涼音が普通に言う。
「少ししたら、森に入ってみよう。」
「え?あたしも行くの?」
「桃花は強制かな。」
「え~。」
「救える命が増えるからね。」
「ふぅ、判ったよ。」
「神威のアマテラスはきっと最強だよ。」
「シャイナやキャラが森にいない事を祈ろう。」
「え?シャイナさんや、キャラさんて、こっちの森にいるの?」
「素材集めで来てるよ、結構。」
「え、え、それ出合っちゃったら?」
「森の礼をもって接すれば、見逃してくれるかな?」
「それって。」
「目を合わせたらアウト。」
「ちょ、自衛隊の人達、それ知っているの?」
「一応教えてるけど、その場になったら、皆ガン見しちゃうみたい。」
「駄目じゃない!」
「うん、駄目だね。」
「涼音、何落ち着いてるの、助けに行くよ。」
「うん、桃花、行くよ。」
「良かった。」
「でも、森は自己責任だよ。」
「え?」
「助かるのは、運が良い人だけ。」
「それは、いつも変わらないから。」
「え?それで良いの?」
「それが森の意思。」
「森の意思?」
「うん、私達が過干渉しても、助からない人は助けられない。」
「森に入った限り、その人の生死は森次第。」
「森の意思?」
「うん。」
「あたし達は、森に生かされた者を救うだけ。」
「うん、何となく解ったような気がする。」
「今は其れで良いよ。」
「さて、痕跡を辿るよ。」
「判ったよ。」
「ご主人様、童も行くのじゃ。」
「涼音殿、桃花殿、我も連れて行ってください。」
「あ~、シュワがいれば問題ないか。」
「はい、お留守番しています~。」
「桃花はいつの間にか着替えてるから、このままいけるね。」
「いや、そう言う涼音も、何時の間にジャージに?」
「制服の下に着てるから、上を脱ぐだけ。」
「涼音~、全国のJK好きな嗜好を持った人の夢を壊しちゃダメだよ。」
「え?桃花、そんな変態の肩持つの?」
「持たないけど。」
「気にしたら負けだ、さ、行こう。」
「うん。」
巫女と、ジャージ姿に唐草模様の風呂敷をたすき掛けにしたJK、そしてその後ろにメイドが二人。
凄く異様な集団だが、この辺りの住人は見慣れているのか、誰も気にしない。
「誰も気にしてないね。」桃花が周りを見渡して言う。
「桃花の事は、この辺の人には周知してあるって理沙姉が言ってた。」
「え?」
「巫女の修行をしているので、見かけても声をかけたり、写真を撮ったりしたら、理沙姉が直接ご挨拶に伺いますって。」
「へ?この辺での、理沙さんって?」
「勿論、森の管理者で、最上級の5人の一人。更に、この周り数百キロ以上を一瞬で廃墟に出来る力を持っている、謎の喫茶店店主って事になってる。」
「何、その怪しすぎる人物。」
「理沙姉、しー姉、真紀姉は超が付く有名人だからねぇ。」
「そう言えば、月刊超越者って雑誌で特集組まれてたね。」
「あぁ、あの一切が嘘の雑誌。」
「嘘なんだ。」
「理沙姉やしー姉に蘇生術があるとか、回復が出来るとか。」
「え?出来ないの?」
「出来るわけない。」
「魔術師と錬金術師だよ。」
「そこは真紀姉とあたしの領分。」
「しかも、蘇生は禁忌。」
「ほえ?」
「それが出来ていたら、久美子さんも不死の女王にならなかった。」
「あぁ、真紀さんの双子のお姉さんの。」
「うん。」
「あれ「完全回復(別名なかった事に)瀕死の状態からの回復。」は?」
「死んでなければ、使える技だよ。」
「久美子さんは、即死だったから。」
「あぁ、なんか御免。」
「いや、良いよ。」
「さて、森に行こう。」
「え?う、うん。」
歩いて数分で、森の入り口に着いた。
「ん、何?あのテント。」
「あぁ、自衛隊の後方支援の人達だね。」
「へぇ~。」
「ちょっと状況を聞いてくるね。」涼音はそう言うとそのテントに入っていく。
「うわぁ、普通に入っていった。」桃花が少し引いて言う。
「こんにちは、どんな状況ですか?」
「おぉ、涼音殿、いつも通りです。」
「と、いうと?」
「深森のダンジョンで苦戦しています。」
「あー、まだ人死には出ていない?」
「はい、しかし苦戦中です。」
「あそこは、銀の弾丸必須だけど、装備してるの?」
「いえ、通常弾です。」
「いつも思うけど、貴方達は新人を潰そうとしてるよね。」
「それが、自衛隊の方針です。」
「上の人間が使い安い駒を得る手段です。」
「聞かなかったことにするよ。」
「ありがたいです。」
「理沙姉もその方針に疑問を持ち始めてるから。」
「なんと。」
「今年で終わりだと思った方が良いよ。」
「解りました。」その男が最敬礼をする。
「んじゃ、あたし達も入るよ。」
「よろしくお願いいたします。」
「いや、全ては、森の意思だよ。」
「仰せのままに。」その男が最敬礼を崩さずに答える。
「助けられる者が多いと良いねぇ。」そう言いながら涼音はテントを出た。
「ねえ、自〇隊をデスってる気がするんだけど。」
「え~、この小説は事実とは関係なく、特定の団体や集団とは一切関係ありませんって言っとけばオッケーじゃね?」
「え?そんなもんで良いの?」
「こんな小説、自〇隊のお偉いさんが読んでいるわけないよ。」
「あー、それもそうか。」
「納得しちゃうんだ?」
「いや、説得力凄いあるし。」
「んじゃ、良いか。」
「おぉ、納得しちゃうんだ。」




