決着の時
随分と間が開いてしまいました。
9月の連休で2日間耐久1300km軽自動車で走破などを行い、精神も身体も言う事聞きませんでした><
週一ペースに。
戻れたらいいなぁ。。
しかし、不死の魔王は手の甲で刀の側面を撃ち、ハイベルトの刀をそらす。
「やるな。」
不死の魔王は、よろけながらも数十回必殺の攻撃をいなす。
終わりは突然訪れた。
不死の魔王が吐血する。
「・・・!」
その瞬間、ハイベルトの攻撃が不死の魔王の左手を貫いた。
そして、怒涛の攻撃が始まった。
幾重にも、何重にも叩き込まれる必殺の技。
『ぐわあぁぁぁぁぁ』重力属性の攻撃が。
『づわぁぁぁぁ!』全身を切り刻む攻撃が。
『!!!!』魂を凌駕する攻撃が。
すべての攻撃が終わった時、そこには全てを無くした者が蹲っていた。
『うぁぁ。』
「ほぉ、今だ姿を留めているとは、流石と言うべきか。」
ハイベルトが両手の剣を交差させながら言う。
「チェックメイトだな。」
不死の魔王は口元を歪ませると、呟くように言う。
『ふふふ。』
『彼の二刀の男に敗れた後、強者を求め暗黒の誘いに乗ってこの身を永らえていましたが。』
『ここまでのようですね。』
『再び二刀使いに敗れるとは、最早運命と言う事でしょうね。』
既に彼の者の手には贖う獲物もなく。
贖う能力も残っていない。
『さぁ、我が御首級を受け取るが良い。』そう言って不死の魔王が首を垂れる。
ハイベルトは無言で刀を振るう。
前のめりに頭を無くした身体が倒れながら、不死の魔王の身体は土に返っていく。
そこには何も残っていなかった。
自らの剣技を極め、その攻撃の速さを自負していた故、回避能力を上げる「回避の腕輪」以外は装備していなかったのが、彼の剣士の誉れだったのだろう。
不死の魔王が消滅した事で、久美子に変化が現れる。
がくりと力なく顔を伏せ言葉を発した。
「だ・・・」
その様子に真紀が身構える。
「誰がガチムチホモ好きの変態だ~~~~!」
「いやいや、「ホモ」は誰も言ってないっしょ。」涼音が心で突っ込む。
「私は眼鏡王子様が好みだー!!!」
(え~っと。突っ込んで良いところかな?)涼音が思う。
だが、その叫びに真紀だけが反応した。
真紀が久美子に近づき、その身を抱く。
「眼鏡王子様好きなら、本当の久美子だ。」
「おかえり。」真紀が言う。
真紀に抱かれながら久美子が答える。
「ただいま。」
「でも、直ぐお別れだね。」久美子が悲しそうに言う。
「え?」真紀が久美子の顔を見る。
「事故にあった直後、死者の国の入り口であの男の眼を見た瞬間、身体が勝手に動いてあの男に力を貸し始めたんだ。」
「意識はずっとあったけど、まったく抗えなかったんだ。」
「きっとチャームかなんかの魅了系スキルにやられたって事だね。」バツが悪そうに久美子が言う。
「迷惑かけたね、真紀。」久美子が寂しそうに言う。
「本来は繋げちゃいけない場所だものね。」
「だから、この場所を閉じなくちゃ。ね?」
「うっ。」真紀が言葉に詰まる。
「理沙姉、しー姉、迷惑かけてごめんね。」
久美子が理沙と詩織を見て言う。
「問題ない。」
「大丈夫。」理沙と詩織がニカっと笑って答える。
そして、久美子は鈴音を見ると
「かっこ悪いとこ見せちゃったね。」はにかんだように久美子が言う。
「そんなことないです!」涼音が涙ながらに答える。
その答えににっこりと微笑むと。久美子が中央の陣に歩み寄る。
そして、久美子はふぅっと呼吸を整えると、高度な詠唱を唱え始めた。
その詠唱は鈴音にも半分ぐらいしか理解できなかった。
「!」真紀は流れ落ちる涙を拭おうともせず、久美子を見ていた。
久美子は周りを見渡すと、最後に真紀を見てにっこりと微笑んだ。
「久美子!」と言う真紀の声と同時に死者の国との繋がりが閉じた。
「姉さん。」真紀がその場で膝まづく。
そこはすべてを拒絶する場所になっていた。
「ふぅ。」理沙が一息ついて一歩前に出た。
「皆様、ご苦労様でした。」
「死者の国と繋がる脅威はとりあえず回避できました。」
「一応、うちらの最高の司祭が封印を行ったので、今暫くは死者の国と境界が交わることはないでしょう。」
そして、理沙がその場所に更なる封印を行う。
少なくとも数十年はこの場所で死者の国とはつながらないだろう。
涼音はその封印を見て、ため息をつきながら思う。
(壁は凄く高いね。)
そして日は落ちて行った。




